表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/79

夫婦漫才

「はいはいはい、どうもどうもどうも!こんにちわー!」


「はいはい。こんにちわー」


「初めましての人も居らっしゃるかな。僕ら夫婦漫才してる、トリオ・ザ・テーマパーク言います。よろしくねー!」


「はいはい。なんで2人で出てきたのに、トリオなのか?疑問に思われたかも知れませんねー。その理由言うたってや、お前さん」


「はい!僕ら、もーすぐ結婚するんですよー。あ、ありがとうございますー。それでね。子供何人欲しいー?って話になってですね。まずは1人やろう、それでもっと育てたかったら何人でも作ったらええ!何人でも僕が養うたる!そう言う気持ちを込めてですね。まずはトリオから。そう、ここからなんですよー!」


「えらい長い話ですみませんねえ。じゃ、漫才行きましょかー」


「はいはい。隣の家に囲いが出来たってねえ」


「警察!?マスコミ!?何があったん、囲いって!」


「え?いや、え?」


「囲まれるて、あんた、今日日アイドルかケーサツ沙汰やで。ど、どうする、家が囲まれたら!ちゃんとあたしを連れて逃げてくれる?」


「そ、そりゃ連れて行くよ!ぼくとお前は、いつも一緒の夫婦漫才師やないか」


「あんた・・・!良かった、乗り換えんで」


「ちょ、今、漫才に出来んネタを聞いた気が」


「電車のことよ!ほら、あんたに会うために、何回も遠い道のりを電車で来たやないの」


「あ、ああ、そうやったな。お前と来たら、いつでもぼくのピンチに来てくれて、ホンマに」


「うんうん。あんたの部屋に行ったら、いつでも違う種類の香水に包まれて、まるで夢のような気分やったわあ」


「ああああ、ちちち、違う、それは、そう!ぼくほら営業やってたんですよー。その中にね、化粧品とかもありましたよ。そう!それ!」


「あー、それでかな。あんたの部屋の押入れからサイズ違いの下着が山のように見つかったの。全部、捨てたけどな」


「ぅおほぉっ!いや、あの、下着のセールスもやってましてん・・・」


「まあ、ええ。終わったことや。これからバリバリ子供達のために働いてくれたらいいんや!」


「お前・・!・・・子供達?」


「ああ、いや妹、弟、あたしは大家族なんですよ。だからその子達も養わないとね!っていう」


「へー。お前の薬指にえっらい種類の跡があるのは、気のせいかな?」


「違う違う。ほらあたしも指輪のセールスで」


「へえ。指輪のセールスで、お前は幼稚園の先生、小学校の先生と知り合ったんか。よく挨拶されるでえ。今度のご主人は優しそうで良かったて」


「・・・それは、演技の話や!あたしドラマとか出てたからな。嫌やわあ、そういう話を外に持ち出されたら」


「へえ」


「あんたのは見逃したやないか!」


「そういう問題ちゃうやろ!」


「あんたの甲斐性がないのが悪いんや!」


「お前がどーしようもない女やからや!」


「もう我慢できん。これで縁切りや」


「おお!こっちからお断りや」


「ふん!」


「へん!」


「お母さん!やめたってや!お父さんが可哀相や!」


「一姫!どうして、ここに!」


「あたし、お母さんの仕事見たかったんや。それに、新しいお父さんも」


「だからって・・・あたし、この人にバレたら、また、捨てられるやん。もう・・・どうしたらいいの」


「・・お母さん、ごめんなさい」


「・・・・・・よー分からんのやけど。初めまして一姫ちゃん。ぼく、お母さんとお付き合いさせてもろうてる者です。君の家族の新入りやけど、よろしくね」


「あんた・・」


「ぼくは甲斐性なしかも知れん。お前と付き合ってる間にも他の女に目移りして、部屋に連れ込んで、どうしようもないやつや」


「クズやね」


「うっさい!今から良いこと言うんじゃ!・・・ぼくは甲斐性なしやけどね、君のこと、愛してるんよ。君の愛する娘さんを、ぼくが嫌うわけないやん」


「あんた・・・」


「ねえ。家族になろう。ぼくら好き同士やん。一姫ちゃん、ぼくが一緒に居ってもいいかな。ぼくがお父さんでも、許してくれる?」


「うん!お父さん!」


「ははは!一姫ちゃんは可愛いなあ!お母さんそっくりや!」


「あんた」


「だってぼくら」


「そうやった」


「行くで」


「あいよ」


「はい、どーも、ありがとうございましたー!」


「ここまで、家族漫才、トリオ・ザ・テーマパークでしたー!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ