中学最後のイベント
十二時五十分
オレは、クラスの奴等を待っていた。
次第に集まりだすめんバー。
十三時ちょうど。
クラスの三分の二が出席の打ち上げ。
亜耶は、前もって来れないって分かっていたが、居ないのは流石に寂しい。
「悠磨。で、何処に行くんだ?」
義之が聞いてきた。
「ボーリング。皆で楽しもうと思ったんだけど…。どうかな?」
「いいね!」
「久し振りに騒げる」
って、事で一路ボーリング場へ移動。
「ゲーム数に二ゲームで、人数は五・六人で組め」
オレは、受付の前で色々指示してた。
ガヤガヤしながらも仲の良いクラスだったから、グループは直ぐに出来上がった。
用紙に記入して受付へ向かう。
五レーン分のプレートを受け取り移動する。
「亜耶が居なくて残念だね」
斎藤が言う。
「仕方ないさ。前からの約束じゃあな」
順一が言う。
まぁ、そうだろうな。
「悠磨くん。もう、始めてもいい?」
クラスの女子が聞いてきた。
「う~ん、ちょっと待って」
オレは、靴を履き替えて前に出た。
「今日、急だったけど集まってくれて、ありがとう。ここに来てない奴もいるけど、一年間楽しかった。これからは、自分達が選んだ道を突き進んでいくだろうけど、躓いても仲間が居るってことを忘れるな。じゃあ、始めようか。それぞれ楽しめ」
オレは、それだけ言うと自分の場所に戻った。
「悠磨、カッケー」
って、義之がオレの背を叩く 。
「うん。格好いい。亜耶がいたら惚れ直すところだよ」
水口が言う。
「ありがとう」
オレは、素直にお礼を言った。
「亜耶が、居たら亜耶にも挨拶して貰ったのに…」
斎藤が口を尖らせて言う。
「今は、それを言うな」
順一が、斎藤をなだめてる。
「…で、悠磨からなんだけど…」
義之に言われて、オレはゲームに集中した。
一ゲームが終わって、喉が渇いたから自販機に向かった。
ついでだったから、人数分のジュースを購入して、席に戻る。
「おっ、悠磨。一つ聞きたいことがあるんだが…」
言いにくそうにオレに聞いてくれる、クラスメート。
「…ん?」
「鞠山さんと付き合ってるのか?」
と聞いてきた。
「亜耶とは、つい最近付き合うことになった」
オレは、堂々と口にした。
「…そっか…。じゃあ、今日来てないのは?」
「前から約束があったらしい」
「…ふ~ん。じゃあ、あのイケメンは?」
イケメン?
亜耶の傍にいるイケメンって…あの人の事か?
って思ったけど…。
「ちょっとインテリア系で真面目そうな感じの人」
って聞いてきた。
インテリア系?
真面目?
で、思い当たるのは…。
「お兄さんだよ。亜耶と年が十違うから…」
「そうなんだ」
それだけ言って、自分のところに戻っていった。
あんまり人の詮索するのはよくないと思うけど…。
口には出さずに自分の席に戻った。
「ホイ、飲み物。適当に買ってきた」
オレは、手にしていたジュースをテーブルに置いた。
「おっ、気が利くじゃん」
「ありがとう、悠磨くん」
口々にお礼を言う。
「どういたしまして…。次、オレ?」
「そうだよ」
って、返ってきたから、またゲームに集中したのだった。