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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 四章『冒険者はいつも面倒の連続』
70/90

4-13 酔った人が怒ると半端ない

テラガルメナの首に刀を向けている。


「なんだ、これ?」


「…酒臭い。正常なコミュニケーションは無理か。

とりあえず連れて行って、酔いが覚めるのを待とうか。」


ためらうことなく急所を打撃する。


「ムニャ…」


「?!」


酔っぱらい特有のふにゃふにゃで打撃を避けるルメナ。


「お前…」


ルメナは低い声を出しながらテラを見る。

テラが警戒姿勢をとる。


「…お前も一緒に遊びたいんだよね!?」


「は…?」


「確かに、いっぱい飲むだけなら面白くないよね?じゃあ、何をしながら遊ぶかな?」


「...」


「なんだよ、早く遊ぼうよぉ~」


「ちぇっ、早く気絶させるほうがいい。」


気絶させるために近づくテラ。


「よいしょ!」


「ちくしょう!」


また失敗。


「ああ、まさか鬼ごっこ?触ったら私が鬼になるの?」

そして後ずさりするルメナ。


「それでは今からスタート!」


瞬く間に駆けっこするルメナ。

無意識にバフまで使って走る。

これを知るはずのないテラは驚っているばかりだ。


「あれは何の速さだ…?!

でも、あんな酔っぱらいが本当に俺の噂を…?」


疑いがあるが、今の速度のため信頼もさらに強くなった。

何か直感的な理由だ。

いきなり、夜の追撃が開始された。



------------



「ない?」


「このあたりにはないみたいです。

ホックラー街から外れたのかも。」


「まずい…」


俺たちもルメナを追い掛けているところだ。

しかし、ルメナの跡がない。

イライラし始める。


「一応もう少し探してみていなければ捜索範囲をもっと広げて…」


「どうしたんですか?」


「路地を何かが通り過ぎたそうで。」


「?」


「泥棒みたいなもんだろう。早くルメナから探そう。

泥棒より何千倍は危ないから。」



ルメナは今、路地を疾走している。


「鬼が何人いるか聞けなかったね、このアホ。

なら誰にも会わなければいいんだよ~」


そういうわけで道を走っている。

そしてルメナを一生懸命追いかけるテラ。

しかし、捕まえるのはできない。

速さも速さだが、路地といっても、人々の多い大通りとつながっている路地も多い。

ルメナがそんな所も通っているので、密かに追いかけなければならないテラの立場では動線に混乱が生じている。


「オイオイ、遅すぎるんじゃない?

そのままじゃこの夜のうちに私をつかむのはできないよ?!」


ルメナらしく挑発も忘れない。

テラの頭に熱が上がるが、これからは落ち着いて作戦を構想する。


「ゆっくり動線を遮ろうか。」


周囲にたまっている物や置かれている物を倒しながら追撃を再開する。

さっきからルメナの動線はどの範囲を外れてはいない。

同じ区域をずっとぐるぐる回っているところだ。

それなら、障害物を作って速度を落とす方法を選ぶ。


そうして再びホックラー通りを一周し、障害物を作った。

そして少しずつルメナの速度が遅くなる。

障害物が効果がある。

だんだん距離が縮まり始める。


「もう諦めろ!」


ルメナは振り向いてびっくりした。


「ええっ?!いつここまで?!」


そんな中でも、再び距離は縮まる。

そしてルメナは再び路地で方向を曲げる。

記憶が正しいなら、あの方向にも障害がある。

今度渋滞すると、確実に捕まえられる距離まで狭めることができる。


「うわぁ、また何だよ!」


ルメナのブツブツ言う声。

障害物があるルートだという証拠だ。

すぐにテラもそっちへ向ける。


「捕まえ…た?!」


無い。

ルメナはどこにもいない。


「なんだ、いったい…」


建物に乗って上がったわけでもなく、急に速度を上げたわけでもなく、地面に隠れたわけでもない。

一体どこに?



「ずいぶん遅れましたね。」


「しっ…鬼ごっこ中だから静かに…」


「鬼ごっこ?」


「走ったらまた喉が渇いた。ビール追加!」


「静かにしろって自分が言って…」


「ううん、どうやってここに来たんだっけ?ワープだったけ…」


テラは怒りを抑えながら、さっきの居酒屋に逆戻りしている。

もしその女性を捕まえられなかったら、一緒に飲んでいたやつらを尋問し、情報を得ればよい。

この時間にそのように飲んでいるならさぞかし仲間だろう。

何なら人質にしてもよい。


居酒屋の近くを回りながら待ち伏せ場所を選ぶテラ。

誰かの声が聞こえる。


「ビール追加!そしておつまみも追加!」


「一体いつまで飲むつもりなんだ?!」


ルメナの声を聞いた瞬間、理性の糸が切れてしまう。

そのまま剣を抜いて居酒屋の壁を割る。


「うわっ、何だよ!」

人々が驚いて逃げる。


「あ、鬼だね?」

ルメナがのんきに話す。


「こいつがおれをそんなに置いては、また飲んでいるんだと?!」


「うん?捕まえられなかったから私が勝ったんじゃなかったの?」


「だまれ!」


「あはっ!つかめなくて負けたからって怒ったよね?!」


それからジョッキを一つ摑み、テラに近づく。

「ほら、一杯やろうよ!お酒飲んだらよくなるよ。」


ルメナがジョッキを渡す。

そしてテラがルメナの手をたたき、ジョッキが地に落ちる。


「テメの血なら飲むかもしれないな。」


殺気を吐くテラ。

これを見てルメナは…


「アハハ、わかる。負けたら気持ち汚れるのは私も同じよ。

でも次回勝てばいいんじゃない?」


そして、またジョッキを持ってくる。

「さあ、次の勝利のために乾杯!」


また笑いながらジョッキを渡す。

今度はテラがジョッキを取り上げる。


「乾杯!」


乾杯の身構えをするルメナ

そしてテラもビールグラスを…



ルメナの頭上に持っていって、そのまま振りかける。



「…」


「どうだ、今の気持ちは。」


「…」


笑顔で凍りついたルメナ。

しかし、手が震えている。


「これで終わりたと思うな。

これからもっと気持ち悪くならことがある…」


テラの言葉が終わらなかった。

口がゆがんでいる。


ルメナがジョッキでテラの顔を殴りつけたから。


「このやろ…テメ…!」

ルメナの怒りが始まる。


「あのもったいないお酒を一度でもなく二度もこうやって捨てるんだって?!」


「そっち?!」



ルメナがジョッキでテラをぶん殴る。

これを防御するテラ。


「テメ、地面に流れた酒、全部舐めるようにしてやる!」


「クウッ…!」


当然、今回も無意識的にバフを顔いっぱいに発動して体を強化させている。

一発一発がベテラン戦士クラスの攻撃の水準だ。


「ちくしょう!」

とりあえずスキルを使ってルメナを押しのける。


「油断した。さっきの速さを見てもこんなことを…」


しかし負けるとは思わない。

どうせ事がこうなったからには、本来の実力を発揮して素早く終え、衛兵が来る前に逃げる。


直ちに剣撃を放つテラ。

正確にルメナを向かって飛んできたが、ルメナが剣撃を素手でちらかす。


「ううっ、テメのせいで頭も揺れて…

ウウウッ、とにかく死ね!」


すぐさま飛びついてこぶしをテラの腹に突き立てる。


「さあ、倒れて飲め!」


さっきジョッキで殴られたことよりもっと強い衝撃だ。

も一度距離を開く。


「この女、ファイターか?」


勝手に錯覚するテラ。

問題はこの言葉がなぜか、ルメナの怒りをさらに大きくしてしまった点。


「お前は目もねのかよ?!誰が見ても魔法使いだろ!」


「何にっ?! こんな力を持って…」


「見ろよ!」


そしてルメナの手に作られたダチョウの卵ほどの水の砲弾。

そのままテラに向かって投げる。


テラはこれを剣撃で迎撃しようとする。

剣撃が砲弾を切り取り、切られたところから水が黒い刃のように流れ出る。

この居酒屋を2つは積み上げた高さと大きさで。


「?!?!」


驚いたテラはすぐ防御するが、そのまま水の剣刃に押されて壁を壊して飛び、他の建物の壁にぶつかる。


「クフッ!」


「だから!」

ルメナがジャブを飛ばし、これに合わせて空気弾がテラを襲う。


「こんなに!魔法が!上手なのに!私の!どこを見て!ファイターなんだよ!」


防御さえできなかった。

自分の反応速度を上回る速度で、空気弾が体を強打している。


「ああ、魔法がしがないすぎるからかな?

なら、これをみれば認めるよね?」


そして魔力を集めるルメナ。

そして、その魔力を感じる間もなく、指に小さな光の玉ができる。


「あの女、確かに酔っ払っている…

あんな見窄らしい魔法で何をどうするんだ。」


チャンスだ。

今すぐ…


「そこまで!」


声とともにルメナとテラが飲み屋から消えた。

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