大役?
月曜日。
教室内は、受験モード一色でピリピリしていた。
そんな中。
「鞠山。ちょっと職員室まで来てくれ」
担任に呼び出された。
職員室に行くと。
「鞠山。卒業生代表の挨拶を頼んでいいか?」
と言われた。
エッ…。
「それは、渡辺くんの役目では?」
悠磨くんは、生徒会長も勤めてるし、成績も優秀なんだよ。
「そうなんだが、先生達やPTAもお前にやって欲しいって言ってるんだよ。お前も、生徒会役員だったんだから、何も問題ないだろ?」
確かにそうなんだけど…。
「頼むから、承諾してくれ」
回りの先生方もこっちを見てる。視線が痛い。
ハァー。
仕方が無い。
「わかりました。それ、受けます」
私はそう答えて、職員室を後にした。
重大な役、引き受けちゃったなぁ…。
重い足をひきつり教室に戻った。
教室に戻ると、皆が集まって話をしていた。
「何、皆で話し込んで?」
私の言葉で皆が一斉にこっちを向いた。
なんか、慌ててるみたいだけど…。
「…ん。このメンバーで卒業旅行へ行こうって話してたの。ほら、悠磨くんと亜耶だけ別の学校じゃん。だから思い出を作ろうかって話してたの」
姫衣ちゃんが言う。
そっか……。
私と悠磨くん以外、同じ学校を受験するんだっけ……。
「…で、亜耶は行けるの?」
留美ちゃんが聞いてきた。
「う〜ん。日程しだいかな」
お兄ちゃんの結婚式もあるし……。
「じゃあ、亜耶のダメな日は?」
「卒業式後の土日は、外してくれれば後は、大丈夫」
そう答えていた。
「土日は、混むから平日にって考えてるし…。俺等、卒業後に受験だから、次の週にしか考えていない」
的場くんが答える。
あ、そっか…。四人は、これからが本番か…。
「そっか…。じゃあ、返事は明日するね。泊まりになるなら、許可をとってからじゃないと無理だから」
って…。
誰の許可を取らないといけないいんだ?
親は、直ぐに許してくれる。
大切な友達との思いではいいことだって言いながら。
何で、こんな後ろめたさがあるの?
「うん、わかった。行けるといいね」
留美ちゃんが、にっこり笑顔でそう言ってきた。