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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 二章 「薬と毒は紙一重の差」
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2-8 金と共に去りぬ

4日目の朝が明けた。

今日はオズワルドが来なかった。


最も重要なことを控え、余計に圧迫しないようにする心算だろう。

頭がいいやつなのは確かだ。

頭を使う方法が分からないのであほだが。

それなら余裕を思う存分楽しみながら逆に焦るようにしてあげようか。


「…なんで来ないんだ?」


約束時間に近づいたが、俺とルメナは製造室にこなかった。


「それが体の調子が悪いと言うので…」


「私がそんなことまで知らなければならないのか?

重要なのはこの私がこんな汚い所まで来て時間を奪われているということだ。

一体何をしているんだ?」


そして俺たちが入る。

一瞬にして顔に微笑を浮かべる。


「…ハハハ、来ましたね。」


「何か怒っていませんでしたか?」


「そんなはずが。こんなうれしい日に。

おからだはだいじょうぶですか?」


「はい。それでは始めます。」



錬金術を始める。

材料を切り、煮、汁を出す過程が続ける。




……



約4時間にかけて赤色の薬を作って、残ったのは魔法付与だけすればかんせいだ。

ポーション入りの瓶をオズワルドのところに持っていく。


「直接やってみますか?」


「私がですか?」


「魔法はできますか?

私が助けるので一度やってみましょう。」


「勘が鋭いですね。

魔法を学んだということを、どうやって知ったのか。」


オズワルドが前に出る。

オズワルドの肩に手を置く。


「初めてですから補助用魔法陣を描いておきました。

この上にポーションを置いて、回復魔法をかければいいです。

さあ、緊張をほぐして回復魔法を詠唱してください。」


ヒーリング(回復)』 


ポーションの色がさらに赤く変わる。


「成功ですね。初心者なのにすごいです。」


「成功ですか?」


「また疑いですか? それではお見せしましょう。」


そしてルメナが私の背中を切る。

予想できなかった状況にルメナを除いた全員が驚く。

俺は平気なようにすぐ薬を飲む。

背中の傷はすぐ消えていく。


「どうですか、すごいでしょう?」


「ハハハハッ。こんなものを私が作ったなんて。

やっぱり私は天才だ!」


「はいはい、すごいです。」


「お疲れ様でした。

それでは残ったハイポーション製造もお願いします。」


製造室を抜け出るオズワルドの連中。

彼らは去り、ルメナはまたオズワルドをあざ笑う。


「あのレベルで天才と呼ばれたら、猿は大賢者と呼ばれるよ。」


「お前らしい毒舌だな。

とにかく2段階もうまくいったね。」


「ならもうすぐだよね?」


「時間は適当にありそうだけど?」


外に出たオズワルドも話を交わしている。

こっちもこっちなりに作戦があるから。


「あいつらはもう処分しましょうか?」


「いや、もう少し生かしておこう。

また、製造室で働ける奴らを探すまでには。

とりあえず200本作るまでは放っておけ。

明日になれば完成するだろう。」


「では引き続き監視しましょうか?」


「その前にお金はそのままあの部屋にあるよな?」


「はい、ずっと監視していて、あいつらが製造室にいるたびに確認していました。」


「よし、いつでも殺せるように準備しておけ。」



150本ほどまで作った後、夕方に城外に出かける。

アッシュがまたついてくる。


「どこに行くんだ?」


「買い物に行きます。」



「地図?どうしてそんなの買うんだ?」


「この辺に自生する素材を探してみようかと思いまして。」


「そんなものなら俺に言ったらあげたのにさ。」


「必要なものは私が直接選ばなければならない性格で。

すぐ買ってきますので少々お待ちください。」


3つの地図を買う。

今日はやることはもうない。

夕方の食卓に戻る。

すでに酒で顔がほてっているマエス親子。


「今日ほど嬉しい日がまたあるでしょうか?ありがとうございます。」


「もらっただけ働いただけです。」


「明日すぐ他の城に行って納品契約を結ぶつもりです。

そうなれば私たちは世界一のお金持ちになるでしょう。」


「戦争に備えようというのではなかったんですか?」


「戦争もお金が必要なんです。 そうじゃないですか?」


「その通りですね。」


「お二人にもこれから大いに期待されています。

さあ、飲みましょう。」


食事が終わり、各自の部屋に戻ろうとするが、誰かが俺を呼ぶ。

声のしたところにはハモンドがいる。


「あなたでしたか。声は初めて聞きますね。」


「…」


「それでどんなご用でしょうか?」


「あしたの夕がたになる前にここをはなれろ。」


「どういうことでしょうか?」


「お金なんて諦めろ。俺が言えることはこれだけだ。」


「すみませんが、そうはできないのですが。」


「何だっと?」


「私としてもあのお金がどうしても必要なので。

お言葉はありがたいですが、そうすることはできません。」


「愚かな…」


「はい、お金に執着するのは愚かなことでしょう。」


「そこまでしなければならないことが何だ?」


「それは企業秘密です。」


「…忠告はした。後はお前の選択だ。」


ハモンドはそのまま振り返って場所を外す。

俺もどうしてあんな奴の下で働くのか聞けばよかったかな…

部屋に戻ってルメナに言う。


「明日、作戦通りに進める。わかった?」



そうして5日目。

今日はまだ日も昇っていないのに訪れたオズワルド。


「お二人とも、お起きになられましたでしょうか?」


「あなた、本当にすることないですね。」


「これから仕事に行きます。 契約しに行きます。」


「はいはい。いってらっしゃい。」


はなしていたが、目は俺の後ろの宝箱を見つめていた。


朝食抜きでギルドに行く。

アッシュもついてきたがギルドの中まではついてこない。


「E級証明は?」


「ああ、来たんですね。

これがE級ブローチと証明書です。そして報酬も。」


「ありがとうございます。」


「正式な冒険者として、これからの昇級はS級までポイント制に昇級します。

ポイントは、クエストやモンスター退治の戦利品、ダンジョンや鉱脈といった有用な発見で得ることができます。」


「Zは言ってくれませんね。」


「あはは、夢も大きすぎるとよくないですよ。」


「そうですか。」


「それでも申しあげると、Zは自分の出身国以外の10カ国の国々で冒険者への功労が認められたS級だけが上がることができるのです。

またはZ級クエストが発生して解決する場合です。」


「説明ありがとうございます。」


帰る前に受付へ手紙を渡す。


「この手紙をマスターに伝えていただけますか?

麻薬関連調査報告書だと言えばわかるはずです。」


「分かりました。調査お疲れ様でした。」



外に出て城に戻る。

午前中に残り分を終えようか。

なんとかランチタイムまでに40個を完成させた。


「190個すべて完成させました。

材料もなくなったので、後で出かけてきます。」


昼ごはんを食べて外出してまた材料を買って帰る。


「それではまたお金が用意できたら話してください。」


ルメナと一緒に部屋に入る。


『ハルシネーション』


しばらくして部屋から出て製造室に入る。




夕暮れ時にオズワルドが戻った。


「最高だ!なんと5億リデムで契約した!」


「5億ですか?!」


「見本を見せたらかえって向こうから頼まれた。

回復ポーションのランクは、色や香りですぐに判別できる。

このポーションを見てどう我慢できるんだ。」


そしてポーションを開いて香りを嗅ぐ。


「酒より甘い勝利の香りだな。

ポーションは全部作った?」


「午前中に全部完成しました。」


「契約も終わって薬も作り終えた。

もう殺しても構わないだろうな?」


「今すぐですか?」


「あいつらの首を飾りにして祝杯を上げようぜ。」


「あいつらは今、製造室にいます。」


「行こう。」


オズワルドが兵士たちを率いて製造室に向かう。

「いますか?」


返事がない。

門を守っていた警備兵に問う。


「もしかして出かけたか?」


「いいえ。ただ今日はずっと静かでした。」


「何だよ、製造室にたしか入った?」


「ここに入るのは自分の目で確認しました。」


すぐに門を開けて入るけど。

そこには誰もいない。



「ないって…?ここをくまなく探せ!

私はそいつらの部屋に行く!」


俺とルメナの部屋に着いたオズワルド。

中に入ってじっと立っている。


「私の目がおかしくなったのか?

あんなにたくさんあったものをどうやって?!」


そんなにたくさん積まれていた宝箱が一つもない。

そしてアッシュをしかる。


「今日は部屋を確認したことがなかったか?!」


「確かにあいつらが製造室に入った後、私がさっき確認した時まではあったのですが…」


「その後は一度も確認したことがないか?!」


「昨日、殺すとおっしゃったので、今日は別に気にしなくてもよいと思って…」


「ばかめ!いちばん重要なのは金だ!

あいつらの命なんてなんの興味も価値もない!

むしろ最後だからもっと確認するのが常識じゃねか!」


そして製造室にいた兵士が報告する。


「全部探してみましたが誰もいません。」


すっかりやられた。

怒りが込み上げる。


「…ハモンドを呼べ。」


「はい?」


「城の兵士総動員して、あいつらを探せ!

そんなにたくさんの宝物をどのように運んでいるのかは分からないが、その程度ならきっと目について遠くには行くことができなかったはずだ!」


アッシュが速く動く。

何百人もの兵隊が城から出る。

素早く城門を封鎖し、主要な場所を探問しながら手配する。

そして入ってきた報告。


「東口からおっしゃった男女2人がもう抜け出したという報告です!」


「動け!東へ行く!」


こうしてたった2人を狙う数の暴力が迫る。

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