9話 ゴブリンとケモミミ少女
出会いイベントでございます!
・
・
・
『天界』
モニター越しにレイガのことを見守る女神がそこに居た。
「うふふっ♪蓮侍さん毎日楽しそうです♪あぁ…早くあなたに会いたい…」
それは恋焦がれる乙女の顔だった。
「あらら?すっかりその子の虜になっちゃってもーシャロルちゃんはかわいいわねー」
「お、お母様っ!?」
そこにもう2人の男女が来た…。慈愛の女神の父、『戦神のバアル』慈愛の女神の母、『創造神のシャール』
「俺は絶対に許さんからなっ!!」
父のバアルはその様子が気に食わなかった…。可愛がって育ててきた娘がぽっと出の男に娘を盗られるそれは大変許しがたい!っと思ってるらしい…(なおと蓮侍を転生させてからシャロルに口を利いてもらえてない…パパつらたん)
「えぇーいいじゃない!蓮侍君いい子よ?私の力も正しく使ってもらえてるし転生してからもイケメンに育つはずだし料理男子だし強くてかっこいいし!あ、でも今はかわいいわね~♪」
「お、おいお前私情入ってないか?いくら俺がごつい顔してるからって…くそー娘だけではなく妻まで誑かせおって!!やっぱりあの手この手であやつを…」
「今聞き捨てならないことを言いましたねお父様…」
「シャ、シャロル!?違うんじゃそんな目でパパを見ないでおくれ!でも5年ぶりに話せたパパうれしい!」
「はいはい。もーちゃんとしてるときはカッコいいのにこの娘馬鹿は…シャロルちゃん?今蓮侍君は何してるところなの?」
「えー今は山に行って食材探しをしてるみたいです!どんどん狩りの腕が上がってますよ!それを調理した物はとてもおいしそうですし!」
「あらら貴女もがんばってお料理の勉強をしなきゃでしょ?そろそろキッチンに行って練習しましょ!」
「あ、はい!もうそんな時間なのですね!お母様よろしくお願いします!」
「いいのよー5年前までは料理はパパとシャロルちゃんの誕生日くらいしか作ってないんだからこの5年間で主婦の感は取り戻せたわ!今日も張り切っていくわよ!」
「はい!お母様!!」
「…妻と娘がこの5年間ご飯を作ってくれるようになったのになんじゃろこの気持ち…パパ泣きそう…」
っと言う感じの天界なのでした…。
・
・
・
『辺境の村の山』
「よーし2匹捕まえれば今日はいいだろ!」
俺は今日も今日とて狩りをしていた。自給自足の生活も慣れれば楽しいもんだな!野菜は畑から採ってくればいいし調味料は村にたまに来る商人のおじさんから物々交換でもらえるしいいね!この生活!!
まぁ5歳児が村の子供と一緒に遊ばないで山で狩りばっかやってると大人達から心配されるが…モーガンの孫だからって事で黙認されてる…あははじいちゃんさすがだわ。
「さーて血抜きもそろそろ終わったかな?収納してさっさと帰ろーっと…っ!?」
『地図魔法』の策敵に何かが引っかかった…。ちょっと行ったところに3つのマーカーが置かれている…敵が3体なのか?しかも魔力の気配もする…行ってみるか。
俺はその場に急いで接近してみた近くまで来るとそこには『ゴブリン』2匹がいた…。何でこんなところに居るんだ?この山にはスライムしか居ないはずなんだが…アレがゴブリンか。思ったよりグロいな…。
さて…観察はここまでだもう1つの気配は…なん、だとっ!?ゴブリンに少女が襲われそうになっていた。土や埃で汚れているが白髪のショートで金色の目をしていた。そのなかでも1番の特徴はその少女…ケモミミ生えてるんだが!?あれか獣人か?初めて見た!!って早く助けないと!!など余計なことを考えていたらゴブリンが少女に飛び掛ろうとしていた。
「やばい!?」
俺はとっさに飛び出した。その一瞬で『無限収納』から鉄の剣を出し少女の前へ出る。そしてその飛び掛ってきた1匹を突き刺した。血しぶきが飛び散る…胴体を貫かれたゴブリンはそのまま息絶えた。2匹目…いやゴブリンBと言おう。ゴブリンBは仲間がやられたのを見た後追撃してくるかと思ったが踵を返しそのまま逃げようとしていた。
「逃がすと思うなよっ!」
手に持っていた鉄の剣を投げる。垂直に飛んで行く剣はゴブリンBの頭を貫通した。そして大量に血を噴出しその場に倒れた。
「はぁ…初ゴブリン戦だったが何とかなったか。っと大丈夫か?」
と少女の方へ向き直ると何ということでしょう…ぷるぷると震えながら目からは涙が流れてるではないか…。
「あ、えっと!怪我でもした?」
俺はあせった!なんで?怪我をさせないように注意はしていたが逃げるときにでもあいつらに何かされたのか?
「………った。」
「ん?なんって言った?」
俺は聞き返す。
「怖かったよー!!」
少女は抱きついてきて俺の胸で泣いていた…怖かったか。そりゃそうか相手は魔物だしこんな小さいんだもんそう思うよな。今は胸を貸してやろうか…。
「そっか。怖かったか…もう俺が倒したから安心しな。あと怪我はないんだな?」
「うん…グスッ ちょっと転んだけどケガはしてないよ。」
「よしよし。ちょっと待ってな今から手品をしてやる!この手を見てろよ?」
俺は『無限収納』で右手をパーッっと魔力の光でわざと光らせてサンドイッチを取り出した。
「わーっ!?すごい!あなた手品師なの?」
「ふふっ手品師ではないよ俺はレイガ。ただの村人だよ!」
どうやら泣き止んでくれたみたいだ…「きゅーっ」ん?
「あ、」
少女は顔を真っ赤にして俯いた。どうやらこのケモミミ少女のお腹の音らしい…ははっかわいらしい音だな
「ははっほら!さぁこれをお食べ!」
「いいの?」
とお腹を押さえて上目遣いして聞き返してくる。
「うんいいよ俺の分はあるから安心していいよ!」
「ありがとっ!」
少女は2切れあったサンドイッチをおいしそうに食べていた。はぁよかった笑うとやっぱ可愛いじゃないか。あ、今汚れてるんだった『浄化』かければよかったな…
「ちょっとそのままでいなよ?すぐ終わるから。」
「ん?わかった?」←首コテン♪
あ、かわいい…っていかんいかん!!
「…『浄化』。よし食べていいよ」
「あれ?服がきれいになった!?レイガの力?」
「そうだよ。今のは『生活魔法』の『浄化』体がきれいになる魔法だよ」
「すごい!レイガ魔法使いなんだね!」
「んーでも剣と槍も使うから魔法戦士が正しいかな?まーまだ子供だけどね」
「そっか!魔法戦士ね!レイガすごい!!」
「あはは、ありがとう!あ、そういえば名前聞いてなかった。君の名前は?」
「わたし?わたしは『ベル』!白狼族のベル!」
「そかベルか!よろしくなベル!」
それがレイガと白狼族のベルの出会いだった…。
いやー無垢な少女ベルちゃん登場!レイガと出会い少女の運命が変わる!
待て次回!!