3-20 ショーの終幕
こちらはルメナのサイド。
オフィーリアと共に王宮に潜入している。
「王を拉致するなんて、一体どんなことを考えているんですか?」
「なんだよ、邪魔するつもりなら今からでも帰れ。」
「教えてほしいということだけです。」
「最も影響力のあるやつが必要なだけだよ。普通は国の王がそんなやつだから。」
「だからそれがどうして…」
「説明しようとすると面倒なんだ。 直接見るようにしろよ。」
そして王宮の正門に向かう。
さっきの騒ぎのせいか警備兵が多い。
「オフィーリア、もしかして王宮に魔力探知アイテムや探知可能な実力者はどれくらいいる?」
「最近の戦争で、実力のある方は全員が出征して、王宮にはほとんど残っていないんです。」
「魔力探知アイテムは?」
「お城の大きさが大きさだけに、すべてではなく本当に重要なところにだけ設置されているはずです。」
「よし、それでは王がいるそうなところは?」
「執務室と寝所くらいしか…」
まずはもう少し正門に向かって接近する。
こちらを感づいていない。
「あそこにある魔水晶が多分探知機かな。」
「そうです。」
「ばかばかりね。あそこだけが入る入口だと思うのかよ?」
すぐ遠回りして人の気配が少ない所を探す。
やがてそのような所を発見する。
「…向こうがよさそうだな。」
「窓を割るんですか?」
「とりあえず王のところに行くまでは跡がない方がいい。ワープするよ。」
建物の中にワープする。
王宮内部もかなり騒々しい。
「さて、どこから行こうか…」
「一応、執務室がこちらからは近いと思います。」
「じゃ、そっちから行ってみようか?
隠れ魔法の維持を忘れずに。」
内側に少しずつ入る。
先の騒ぎのせいで起こったこのごたごたさが潜入にも役に立っている。
「はぁ、体が重いね。やっぱりこの程度で収納していると影響がある。
魔力が果てしなく使われるね。」
「私が少し分けてもらいましょうか?」
「いや、これくらいは大丈夫。」
「もうすぐ執務室です。」
兵隊たちが執務室に向かう途中で下敷きになっている。
王宮の正門に匹敵するほどの兵士がいる。
これでは王がここにいると広告しているようなものだが。
「ビンゴ。こっちなのが確かなようだね。」
「どうするつもりですか。」
「王だけ確保すればいいからざこは無視してもいいけど、問題は別のもの。
護衛隊長の実力は?」
「A級でも上位級だと思います。」
「得意は?」
「防御とタンキングで有名です。
それが認められて護衛隊長になった人ですから。」
「うっ、面倒になったな…
一発で倒すのはできるけど、そのくらいの威力なら王も死ぬに決まってるんだよ…
もうそちらはそろそろ仕上げているはずなのに…
あ、知らね。悪いけど、またちょっと残酷な魔法を使ってみようか。
オフィーリア、一つお願いするよ。
とりあえずお前は来るな。
私一人で王を捕まえてこの場所にワープするから、私が来たらすぐ逃げるためにテレポート頼むよ。
3人くらいはできるよね?」
「可能ではありますが、どこへ?」
「王宮の外ならどこでもいいけど、できるだけシュベルテナの外で、西に近ければいい。
じゃあ、私が進入したらその時から準備しておいて。」
ルメナが隠れ魔法を解いて進入する。
突然現れたルメナに兵士たちが動揺する。
「突然人が?!」
「何にものだ?!」
「こうだから隠れ状態でも魔法を思いっきり使のができればいいのに…
エーテルの感知が鈍くなるから仕方ないんだけど。」
兵士たちが何かをする前に、ルメナが床に火をつける。
火は、まるで生きているように動き、兵士たちを脅かす。
火の手が通路を埋め尽くしていく。
兵士たちは火の手から逃げ惑う。
執務室の門まで誰もいない。
「テレポート準備しとけ!」
無防備な廊下を横切る。
直ちに執務室のドアを開けた瞬間強力な剣撃が飛んでくる。
「うわっ!危ね!」
「避けたと?!」
内側を見ると、パーティーの時に見た王。
その前に体のいい騎士が剣と盾を持ったまま立っている。
「あの不埒な女をすぐに捕まえろ!」
「仰せのとおり!」
「不埒な女だなんて、表現がちょっと気になるね。」
ルメナが飛びかかる。
「私みたいな女にはセクシーっていう表現が似合うんだよ。」
「この反逆者め!素直につかまれ!」
ルメナは攻撃しようとしたが,魔力を収める。
「ちぇっ、カウンターだけ狙おうというのかよ。
開けるのは簡単だけど、その威力なら王が…」
「陛下には、誰も手がつけられない!」
「ああっ、ムカつく!あとは考えず倒して王が一度に死なないことをねがってみる?」
その時、ルメナの目にあるものが入ってくる。
門を守っていた兵隊の一人が逃げながら捨てた剣。
「ふむ…これでいいかも?
も一度行くよ!」
すぐ剣を拾って飛びかかる。
ルメナの攻撃に護衛隊長が盾を持つ。
『リジェクション』
ルメナがはじき出され、この瞬間を狙ったかのように護衛隊長が駆けつける。
「反逆者め!その命で謝れ!」
『ペトレゼンス』
その瞬間、護衛隊長の体は石に変わって固まった。
「ごめんね。それでも威力は調節したからたぶん明日の朝には解けるよ。
私は剣術には才能がないからこんな無茶な攻撃を見たらきっと反撃すると思ったんだ。
つまり君の魔法防御にも隙ができるということよ。
考えてみたらこう言っても聞こえないだろうね。」
ルメナの目は王に向く。
王が恐怖で震えている。
「貴様は誰だ?! 護衛隊長を倒すなんて!」
「じいさんは知らなくていいよ。早くついて来て。」
「誰もいないのか?!この…」
「ワープ」
さっきオフィーリアがいたところへワープする。
「きましたね。」
「テレポートの準備は?」
「あと詠唱だけすればいいんです。
3人であり、距離があるので少し時間はかかるんです。」
「君...君はオフィーリア?!君がどうして?!」
「静かにしろよ、じいさん。」
「王を拉致するなんて!この国を裏切るつもりか?!」
「はあ、マジうるさいね。
駆け落ちって知ってる? それだと知っておけよ。」
この時、兵士たちの声が聞こえてくる。
一人や二人の声ではない。
さっき逃げた兵士たちが援軍を呼んだのだ。
「まだ?」
「ほとんどできあがりました…」
「他のことは知らないけど、お前が見つかると面倒くなるぞ。」
足音がだんだん大きくなっている。
「こっちだ!」
「このじいさんが!」
「準備できました!行きます!」
『テレポート』
瞬く間に転移が行われる。
「…ここは?」
「さっきお城の西とおしゃったので西関門にテレポートしました。」
見回すと、大きな関門が立っていて、突然現れた人を見た歩哨兵たちが慌てている。
…
…
「君も天然であることにも程があるんだ!
こんなに融通性がなくては!」
「ええっ?!何が間違えたんですか?!」
「早く! 私を救え!」
「じいさん、本当に疲れないね!」
股間を一度蹴飛ばすと、静かになる王。
気絶した王を肩に背負う。
「もし壊れたらすまないけど、どうせ使える年でもねじゃん。」
矢が飛んでくるのを防御魔法で防ぎながら、約束の場所に行く。
------------------
感情が利害についていけない。
S級アーベル。
つい最近S級に認定された男だ。
そして、このS級昇級には家門の力と王都守備隊の副団長という地位の力などが、ぜんぜん役立たなかったわけでもない。
結局、実際の実力はA級中上位圏ぐらいだろうか。
これは他のやつらも少しずつ該当するが…
しかし強者であることは間違いない。
簡単に倒れる弱者ではない。
しかし、目の前にあるのは。
たった2回の魔法だけで倒れた姿。
アベルを倒した男が強いのは知っていた。
だから理解はついて行くけど、
あぶないから逃げなきゃと頭は言うけれど、
愚かな感情は恐怖をまだ引き出すことができない。
ただ怒りだけを引き出すだけ。
「次は誰が出る?」
俺が前に出るほど3人は後ろに下がる。
「そしたら俺がムカついた順にしようか?」
俺の言葉に3人が俺の口に注目する。
「俺はおいしいものは後で食べるタイプなんだ。
だからひとまずセルジオにするか?
お前は少しましだから早く休むようにしてやる。」
セルジオの顔色が変わる。
それとは反対に、一度の機会を得た残りの2人は、むしろ自信を得た。
「俺たちが助けるから。びびるな。」
「あんな強力な魔法を使ったばかりだ。もう限界に違いない。」
二つの判断は正しい。
一般的に考えるなら、3対1なら3が有利。
強力な魔法直後には、その反動も大きいのも常識。
だからセルジオは俺に突進した。
『クラッシュブレイカー』
強力な連撃が魔法の柵をすべて破壊している。
瞬間的に見た後の方に、残りの方が攻撃を準備する。
なるほど。
限界だと思って、強力な攻撃を続けるということだ。
慌てた直後とは思えない良い判断だ。
しかし、誤算が二つ。
『アース·エンフューズ』
地割れが生じる。
それとともに不安定な足場のせいで連撃が止まってしまう。
割れ目に落ちないように連撃を中止しようとするが、
連撃を放って進撃していた自分の速度をコントロールできず、倒れてしまった。
ほんの束の間のすきができた。
そして暇ができたら、魔力を集める時間が与えられる。
『ネルガス』
火の波が襲ってくる。
そして一瞬、ただの岩の山は火山に変った。
火の波が岩の山をつたって下までおり、森を荒らす。
たちまち森全体に火の道が出た。
そして一番前にいたセルジオはアーベルのような格好になっている。
「こいつもよく焼けたな。」
フェルナンドとアルベルトがいた方を向いて話す。
あの2人は力を合わせて何とか食い止めたようだ。
しかし、所々に焼け跡が残っている。
このセルジオって奴が勘違いしたのは二つ。
一つは、俺が一般的な常識から外れた者だということ。
二つ目は『クラッシュブレイク』の攻略法があまりにもよく分かったこと。
なぜなら勇者パーティーの剣士であるレイナが好んで使っていたスキルだったからだ。
ずっと見てきたので攻略法を知っている。
もう残りは2人。
そして、次の犠牲者を指名する。
「フェルナンド。お前からだ。」




