離れて
亜耶に何も告げずに出国して一ヶ月。
毎日忙しい日々を過ごしている。
覚えることも多々あるが、充実してる。
夜の誘いもソコソコこなし女性の誘いは、殆どと言ってもいいほど拒み続けた(いらぬ噂が経つほどに)。
今頃、亜耶は何しているんだろう?
そう思いながら、腕に着けている時計を見る。
一つは亜耶から貰った物(こっちは、日本時間に設定)ともう一つは、親から高校入学の時に貰った物(こっちは、現地時間を設定)。
朝の八時か…。登校してるんだろうなぁ。
アイツ、ちゃんと守ってるだろうな。まぁ、登校は一緒にしてるから、ある程度の牽制出来てるだろうが…。
こっちから、亜耶に連絡できないから、余計に辛い。
亜耶は、俺が此処に居ること事態知らないのだから…。
そろそろテスト…終わってるか…。
って事は、親睦を深めるためっという名義のレクリエーションか…。
大抵は、学年毎のはずだが、この間見た限りでは、上級生の不満が出てて、生徒会が動き全学年レクになってそうだな…。
班も学年レクだったらアイツだけでも平気だっただろうが、学年レクじゃ、難しいか…。嫌、確か真由の婚約者も同じ学校に居る筈。あいつが、何とかするか…。裏事情に詳しいあいつなら任せられるか…。
後は、亜耶自身が警戒を怠らなければ、大丈夫だろう。
早く会いたい。
俺の長年の想い人。
彼女の笑顔を直に見て、癒されたい。
今は、スマホのフォルダー(これ)に入ってる写真で我慢するか…。
写真を眺めていたら、余計に会いたくなってきた。
研修が終わったら即行会いに行って、自分の腕の中に閉じ込めてしまおう。
自分の気がすむまで…。