表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/132

亜耶への想い

 そろそろ、寝るか・・・。

 明日は、塾も休みだし、少しだけ、寝過ごしても大丈夫か・・・。

 だけど、亜耶の事、気になる。

 亜耶は、あの人の事は、かなり頼りにしてることが、わかる。

 あんな甘えた顔を見たことが、無いからだ。

 あの人の前なら、自分を偽らずに出せるのかと思うと、悔しくなる。

 オレに見せてる顔よりも少し子供っぽい顔をあの人には、見せてるってことで・・・。

 あの人は、それをオレに見せようとしない。

 ってことは、亜耶の近くに居て、無防備な姿をあの人は、何度も見ていることになる。

 やっぱ、最初から勝負見えてるよなぁ・・・。

 でも、きちんと勝負しないと、オレも納得いかないし・・・。

 ものにしたいとは、思ってるが・・・。

 亜耶自信は、どう思ってるんだろうか?

 あんな大人がいたら、オレなんか子供っぽいだろうか?

 あいつを包めるだけの包容力。

 オレにあるのだろうか?

 それは、どうやったら備わっていくんだ?

 あの人を上回るには、どうしたらいい?

 どうしたら・・・。



 そんな事ばかりが、頭の中を駆け巡っていた。




 翌日。

 オレは、いつもより遅めに目が覚めた。

 服を着替え、下に降りていく。

「おはよー」

「おはよう、悠兄ちゃん。今日は、ゆっくりだね」

 妹の千春が言う。

「うん。塾も休みだしな」

 オレは、ダイニングに行き席に着くと。

「悠磨。もう少し早く起きてくれない?片付けが、大変なのよ」

 と、母の小言。

「はい、すみません」

 母は、オレの朝食の準備を済ますと、ダイニングを出ていった。


「そういや。昨日、亜耶先輩を見かけたよ」

 まぁ、オレは、塾で会ってるが・・・。

「凄く、格好いい人と一緒にいた」

 格好いい?

 それって・・・。

「目鼻立ちが、亜耶先輩と似てたから、お兄さんかなぁ・・・」

 千春が、昨日の事を思い出しながら言う。

 なんだ、お兄さんか・・・。

 って、安心してたら。

「それと、とても綺麗な女の人も一緒だった」

 ん、女の人?

 亜耶の兄弟は、兄だけのはずだが・・・。

「とても、仲良さそうだったよ。それにいつもと違う格好してたな」

 ヘェ・・・。

 違うねぇ・・・。

「清楚な感じのワンピースを着てて、思わず見いっちゃった。大人っぽい服。とても、亜耶先輩が買えるようなブランドじゃなかった」


 エッ・・・。

 昨日は、カジュアルな服装だったはず。

 何で、ブランド物のワンピースなんだ?

 急に服って、変わるのか?

「それから・・・」

 まだ何かあるのか?

「お兄さんらしき人と一緒にもう一人、男の人がいた。その人カッコいいけど、どっちかって言うと綺麗って感じだった」

 あの人だ。


「どう見ても、ダブルデートぽかった」

 千春は、最後に爆弾を投下して、行ってしまった。


 はい?

 ダブルデート?


 そんなはずは・・・。


 でも昨日の亜耶は、どこか慌ててた気がする。


 なんだよ。

 結局、亜耶もあの人の事が、好きだってことか?


 オレは、玉砕なのか?

 決定事項なのか?



 悶々と考えあぐねた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ