トライアングルレッスンM〜始まりの物語
『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』恒例企画“トライアングルレッスンM”に投稿した作品です。4人の始まりのような話です。
「ユイコねぇちゃん、どう?」
中学受験を終え無事合格したむっくんに、
制服のサイズ合わせに同行して欲しいと誘われて
やって来た。
試着室から出てきたむっくんは、
ちょっとぶかっとしている学ランを羽織り
そでから覗く指先が可愛らしかった。
「馬子にも衣装、いいじゃん!
中学生って感じだなムサシ」
「タクミにぃに聞いてない!」
「むっくん、立派になったね〜、かわいいよ!」
「そこはかっこいいねって言ってあげたら?」
ヒロシに耳元でボソっと言われて、
私は慌てて訂正した。
むっくんは照れた表情から口を一文字に結んでヒロシをじっと見ていた。
ふと、タクミとヒロシの制服姿を
初めて見た時を思い出した。
2人とも大人になってかっこいいと惚れ直したと同時に、
違う学校になってしまう事に不安で
たまらなくなり泣いてしまい、
2人を困らせてしまった苦い記憶も思い出す。
「そうだ、カナちゃんに初学ランのむっくんの写真送ろ!…」
むっくんの返事を待たずに
スマホのインカメラを起動させ、
むっくんに近づいて撮ろうとすると、
「何照れてんだよムサシ」
タクミのヤジがとぶ。
「照れて…ないし、、ユイコねぇちゃんとツーショット羨ましいだろ」
「ユイコと写真なんてお前よりたーくさん撮ってるし!」
「タクミったら子どもみたい」
「言ったなユイコー!」
私はやめてよーと、ふざけながら逃げた。
振り返るとタクミが嬉しそうに私を追いかけてくる。思わず笑みがこぼれてしまう。
「ねぇヒロシさん、いいの?あの2人」
「いつものことだから大丈夫だよ」
「本当はユイコねぇちゃんと2人で来たかったのにな…」
「え?」
「タクミにぃってユイコねぇちゃんの事好きでしょ、抜け駆け作戦失敗だ…」
「だったらオレともライバルだな」
「げ…やっぱりか」
ヒロシに助けを求めようとしたら、
むっくんとヒロシが何か楽しそうに笑っている事に気づく。
春の足音が近づいている。
私たちの新しい春には何が待っているのだろうか…。
いよいよ明日はバレンタインだ。
ご拝読ありがとうございました!
なろラジで採用された方の作品はキュンキュンポイント多かったですね。
私のはそれがなく、ここまで読んで不完全燃焼かもと思います。
むっくんがたくみの従兄弟…
3人は幼馴染…
小さい時からお互いの存在を知っていたわけで。
3人の世界線から、4人、かなちゃんのいる世界線へ。
難しかったです。




