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こんな説明じゃまず納得出来ないよね。でもそうとしか……

「え? 俺と結奈さんが付き合うのを手伝ってくれるっスか?」

 そんなことを美久がしてくれるなんて思っていなかったのだろう。草士は言われた事を聞き返す。

「間園に恋人が……って、それだけで変な噂は消滅するでしょ」

 むしろそうなってほしいと美久は考えている。草士が「おお……」と美久を頼りにしようといった表情をしていた。

「俺が結奈さんの恋人になれる……それは嬉しいっス。だけど平気っスかね……」


 少し自信なさげの表情をしているかと思ったら、実は全く接点がないということを草士が告白してくる。

「一度も会ったこともない俺なんかで」

(アレ!? 人選ミスった!?)

 それは想定していなかった美久。失敗したという気分を覚えてしまった。


 それでも間園が好きになる奴を、美久はしたり顔で草士に話すことは可能である。あいつにどれだけ付きまとわれていると思ってるのと美久は自虐的に語る。

「まあ、第一印象からインパクト残せばOKでしょ。一発で気に入られる方法も教えられるし」

「おお、頼もしいっス!」


 こうすればいいと、美久が手本の動作を見せた。

「出会ったら即、渾身の利き手でのストレート。あんたの場合は右ね! みぞおちに一発」

 どMな間園なら、そうしてもらえば喜ぶといった確証があった。教えたとおりにやりなよと美久はGJグッジョブサイン=親指を立てることをする。


「美久さんはそんな方法で女性が喜ぶって思うんスか?」

 普通の感性を持っている人物なら引くのもやむを得ない。

「違っ! 私の話じゃなくてー」

 その観点が一時的に抜け落ちていた美久は、草士に少しずつ距離を置くという動作をされてショックで我に返った。


 一気に冷めた感じで、草士がひいて他人行儀になっていくような感じを覚える。

「人の性癖に口は出せねえっスけど、それはないわ~と思うんスよ……」

 ひどい勘違いだと、美久は草士に怒鳴る。

「だから私の話じゃねえっ! つってんのに」

 それでもどうにか美久はそんな展開に持ち込めないかと陰鬱いんうつな気持ちになってきていた。

「ああダメ。普通なら殴られて嬉しいとかないよね。助けられた方が理想的だろうしなぁ」

 私の意味のない独白を聞いて、何でそんなことに気付かなかったんだろうと草士は今になって気付いた感じになる。



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