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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 五章
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5-5 クモ網

小さなパーティーが開かれた。

主役は今日の騒ぎを起こした俺。


「ハインヅのために乾杯!」


言われてみれば、今日だけでなく人間が関わった店なら、どこでも営業妨害に明け暮れていたような気がする。

人々が痛快するのも当然だ。


「そんなに見てないのにすごい魔法使いじゃない?

今まで何をして過ごしてた?」


「あんな実力だから追いかけられたときに立てろって言ったんだな。

俺はそれも分からなくて、ハハハッ!」


「バイロンに勝ったのはA級にはなるよな?

あえて隠さなくてもいいのに。」


「さあ、俺と飲みながら話そうぜ! X28倍」


一様に両手に杯を持ってわたしに近づいてくる。

やはり実力を見せたら煙たい事になった。

ところでこうしている場合ではないのによ。


「あの、さっきの戦いで疲れてしまったので、この辺でいいでしょうか?」


「エエッ、主人公がもう行っちゃだめじゃん!

一杯だけ飲んで行け!一杯だけ!」


あ、あれだ、めんどうな大人の酒席癖。

今あの一杯を飲めばきっと何百倍も増殖するに違いない。

ひょっとすると俺がコナド実を口に入れてしまうかも。

どうにか抜け出す方法が…


「クリスさん、私と一杯どうですか?」


「ああっ、こりゃ。

こんなおじさんが彼女に勝つことはできないだろう。

後で飲もう!」


オフィーリアが俺を引き抜いてくれる。

やっぱりオフィーリアだよ。


「ありがとう、やっぱり俺の気持ちをわかってくれるのは君だけさ。」


「えっ、いきなりそんなこと言われても…」


そして俺を連れて行ったところはワインがあるところ。

…はあ?


「でもうれしいですね。クリスさんも私と同じ気持ちだったなんて。」


「あの、オフィーリアさん…?僕が今、どんな状況なのでお酒を断ったと思うのですか?」


「私と一緒に飲みたいからじゃないですか?

ついでに今日の調べものへのお褒めも、存分にやってください。」


本当にお酒の勧誘だったかよ?!

とにかく席は抜け出したので、今すぐ…



キラキラ。



...本当にあの瞳の形を変えるのはどういう原理だ?

大いに期待に満ちた目だということは分かるが今は...


キラキラ。


…一杯だけならいいだろう。

何よりも断る場合、あのキラキラした目がどう変わるかがあまりにも恐ろしい。


杯を持ち上げる。

オフィーリアと乾杯をして、話す。


「幸せな明日のために。」




「…大丈夫ですか?」


「吐きそう…味と香りが甘かったので大丈夫だと思ったのに…」


まさか、やたらに取ったワインがとんでもなく強いお酒だとは思ってもみなかった。

パーティーに出すお酒じゃないじゃん、これ…


「これ以上は無理ですね。やはり休んだ方がいいと思います。」


オフィーリアが俺を部屋に運んでくれる。

ところで、オフィーリアも俺と同じお酒を飲んだんじゃない…?

考えてみたら酔った姿を見たことがない。

…意外な一面だね。


部屋のベッドに横になったが、思い思いにふけって眠れない。

オフィーリアが調査中に作ったメモを目を通す。

うまくいくといいな。


厳しく決心しなければならない状況だ。

コナドの実を口に入れる。


…うっ、苦!

精神が少しずつはっきりしてくる。

あれ以来、一瞬たりとも緊張を緩めることはできない。


アラクネハイブ(クモ女王の巣)


来い、エリーゼ、いつでも。




…と、せいぜい悲壮な覚悟をしたが、とうとう昨夜は何も起こらなかった。

それは今日だろうか。


「クリスさん、昨日は…?!?!」


「オフィーリア、よく眠れた?」


「そんなクリスさんは今パンダの目なんですよ!?」

昨日一体何があったんですか。」


「うむ、昨日から使っている魔法のせいで…」


「クリス、あなた昨日酔ったという…

アハハハッ、パンダだ、パンダ!」


「ちょうどいいところに来た、ルメナ。俺と交代しよう。

やはり寝ずにするにはとても大変だ。」


「ふむ、どうしたの?

昨日から君の魔力が薄く感じられるのは分かったけど、酔っ払いで放出した魔力だと思ったのに。」


「君が感じた魔力、『アラクネハイブ』さ。

今から、お前がやってくれればいい魔法だし。」


「2回もからかったのに反応がないっていうのは真面目な状況みたいだね。

ところでそんな魔法を使ったまま今まで寝なかった?

パンダの目にならないのがおかしいね。」


「『アラクネハイブ』なら私にもできますよ。

前もっておっしゃったらよかったのに。」


「言いたかったのに昨日はそんな状態だったじゃん。

とにかく24時間欠かさず『アラクネ·ハイブ』を維持するつもりだ。」


「ケッ、どこにも行って来られないわね。」


「それではルメナさんの次は私がやります。」


「頼むよ。」


今日は何もしない。

くもの巣に餌がかかるのを待つだけだ。

…考えてみたら同僚にとっての餌って表現はおかしいね。


昨日の出来事で商店街も1日休んで復旧作業に励んでいる。

大した助けになることがないのでじっと時間をつぶしている。


「どうだ、ルメナ?」」


「もう聞かないで。今回が何回目?

この魔法がどんな魔法なのかお前が一番よく知ってるじゃないか。

お前は少しでっも寝ておけ。」


それでも黙っていると余計に焦ってくる。

眠たくても思い通りにならない。

心を落ち着かせるために、そこを私が直接確認してこようか。


「ちょっと行ってくるよ。」


エルフの村を一人で闊歩している。

エルフたちは不思議そうに私をじっと見ている.

最近は強硬派との是非のために一人で通う人はほとんどいないと言っただろうな?

心配の根源を無くしたから問題はないと思う。


俺が着いた所は、調査を頼んだ攻防が密集している地域。

鍛冶屋、木工所、灯籠などが集まっている。


内部を見渡すと、人間の工房とさほど変わらない。

ただ、一つだけ違和感のある部分がある。

これがエルドリームの問題を解決するカギになるだろう。


いったん仕事に取りかかることになればノリス氏の助けを借りるか。

突然現れたやつが言っても、信じてくれないから。

そしてエルドリーム全体をまとめるためにはやはり広いコネクションが必要だ。


まあ、もう手に入る情報はない。

すでに昨日オフィーリアが与えた情報だけでも十分だった。

ただ直接確認して安心したかった。

失敗は許せないことだから。


午後4時頃になってやっと宿に戻った。

ルメナも退屈になったのか居眠りしている。


「わっ!」


「わあっ、な、何が現れた!?」


「疲れたら顔色をうかがわず交代してくれと言って。」


「お前がこんな状況で怒らないのは初めて見るよ。」


「疲れた人を責めるほど薄情だったら、世界に平和をもたらすことなんて夢にも考えられない。」


「それでは交代するか。オフィーリア、頼むよ。」


「おまかせください。」


順番を譲り受けたオフィーリア。

でもやっぱり退屈なのか、すぐ目をぱちくりさせている。


やっぱり俺がやるのがいいか…

だんだんオフィーリアの目が閉じる。

そして急に目を大きく見開く。


「北東側で干渉が確認されました。」

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