表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/132

水族館デート②…悠磨編

流石、人気のあるショーなのか、座る席が見つからない。

「流石に無いね」

って、亜耶が隣で苦笑してる。

「そうだな」

オレも、必死で辺りを見渡す。

そして、一ヶ所誰も座ってない場所を見つけた。

「亜耶。あそこ空いてる」

オレは、そう言うと亜耶の手を引きその場所に向かった。

場所的には、見にくいかもしれないが、ステージの上にある巨大モニターで水槽を撮し出してるから、大丈夫だと思った。

席に座るとタイミング良く進行役の女の人が出てきた。

「座れてよかった」

ホッとした表情の亜耶。

「そうだな」

って言葉をボソっと返した。


それからは、ショーが終わるまで亜耶の感嘆した声や興奮した声が隣から聞こえてきて、亜耶に聞こえないようにクスクス笑った。

可愛すぎるだろ。

コロコロ変わる表情が、普段隠されてる顔なんだって思ったら、ちょっと寂しかった。



「ねぇ、ねぇ、悠磨くん。イルカさん達可愛かったね」

興奮冷めやらぬ感じでいう亜耶。

それに対して。

「そうだな」

って、冷静で返すオレ。

そんなオレに亜耶が、オレに驚いた顔をしたかと思ったら、無邪気な笑顔を向けてきた。

そんな亜耶が、愛しくて堪らない。

それから、遅めの昼食を採って、館内をもう一度回った。

最後に土産物によった。



「あっ、これ可愛い。悠磨くん、これ買ってきていい?」

亜耶が、ストラップの所で見いっていた。

突然の事で。

「えっ、あ、うん」

どもった返事になってしまった。

亜耶が、レジに並んでる間、オレは記念になるものを探した。

そして、これだと思ったものを手にして、レジに並んだ。


亜耶が店の前で、待っていてくれた。

「悠磨くん。何買ったの?」

亜耶がニコニコしてオレの顔を見てくる。

「ん?今は、まだ内緒」

オレは、茶目っ気たっぷりに答えた。

「ほら、帰ろ。余り遅くなると心配するだろ」

オレは、亜耶の小さな手を握って、歩き出した。



亜耶の家に着くと。

「今日は、楽しかった」

って、歯に噛んだ笑顔で言う亜耶。

「オレも楽しかった」

吊られるように亜耶に笑顔で言う。

「本当?」

「うん。本当に楽しかった。亜耶の意外な一面も見れたし…ね」

オレが言うと夕闇の中、亜耶の顔が赤く染まっていく。

「じゃあ、また明日ね」

って、照れてるのを隠すか如くに家に入ろうとする亜耶の腕を掴み。

「亜耶、これ…」

さっき買った物を渡した。

「へっ……」

「着けてくれたら嬉しい」

あっヤベぇ……。

ちょっと、恥ずかしいかも……。

そう、あそこに在ったイルカの模様が入ったブレスレット。

亜耶が、好きそうだと思って買った。

「ありがとう、悠磨くん」

嬉しそうに受け取ってくれた事に安心した。

「私、何もないや……」

亜耶が、困ったように言うから。

「気にしなくてもいいよ。オレの自己満足で買っただけだから…」

亜耶が、喜んでくれるだけで良いんだよ。

「…でも、悪いよ」

それでも納得しない亜耶を優しく抱き締めた。

「オレは、これでいいよ」

キョトンとした顔の亜耶を自分の腕の中に閉じ込めた。

本当は、唇を…って思ったんだけど、同意無しに奪うことがオレには出来なくて…。だから、オレのだと想いながら腕に閉じ込めた。

「ゆ…悠磨くん」

動揺する亜耶。

「…もう少しだけ、このままで…」

亜耶の耳元で囁いた。

すると亜耶の耳が赤く染まっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ