許されざるの行為
準備をしっかりと行い翌日ダンジョンに来た。護衛は自分と依頼者の父が最も信頼しているというお付きの騎士6人が同行した。ダンジョンに入ると青年を先頭に攻略していく。ほどよく弱めたモンスターを貴族がとどめを刺す。その流れでかなり深い所まで来た。
「もうそろそろ、最深部です。引き返しますか?」
「むふ~、そうだね。ここいらで引き返さないと危ないから引き返そう。ほら、僕跡取りだし」
「では戻ります。騎士のみな様方、帰りもお願いします」
再び青年が前に出た時、いきなり斬撃が飛んできた。それを慌ててよけると1人の騎士が出したものだった。
「な、何をするんですか?!」
「むふ~、そうだ!何をしている。彼を何故攻撃するんだ?」
「おい、この子豚を黙らせろ」
「ちっ、分かったよ」
すると他の騎士が貴族の胸を剣で突いた。
「な?!」
「む、むふ…」
「悪いな、コレも依頼なんでな」
「な、何を…」
「跡取り様はバカみたいだな。教えてやるぜ。お前は親父から捨てられたんだよ」
「むっ?!」
「お前みたいな醜い奴より、弟に家督を親父さんは継がせたいらしいぜ」
身内からの裏切りに涙する貴族。そしてそれを黙ってみている青年ではない。すぐさま治療しようと駆け寄ろうとするが、他の4人が進路を塞ぐ。
「お前の相手は」
「俺たちだ!」
他の者より早くギルドランクが上がったとはいえ1vs4はキツイ。青年はあっという間に剣を飛ばされてしまった。
「お前らは苦しみながら死にな」
そういうと、1人が青年の足を切り落とした。
「こうすれば動けまい。生きたままモンスターに食われる恐怖を味わうんだな」
「手間賃としてドロップアイテムは貰っていくぜ」
バイザー越しでも判るぐらいに悪趣味に笑っている目が分かった。下品に笑いながら現場を後にする6人の裏切り者。残ったのは死にかけ2人。