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現在
~現在~
あの時の少年は青年に代わり冒険者になっていた。腐らずにひたすらスキルを磨き20代で【50kg】の物までなら浮かせられるようになり、ギルドの上位のランクにもなった。スキルを使わず純粋な体術と魔法で依頼を成功させ、ギルドからの信頼もあり指定依頼も入るほどだった。しかし残念ながら上位にも下位の者の中にソレを面白く感じない者が出てくる。下位は自分のほうが【剣士】や【魔法使い】なのに【浮物】に負けているという劣等感。上位は【浮物】という【浮かすだけ】のスキルなのに、ここまで這い上がってくるという焦燥感。この2つが合わさった時、それは起きる。
始まりはただの偶然。酒場で2つの冒険者グループの席が隣り合った。語るのはその日の成果と青年の事。特に青年の事はヒートアップしいつの間にか、隣に居た冒険者グループと共に騒いでいた。
「この世に【浮物】で成り上がっていいのか?!」
「浮くのはテメーの存在だけにしろってーんだ!」
「これ以上、あいつにランクを上げていい物か?否、ない!」
そして恐るべき作戦が練り上げられた…
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