33話 完成そして…
わーい!完成したぞー♪
現在夕刻、仕上げをしようと思うのだが…。
「ねぇムラマサ、ここに暗くしてもらえる?夜に作業してもいいけど屋敷の人が心配するから遅くまでは帰らないといけないんだけど…」
「あぁ大丈夫だ!すぐやろう!」
よかった。これで次のステップへ行ける。
「よしじゃあ次は焼き入れをしよう。」
「おう!わかった!」
そこまで順調に進んでいた焼き入れでミスをした。
刃に亀裂が入っていた。湿度が高かったみたいだ。
「くっそ!難しいな…だが感覚はわかってきたぞ!」
「さすがは鍛冶屋だな。でもごめんこれの原因は湿度なんだ…適切な湿度じゃなきゃ今回みたいに湿度が高いと刃切れを起す。低すぎても今度は焼きが入らないんだ…。」
「完全にお天道様のご機嫌次第ってやつか…。」
「でも形にはなった。次は俺が製作してた奴でやろう。今度は俺が魔法を使ってサポートする。」
今回は2本作ろうとして正解だったな…。さっきまで焼き入れしてたのはムラマサの鍛えた刀。今回は俺のを使ってやってみよう。
「でもよ。魔法ってなんの魔法使うんだ?」
「水魔法と風魔法、あと火魔法を使って湿度をコントロールする。」
「は?」
「まぁやってみよう。」
そう言ってムラマサには焼き入れの作業をしてもらう。俺もサポートしつつ魔法で湿度管理をする。
まず、水分だ…水魔法を使って回りに湿り気を発生。次に火魔法で乾燥。そして適正な湿度を調節するために風魔法でそれらの魔法をコントロール…。こっちに来てから戦闘でもないのに、こんな荒業な魔法を使うのは初めてだ…。
「おいレイガ大丈夫か?おめーの魔法で室内の空気がすげー変わったのはわかるが無理してねーか?」
確かに複数の魔法を常にコントロールして俺の顔に汗が染み出していた。
「あぁ…大丈夫だ。さっさと手を動かせ…」
「お、おう。わかった!もう少し気張れよ!」
(くそ…結構、制御が厳しいな。)
ピロンッ♪
(は?)
『魔力制御』Lv:1 習得…。 『魔力制御』Lv:2 に上がりました…。 3、4、5…『魔力制御』Lv:MAXになりました。
(はいっ!?)
おいおいっ!…都合がよろしくないですかね?レベルが上がり続けてMAXになっちゃったよ!ちょっとシャロル様?俺に甘すぎるのではないっすかね!?
「おいどうした?へんな顔になりやがって。」
どうやらびっくりと笑いが混ざったような顔をしてたらしい。いやでもこれで…
「あぁちょっと女神様の恩恵でね…。大丈夫魔法のコツはつかんだ!!」
するとさっきまで制御がきつかったのが嘘のように俺は手足を動かすように魔法を制御することが出来るようになった。
「お?顔色もよくなったな!よーし!これでどうだ!!」
ムラマサが見せ付けてきた刀身には亀裂もなく。ちゃんと焼きも入っていた。
「よかった…あとは研いで握り、鐔、鞘をやれば完成だ…。」
「よっしゃー!それは俺に考えがあるからお前は休んどけ!明日にはやっておくからよ!」
「は?大丈夫かよ、造り方とか…」
「大丈夫だ!おめーから見せてもらった奴で大体想像ついた!」
「じゃあいいけど…。あ、中心仕立てしなきゃ…えっと銘はどうしようかな?」
「あ、それも俺にやらせてくれ!こいつの名前を決めればいいんだろう?」
「うん、じゃあお願いしようかな?今回はムラマサが居たからこいつが作れたんだし。」
「おう!任せろ!いい名をつけてやらー!」
「うん任せた!さてと俺はそろそろ帰るわ…」
「じゃあ明日楽しみにしてろよ!」
「あいよー」
そう言って俺は鍛冶場を後にした。
帰宅した屋敷はいつものように仁王立ちしている2人…食卓に新たに王国のメイドが増えたりしてたけどまぁ夕食を済ませたあと俺はすぐ横になって熟睡した。はぁ…いい仕事したな…。
・・・翌朝、鍛冶屋にて
「ムラマサおはよー!んで、できたのー?」
挨拶すると鍛冶場の方からムラマサがやってきた。
「おう!レイガ!こいつを見てくれ!」
そう言って差し出してきたのは昨日2人で作った『刀』だった。
「ん?昨日の刀?ちゃんと立派になってるじゃん!」
柄の部分と腰紐は群青色の革で編んだ握りで出来ていて、鍔は白銀で雲の装飾がされていた。鞘は紺色より暗い…なんだっけ?あぁ、勝色だ!うんうん!かっこい!センスあるじゃんムラマサ!
「あぁ…ついさっき完成したんだ…だけどな見た目は重要じゃない…」
「え?どういうこと?」
「どうやらこいつ…魔剣か聖剣のような物になっちまったらしい…。」
「え?なんで?」
「俺にもわからん…刀身には特別な素材をつかったわけでもねーし、名づけた途端こいつの雰囲気が変わってよ…。」
「ちなみになんて名前にしたの?」
「『クモキリ』って名前だ…。雲を斬るようにって思って名づけたんだが変か?研ぎ終えた刀身の波紋見てたら空でも斬れるんじゃねーかと思ってよ…。」
漢字にすると『雲斬り』か…。うん悪くはない!
「そっか、いい名前付けてもらったんだな!」
俺は手に持った雲斬りに言った。すると、なにか俺に伝えたいのか雲斬りから魔力を感じた。
「んでそいつなんだが…。」
「あ、あぁ…魔剣とか聖剣とか言ってたっけ?」
「そうなんだ…おめーそいつ持ってなんか感じねーか?鍛冶師やってるとよ、たまに作った奴らから声が聞こえるんだ…。そいつはおめーさんに惚れこんでるみたいでよ?俺が持つとただでさえ弱い俺の魔力が吸われるんだよ…。」
「あぁー確かに魔力は感じた。ちょっとは吸われてる感じがするけど逆にこいつからも魔力の放出を感じてるし…まぁそれぐらいで特に問題ないかな?」
「じゃーよ?そいつ抜けるか?」
「ん?じゃあはい!」
俺はとくに気にもせず刀を抜いた。刀身は綺麗で波紋はとてもなだらかで見ていて惚れ惚れする出来ばえだった。
「はぁーやっぱてめーには抜けたか…」
「にはって事は…」
「あぁ…俺には全然抜かせてくれねーんだそのじゃじゃ馬は」
「へーそんなことあるんだね」
「聖剣は所有者を決める。そして大いなる力を目覚めさしてくれる…魔剣は所有者の魔力を吸って力を発揮する。そいつはどっちもやってやがる…だから聖剣か魔剣になっちまったって言ったんだ。」
「なるほど…ちょっと待ってね。」
俺は鑑定をした。
『妖刀 雲斬り』…雲を斬ると名づけられた刀。
所有者…レイガ・ロータス
能力…『聖剣』『魔剣』の特性を持ち、万物を斬る。魔力量に応じてその力を発揮する。
備考…「わーいあなたが私のお父様なのですね!」
………え?
「どうしたレイガ?」
「あ、うん!大丈夫なんでもないよ!」
「そうか?まぁいいやそいつはお前専用みたいだしちゃんともっとけ!整備とかはーまぁお前が出来るから大丈夫か。」
「う、うん!あ、あとさ!造り方とかわかったでしょ?俺の友達にも2本ばかし作って欲しいんだけど!」
「お?おう…どうしたそんなテンパって…まぁ俺は練習にもなるしかまわねーけどよ急いで欲しいなら焼き入れの時だけ手伝ってくれや!おめーがいねーとすぐには作れねー。」
「うん!わかった!今日は用事があるから帰るわ!明日夕方に焼き入れしに行くからそこまでは進めておいてくれ!じゃあな!」
俺はそう言って店を出た。
「おい!ってもーいっちまった…。どうしたアイツ?」
・・・
「はぁ…はぁ…。さてと」
俺はまた雲斬りに鑑定をして備考のところを見た。
『わーい!お父様は足が早いんですね!』
「あーやっぱ喋ってるわ…。」
『どうしたんです?お父様?』
「会話も出来ちゃってるよ…」
『もう!クモキリのこと無視しちゃって!ちゃんと会話できますよ!お父様!』
「あ、はい。んで君は『雲斬り』でいいのかな?」
『はい!そうですお父様!私はクモキリ!お父様専用の刀でございます!』
「お父様専用言うな!アウトだろそれ!あと俺は今は子供だ!!」
『失礼しました。でも私はお父様だけにしか使えない刀ですし…では!お父様の所有物…』
「確かに確かにそうだけど!それも!ダメ!!アカンってこれ!」
『えーでも…』
「もう話が進まない…もういいよ専用で…」
『はい!お父様!』
「で!雲斬り…クモキリはなんで意思をもってるの?」
『その前にお父様…スキルを使いながらだと面倒ではありませんか?』
「まぁ確かに一人で喋ってるみたいだし空しい気はしてるけど…」
『ではお父様!私に魔力を少し分けてもらってもいいでしょうか?』
「え?あ、うん…よっと…これくらいでいい?」
『あぁ…お父様が流れ込んで来る…』
「アウト!アウト!!だよ!!」
『はぁはぁ…ごほん、では私を置いて離れてもらっても良いですか?』
「うんわかった…。」
俺は雲斬りを置いて離れた。
『では!見ててください!私の変身!』
「いやいや!その台詞どっかで聞いたことあるよっ!?」
それを突っ込んだ直後、雲斬りは発光しそこには女性のシルエットが見えてきた。髪は勝色のポニーテールで顔をキリッとしつつお淑やかな群青色の瞳をしていて、色白でほっそりしていながら女性らしい身体つきの美女が現れた。
「初めて人型になってみたのですがうまく行きましたね!」
「な、な、な…」
「な?どうしたんですお父様?」
「何で裸なんだよ!!」
「あら?失敗してしまいました。ごめんなさいお父様」
もう突っ込みきれないよお父様は…。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
さて雲斬りが完成しましたね!さてさてレイガ君!大人の魅力に誘惑されるのか!?まて次回!!
次回更新は来週月曜AM1時に更新予定です!




