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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 四章『冒険者はいつも面倒の連続』
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4-15 エルフ間者

大きくてとがった耳。

ある種族の特徴だ。


「エルフか?」


何も言わずに俺をにらみつける。

俺もしばらく頭の中が混乱した。

しかし、早く考えを整理し、話を続ける。

追及する過程で混乱する姿を見せるのは弱点になる。


「エルフがこんなところに…という疑いはひどいのか?すぐ隣が家だから。

大事なのはエルフがどうしてそんな幻影魔法を使っているのかというのにね。

素直に言ってくれる?」


当然のことながら口をきかない。

ただ口ずさむ口の動きを読んでみる。


「この俺が…こんな下等な種族に…」


「下等な種族ですまない。偉すぎるのも問題だね。」


「!?」


口の動きを読むとは思ってもみなかったようだ。



「下等種族という言葉を使うというのは強硬派の方か。

あんな奴が人間界にいるなんて、先より気になるじゃねか。

人間と仲良くなりたくて来たのではないだろうし…

やっぱり悪いことしに来たみたいよな?」


反応がまったくない。

答えようとするような反応も、反抗しようとするような反応もない。

ただ黙っているだけだ。


自分なりに悩んでるだろう。

絶対に勝てない相手が絶対言ってはいけないことを聞いている。

どうすればいいだろうか。


しかし、そのような平常心を完全に崩す質問をすぐに持ち出す。

そもそも、この質問以外にしたい質問もないですが。


「エリーゼフェブリを追撃してるんだよな?

どういう経緯なのか情報を全部出せ。」


俺の質問に、テラはもとよりオフィーリアも驚く。

エリゼのことが突然起こったことに驚いたようだ。

オフィーリアに説明がてら、テラを圧迫する。


「こんなやつが隠密工作をしているなら理由はエリーゼに関係したことだけだろう。

強硬派のエルフが人間の何かを欲しがってスパイを送らなかったはずだから。


強硬派のエルフたちは自分たちが人間より優れていると考えているが, だからといって人間を支配したいしたり君臨したいとは思わない。

むしろ、絶対に混ざったくないんだ。

強硬派の立場から見れば、人間の文化はみすぼらしく野蛮なものばかりだから。

だから、自分たちが先にけんかをして、人間の何かを奪ったり、欲しがったりしない。


それならエルフ側で紛争を起こすための諜報活動というのはありえないことだ。

また穏健派の反対も無視できるほどではないのだ。

ならば、エルドリームの内部関連のことのために来たというのが正しい推論だ。


エルドリームは現在、強硬派と穏健派の内紛で超緊張状態。

解決の鍵を握っているのはエリーゼ·フェブリー。


そうやって今のエルドリームの情勢を考えると、最も説得力があるのはエリーゼのことだろう。

またこいつぐらいの実力者を派遣するくらいの仕事ならそれぐらいのレベルの問題だろう。」


オフィーリアが深刻な表情をする。

突然のエリーゼ関わっている状況に当惑している。


そしてテラはその数倍に当惑している。

この男は一体誰んだ?

断片的な情報だけで、そこまで推理した?

それよりそんな事前情報をどこで得たんだ?


「我慢がもう弱まっているから早く答えることをおすすめするよ。

エリーゼについての情報を全部話してくれ。」


「クウウウ…」


さっきよりひどく悩む。

この男にただ一つの小さな情報でも渡した行ったことがばれるかもしれない。

この状況を打開する方法は…


「最後に言うよ。全部言え。

この言葉が終わっても言わないなら強制的な方式を取るぞ。

自白剤を口に入れたり、洗脳魔法で脳を触ったり。

今までそうしなかったのはあくまで慈悲を施してあげたことだ。

じゃ、こたえて。」


無い。

あの話は本気だ。

テラの唇は震えながらも少しずつ開く。


「…エリーゼはここにはいない。」


ついに情報を語る。

何も言わずに次の言葉を待つ。


「エリーゼは現在エルドリームの国境にあるセムスにいる。

だからこそ、いつでも人間の土地に渡るのができるんだ。

俺はそんな場合に備えるために、事前に情報網としてやって来た。

エルフの英雄が人間の地に行くということは、我々にとっては致命的な意味になるから。


大会に参加したのは活動の便宜のためだった。

実力を発揮したのはお前たち、人間を見下したから余興としてそうしたのだ。


これがいま言える、知っている全部だ。

また聞きたいことがあるか?」


俺は物思いにふけっている。

一応体の気配からみてうそは言わなかった。

でもこいつ、わざとこれくらいしか知らないように言った。

知っている情報がもっとあるはずだが。

それも最後の反抗ということか。


しかし、そのため、むしろ推論は容易になった。

わざと口を開かせることができるにもかかわらず、こいつの反応を見るためにわざわざ煩わしい方法を選んで、効果があった。


「そんなに詳しくエリーゼの動線を追跡しているということはやはりエリーゼの心が人間の方に傾いたという意味にも解釈が可能だろう。

だからこそずっと注視しているんだ。

国境の方なら穏健派が主であるところでもあるし。

もし強硬派の方にも心があるなら、もっとエルドリームの内部にいただろう。

自分がどんな状況なのか知らないはずはないから。


また、わざと正体を隠していたのも、そのような理由からだろう。

ここはエルフがいるからといって変なところではない。

穏健派のエルフなら、十分にここまで来られそうな位置だ。

それでも正体を隠したとすれば、エルフということを隠すのではなく自分を隠すため。

たぶんお前の顔を、エリーゼは知っているだろう。

そして、強硬派が自分を追跡したことが明らかになったら困るだろうし。


こんな状況ならエリーゼも全然気づいてないのではないはずだが…

それでも国境を越えないということは破局まではいかなくても、かなりお互いに関係が悪化したみたいだな。」



テラが悔しそうに唇を噛む。

こうなので情報を話したくなかった。

たった今の断片的な情報だけで、ここまで…


オフィーリアは戸惑いを隠せないでいる。

自分が思ったよりあまりにも仕事が大きくなってしまった。


俺もしばらく考えを整理する。

こんなことが分かったが、介入するのは別問題だ。

すでにこれについてはミノルタでの初夜の旅館で話し合った。


この状況はエルフと人間の葛藤から始まった。

そんな時に人間の私が介入したらどうなるだろうか。

俺が介入したからといって、状況が変わるだろうか。

この仕事のため、私の仕事に支障が生じるのではないか。



エリーゼが俺がこうしていることを知ったらどういうか。



悩んでいるうちに、ふとオフィーリアと目が合った。

何時か見た目だ。



考えてみればオフィーリアの時もそうだった。

俺はあらゆる口実に隠れてオフィーリアのことから逃げようとした。

そうしちゃダメだった。



…決めた。



事が間違ったらあとで謝ろう。

俺が元に戻しておこう。

だから…


「…エルドリームで行く。

エリーゼを探して、話しを聞く。」

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