危機2
今日はちゃんと投稿できました!!!
翌日俺たちは朝早くからワイバーン討伐のため歩いていた。
「お兄ちゃん〜、水ぅ〜、僕喉乾いたぁ〜」
「我慢しろって、てか、ワイバーンのいる場所が砂漠地帯なんて俺聞いてねぇぞ?」
あの人はつくづく適当な人なんだなと、再確認した。
「にしても暑いなぁ」
『主君よ、では、主君を中心としてルプス殿が入る範囲くらいに氷魔法を使ってはどうだ? 氷魔法と言っても、凍らさず空間を冷やす程度に』
それだぁぁぁぁぁぁ!!!! その手があったか! なんで俺は今の今まで気づかなかったんだ、まぁ、今この状況を永遠と味わうよりかわまだ良かろう。
「ルプス、俺との距離を詰めろ、」
「えぇ〜、お兄ちゃん、この暑い中で僕たちがくっついたらもっと熱くたっちゃうよ」
「大丈夫だよ、涼しくなるから」
と言って俺は虚空に手をかざした。氷魔法を使う。
「うおー! 涼しくなってキタァ!!! お兄ちゃん、めっちゃ涼しいよ! 僕は感激だよ!」
「おお、それは良かった。それより、疲れたからここで少し休もうか、」
「お兄ちゃん、いくら涼しくなっても砂は暑いままだよ、、、」
「俺は氷魔法を使えるんだぞ? 見ておけ!」
と言って俺は、次は周囲の砂を凍らせた。その上に俺は魔法創造により作った木魔法を使い、机を1つと椅子を2つ作った。
「すごいねお兄ちゃん、僕はもう呆れて言葉も出ないよ」
喜ぶかと思っていたが、俺の予想は当たらず、ルプスはこれでもかと言うくらい呆れたような顔をしている。呆れたようなって、実際呆れてるんだけどね?
「ま、これで快適に休憩ができるだろ? それに水魔法で水も出せる。しばらくはここで休むことにしよう。」
「そうだねー、僕は砂漠に入ってからずっと疲れっぱなしだよぉ〜〜」
そうして俺たちは小一時間ほどそこで休むことにした。
◆ ◆ ◆ ◆
「リーダー!!! 来ます! 早く逃げてください! あんなのに勝てるわけない、たとえ戦っているのがリーダーであっても!」
男は自分のパーティのリーダーの男に向かってそう叫んだ。だがそのリーダーの男は逃げない。
「うるせぇ!!! いいか、あいつも俺たちも命がけだ、そんな甘いこと言ってられるほどこの世の中は簡単にはできちゃぁいねぇ! だからだ、お前たちでも逃げてくれ!」
リーダーの男は本気だった。現に他の3人のなかまがしんでいる。だから一番可愛がっていたその男にだけは生き残ってほしかったのだ。
「リーダー、リーダーがそう言うのは納得できます。だけど、今まで一緒に戦って来て、ピンチになれば助けてくれたリーダーを見捨てるなんて、俺はできません!!!」
「現実見ろよ!!! 周りを見てみろ、こいつを倒そうとしてさっきまで仲良く話してたやつら3人が死んだんだ! これは命令だ! お前だけでも生き残ってくれ!」
「うぐっ、いや、でもッ、、、はい! 分かりました!」
男は泣きながらリーダーの命令に従った。
そしてリーダーの男はその敵、否。脅威に立ち向かった。リーダーの男はなかなかの強者だった。巷では【火の英雄】呼ばれるほどには強者だった。本来ならこの敵もすんなりと倒せるはずだった。
その敵の名前はワイバーン。決して弱い相手ではないが、【火の英雄】からすればさほどの敵でもなかった。だが、今回のそれは違った。
外見的な特徴は肌の色と目の色が違うことだ。普通なら翠色をしている目が赤黒くなっていて、普通なら赤い色をしている肌がこの特異種は、吸い込まれてしまうんではないかと思うくらい、真っ白な色をしていた。その白は他の色を受け付けることを許さないほど、真っ白であった。
「くッ、『フレイムサイクロン』!!!」
その魔法は【火の英雄】に使える最大火力の魔法であった。そしてその火はワイバーンの特異種を瞬く間に包み込む。が、ワイバーンの身体に傷がつくことはなかった。そしてワイバーンは【火の英雄】に向かってその大きな口を開けて突進する。
「く、来るなぁ!!!!」
刹那、【火の英雄】は咀嚼された。
◆ ◆ ◆ ◆
「ふぅ、そろそろ行くかぁ、」
「えぇ〜、お兄ちゃん、僕はまだ体が暑いよぉ〜、もうちょっと涼みたい〜」
おいおいおいおい、一様俺はご主人様だぞ、そんなこと言っていいのかよ、、、俺ってルプスに甘くしすぎかなぁ?
「早くしろ、もう出るから」
「あとちょっとだけ、お願い、お兄ちゃん?」
上目遣いで俺に頼んで来る。俺の回答は決まっている。
「もう少し休むべきだと俺も思ってたよ」
我ながら自分は甘いなと、再認識する。そんな茶番をしていると、俺たちを呼ぶ声が少し遠くからする。
「お゛ーーーい゛!!!」
その男は叫び過ぎたためか、声がとてつもなく枯れている。
「どうしたんだ、何かあったのか?」
「リーダーが、リーダーが!!!」
あまりにも落ち着かないので、俺が氷魔法を使って作った休憩スペースで休ませる。やっと話をできるようになると男は聞き捨てならないことを口走った。
「ワイバーンを俺たちは討伐に来ていたんだ。ワイバーンくらいならリーダーがいれば簡単な敵だったんだ。だが、今回の敵は普通のワイバーンとは違ったんだ。所謂特異種というやつだった。リーダーでも敵わなかったんだ。そして俺の仲間はリーダーを合わせれば4人が死んだんだ。クソッ!!!」
俺はこの会話で少し気になったことを訪ねた。
「お前のリーダーとやらは強いのか? それと、特異種と言うからには何か特徴があるはずだ、ワイバーンの特徴を教えてくれ、」
「リーダーは、巷では【火の英雄】と呼ばれるくらい、とても強かった。でもそのリーダーがやられたんだ。それと、ワイバーンの特徴は肌がとてつもなく真っ白だった。そして目は赤黒い色をしていた。」
真っ白だって? 普通のワイバーンは赤い色をしているはずだ、それに眼だって本来は翠色をしているはず、裏で何かあるかもしれないな。
「ルプス、この男を看病してあげろ。俺はそのワイバーンとやらのところに行って来る。」
「え? まさかお兄ちゃん一人で行くの? 【火の英雄】は、英雄の中ではあまり名が知れてなかったとはいえだいぶ強いはず、そんな英雄が敵わない相手だよ!?」
「ああ、大丈夫だよ。いざという時は奥の手があるから」
『時空間魔法でタイムリープするのだな』
おいぃぃぃぃぃ!!! なんでネタバレしちゃうんだよ!
『いや別に、この声自体主君にしか聞こえて居らぬからな、』
そ、そうだけどよ、まあいい
「兎も角、俺は大丈夫だから。ここで待っていてくれ。行って来る。」
「お兄ちゃん、気をつけてね!」
ははっ、こんな可愛い子が気をつけてねって言ってくれるんだ、帰ってこないわけなかろう。
俺はワイバーンのもとに向かう前に、ワイバーンのステータスを見るために、鑑定魔法を魔法創造で作っておいた。
ウガァァァァ!!!!
あれがあの男の言っていたワイバーンか、確かに異常だな。しかし肌の色は男の言っていた白ではなく赤黒い色だった。何者も寄せ付けないような赤黒い色だった。そして俺はワイバーンのステータスを見る。
「おいおい、嘘だろ?」
ワイバーンよステータスを見て俺は絶句する。
やはり展開が早い気が、、、




