35:いじりいじられ二人は仲良し
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明日からは、1日1回22時頃更新を予定しています
ピプッ!
テラスちゃんの魔法を受けて、倒れるパプル
これで十三匹目
残るパプルを一体づつ片付けながら、私たちはアナナス島を回っていた
「さっきのやつで最後ちゃうかな?」
「たぶんそうだねー」
数キロ先に見える砂浜に向けて、移動しながら話をする
「お姉ちゃんの新技は、そろそろ披露できそう?」
私は、あの最初のパプル遭遇時の失敗から、新しい着想を得て
宴会芸(裸踊り)スキルの新しいやり方を模索している
「ええ、あと少し研究と練習を重ねれば、ものにできそうな気がします」
誰しも、失敗と挑戦の繰り返しで、自分を磨いていく
致命的でない場面で失敗できたのは、むしろ幸運だったと思う
「これも、あの時の失敗と、お二人のフォローがあったからこそです」
「そう言ってもらえると、うちも少しは気が楽になるわ…ありがとうな」
少し控えめな、柔らかい笑顔を見せるアマミさん
彼女は言葉遣いに比べて、結構繊細なところがあるっぽい
「うんうん、結果良ければ全てよし!
お姉ちゃん!練習台ならいつでも付き合うからね!」
そんな雰囲気を太陽のような笑みで吹き飛ばし、私にしがみつくテラスちゃん
こういうところ、テラスちゃんはすごいなぁ、と思う
「そ、それはありがたいけど…テラスちゃん、目と手がいやらしいです…」
特に、お腹のあたりをむにむに触ってくるの…くすぐったいんですけどー!
「お姉ちゃんがかわいいからしょうがないよ!」
「…も、もうー!またそういう事言うー!」
テラスちゃんはしょっちゅう『かわいい』を『えっち』を連発してくる
未だに慣れないし、すごい恥ずかしい…
い、いや、嫌じゃないし、褒められるのは嬉しいですけど
「えーいっ、反撃です!私だけくすぐったいのずるいです!」
気恥ずかしくなって、誤魔化すためにテラスちゃんのお腹をさすりはじめる私
「ひゃいっ?!」
あ、意外な反応
触るのは好きだけど触られるのは苦手…だったりする?
「あ、やっ、おねえちゃ…ダメっ……」
わざとちょっとえっちな声を出して、手を出すのを躊躇わせようとするテラスちゃん
そうはいきませんよっ
お腹のところをまんべんなく撫でまわしていく
「…んっ」
おや?
おへそのあたり、ちょっと反応が違う気がする
「テラスちゃんの弱いトコ、このへんかなー?」
私はおへそを中心につつ…と指を這わせて…
「ひゃめっ、ほんと…あはははははははっ」
よし、くすぐったいポイント見つけたっ
ここを重点的に責め…
「い、いやいや…イチャイチャしすぎやろあんたら…
見てるこっちが恥ずかしくなってくるで」
…ようとしたところで、顔の赤いアマミさんのツッコミで、正気に戻された
あ、あれ?
私、勢いあまって、すごい恥ずかしい事をしていたのでは…?
「えへへ、いいでしょー」
「い、いや、私はイチャイチャのつもりでは…その……」
「まあ、仲がいいのはええことやけどな」
テラスちゃんはにこにこしていて、アマミさんは私たちを見て苦笑している
…ちょっと私も、南の島で浮かれちゃってるかもしれない
…と、そんなこんなをやってるうちに、砂浜に到着
「これでパプルも狩りつくしたよね、たぶん」
この砂浜からスタートして、島を見て回って、戻ってくる
二日かけて一周、さらに二日かけてもう一周した
…さすがにもうパプルは残ってないんじゃないかな?と思う
「けど、全滅させて良かったんでしょうか?」
この島特有のモンスターだし、絶滅させてしてしまったら…
という不安はちょっとある
「パプルはモンスターだけど、動き回るようになる前は植物なんだよ
だから、狩り尽くしたと思っても種が残ってて、数か月したらまた生えてくるんだ」
「へ、へぇー…」
結構近いところにある島なのに、おとうさんたちから
こんなモンスターの話聞いたことなかった
世界は広いな…
「しかし…伝説のサトウキビは見つからへんかったなぁ…」
アマミさんが言うには、普通のサトウキビと色が違い、一目でわかる
らしいけど、そんなものは見かけなかった
「うーん…時期が悪かったのかも知れないね」
「ま、しゃーないな!遊ぶ方に切り替えよっか!」
「うんっ!」
元々そこまで期待してなかったのか、あっさり切り替えるアマミさん
テラスちゃんも、待ちに待った!といった感じだ
…私は、海に来たのはおとうさんと一回あったかどうかくらいなんで
海で遊べるというのは、正直とっても楽しみだったりする
…いいのかなー?こんないいお仕事やらせてもらっちゃって…
ちょっと罪悪感を感じつつ、私たちは浜遊びの準備を始めるのだった
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