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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 四章『冒険者はいつも面倒の連続』
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4-8 怪しい者

外でオフィーリアを待っている。

まもなく、オフィーリアが俺の方へ歩いてくる。


「…」


「…怒ったのですか?」


「そうだな。君がわざと負けたわけで、5千リデムを失ったから。

それにD級になるチャンスも逃がしてしまったんだから」


「ごめんなさい…」


「謝ると終わりか?罰をあげなきゃ。」


オフィーリアに近づくと、オフィーリアは怖がるように体をすくめて目をしっかり閉じる。

そんなオフィリアに。

デコピンを。


「いたっ!」


「さて、罰は終わり。では理由を聞いてみようか?」


「…怒りませんか?」


オフィーリアがまだ罪悪感を持っているようだ。


「だった5千リデムくらいで君を懲らしめると思う?

君のために100億を盗んだやつだぞ?

そしてD級なんか、ゆっくりやればいいんだよ。

俺もE級だからいいじゃねか。

君がやったことなら、どんなことでも一応お前を信じてやるよ。」


俺の言葉にとうとうにっこりと笑う。


「こうなろうと信じてわざと脱落しました。」


「わかったから説明から。」


オフィーリアが理由を説明し始める。



「とりあえず、それ以上の力を使うと、やっぱりばれそうだったので。

私が『ソイルズモーラー』を詠唱した時、これを必殺技として使ったんです。


『ソイルズモーラー』魔法はC級の魔法使いくらいなら十分使える魔法ですが、それでは足りなくて範囲拡張まで付け加えました。

そんな魔法をもっと使うならやはり疑われるでしょう。

だからといってそれより弱い魔法を使用しては勝つことができません。」


正しい言葉だ。

すでにテラとの1対1をしただけでもそれほど関心を集めていたのに、それ以上を見せるなら、関心を越えて疑いに発展しかねない。


「それは分ったし、十分に理解した。別の理由は?」


「‥‥怒らないんですよね?」


「そうだと言ったじゃん。」


「脱落してE級に残る方が同じクエストを受けやすいだろうから…

それはそれなりに幸せだろうと思って…」


「…」


「それで脱落しました…」


「そうだったんだ…」


そんな状況でも恋の病気はぶり返すものだな。

思ったより重症かな…


「別に怒ることじゃないだろ。これのせいでずっと怯えてたんだ。」


「じゃあ許してくれるんですか?」


「だから間違ったことじゃないんだってば。もう自責するのはやめて。」


そして、周囲を見回してから、オフィリアに聞く。

誰もいないのを確認して言を出す。


「もしかして理由が、もっとある?」


「…お気づきだったんですね。」


「そんな実力者がまだF級なのはおかしいから。

そして、お前が試合中に何回かぴくぴくするのが見えたんだよ。

何かを感じたように。」


オフィーリアも周囲を一度見回す。

人たちはほとんど抜け出したようだ。

オピリアが再び口を開く。


「超近接距離まで接近した瞬間、わかったんです。

テラという方、顔に幻影魔法をかけておりました。」


「…詳しく聞かせて。」



「何か違和感はあったけど、気のせいだと思いました。

しかし、そうではありませんでした。

おそらく、顔全体ではなく一部分だけを変えたのだと思います。

だから探知しにくかったんでしょう。


「ちょっと待って、いくら一部分でも、幻影魔法なら君はもちろん、俺も気づいたはずよ。」


「単純に魔法を使ったのならそうだったでしょう。」


「俺たちが気づかないレベルの魔法か…

アイテムだね。」


オフィーリアが首を縦に振る。



「部分的な魔法にアイテム効果だと探知が難しいもんですよね。

衝撃を受けるとアイテムの効果が消えるのか、そのせいで違和感を覚えたんですよ。

そこで本当の実力を発揮させれば、私はもちろんクリスさんまで巻き込んで力を入れてしまうこともできたので場外に出たのです。」


「どうしてそんな状態で、こんなところに…」


「それは私も予想がつきませんね。」


率直に気になる。

B級以上の実力に幻影魔法のアイテムまで持っている男。


「探して、追いかけましょうか?」


「それがいいだと思う。

実力者という点だけなら、ただの変わり者と思われるかもしれないけれどさ。

やっぱり、幻影魔法まで使ったのはばれてはいけないからだろう。

そして、ばれてはいけない理由は、誰か知っていたら邪魔をされるようなことをしているからで。」


「それでは今すぐ?」


「とりあえずルメナから待とう。そろそろ帰ってくるだろう。

ご飯の時間だけはきちんと守るから。」


ギルドの建物に再び戻る。

いつの間にか空は夕焼けに変わっている。


「戻ったようですね。」


ルメナがギルドに入ってくる。

肩に袋を一本引っ掛けている


「ねえ、登録はしたの?」


「お前はちゃんとやった?」


「待ってて。まずポイントから得て話そうよ。」


ルメナが受付に行く。

「クエスト『コタジのリンゴ30個採集』と『ドンドン竹の群落調査』完了してきた。

おまけに魔物素材もいくつか。」


そして袋を下ろす。

店員が袋の中に持っていく。


「…確認しました。素材は販売ですか、それともポイントですか?」


「全部ポイントで。」


「…計算すると全部で115ポイントになります。お疲れ様でした。」


ルメナの認証書にポイント内訳が書かれ、ブローチの色はさっきよりも濃くなった。

ルメナが俺の方にくる。



「115か。初日だからこれで満足しようか。」


「おめでとう、ポイント2位。」


「何のことよ?お前は0ポイントだろ?オフィーリアはF級で。」


「オフィリアはE級に昇級した。

ここはトーナメントで勝てば、すぐE級になる方式だった。」


「ならE級だろ?なんで私が2位なんだ?」


「昇級者同士でまた試合をして、順位によってポイントを支給した。

今、オフィーリアは500ポイントだよ。」


ルメナは石のように固くなる。

口だけが動いている。

オフィーリアも困ったように笑っている。


「私がさっき得た36ポイントに今得た115ポイントを合わせても…」


「151。500の半分にも満たないね。」


「今日、私の努力は一体…」


地面に腹ばいになって暗いオーラを吐き出すルメナ。

オフィリアは励ましているが、あんまり効果はない。


「それより調査してみることがある。早く出て食事をして始めよう。

ご飯は抜きたいが、そうしたらお前が黙っていないだろう。」


「何だ、お前もクエストをもらった?」


「俺が君に依頼したクエストに関連した仕事さ。」


ルメナも少し真面目な顔をする。

…いや、飽きた顔か?


「また始まったの?お前って本当に災いの神じゃない?」


「反論できないな。とにかく早く出てきて。」



飲食店に向かいながら話を要約して聞かせる。

飲食店に腰を据えてから話は終わった。


「確かに怪しいやつだね。」


「実力もあるのも問題だ。」


「それであいつを見つける方法は?」


「少し時間がかかるだろうが、方法がある。」


「何んだ?」


「うわさ。」


計画を説明する。

普段ならいつも俺の計画を聞いて喜んでいたルメナだが、今日は顔をしかめる。

このようなことは初めてなオフィーリアも同じだ。


「危険負担が少しはあるね。もっといい方法はねの?」


「私の考えもルメナさんと同じです。」


「俺も分かってる。でも、何の情報もない状況で相手を引き出すにはこれが一番いい方法だ。」


「まぁ、おまえの作戦が失敗したことはなかったし。

よし, そうしよう。」


「私の答えは分かりますよね?」


「よし、それではお金も少しあげるよ。

もし必要なことがあるなら、惜しまず使うようにして。」


食事を終えて外へ出る。

3人がそれぞれ夜の街中に散らばる。


「じゃあ、あと12時までに各自行動して、宿舎に戻ることにしよう。」


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