仕組まれた依頼
~ギルド~
「指定依頼…依頼は隣国のスニミ国から内容は…」
「貴族の護衛だそうです。よかったですね!遂に隣国からの依頼が来るとは…世界に認められつつあると言う事ですよ!」
「ありがとう、よし頑張るか!」
この日を最期に青年をこのギルドで見た者はいない。捜索隊も組まれたが発見できず。異変に思ったギルド長が詳しく調べると、犯人と思しき2つの冒険者グループは既に他国へ逃亡していた。緊急クエストを発令し、そのグループらを捕縛させると、足を切断された状態で見つかった。彼らは、顔を青ざめながら反省の言葉を紡ぐだけだった。
いったい何があったのだろうか?
偽依頼を青年が受けた日から見てみよう。
~依頼日~
青年は隣国に向かって鍛錬も含めスキルを使用しながら寄合馬車で向かっていった。スキルを5kgの重さの石にかけ浮かせて、自分の膝の上で動かし続けた。これもスキルを磨き続けた結果だ。最初は1gの物をただ浮かすだけだが今は動かせるようになった。数日後には特にモンスターの襲来もなく隣国に到着。それから依頼のあった貴族の屋敷に向かった。
「すいません、冒険者ギルドより指定依頼を受けてきました」
「わかりました。ただいま確認しますので、少々お待ちください」
門番は依頼書を受け取ると屋敷内に入っていった。それから丸い体系の身なりのいい男が執事と共に来た。
「むふ~、君がそうなの?」
いろいろと言葉が抜けているが自分が指定した冒険者かどうか確認を求めているようだ。
「はい、お初にお目にかかります。本日より護衛に参りました。名は…」
「あ~いいからそういうの。むふ~、明日、父上の命により僕は社会科見学の一環でダンジョンに行かされるんだよね。でも僕1人じゃ危ないんだよね。ほら、僕ここの大切な跡取りだし。で、ここのギルドの冒険者に護衛させようと思ったんだけど、むふ、貴族て敵が多いんだよ」
つまりは裏切りを無くすために隣国の自分を指定したと言う事か。青年は納得した。