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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 二章 「薬と毒は紙一重の差」
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2-7 一時の余興


3日目は本当に静かに過ぎていく。

やっかいなやつは今日はいないし、アッシュもある程度警戒を解いたようだ。

静かにポーションを作っている。


「飽きた。ちょっと出かけてくるよ。」


「おい、今やっていたことは終わらせて出て行け。」


と思うや否やルメナとアッシュがぶつかる。


「私がお前のちんぴらだと思う?邪魔しないでどけ。」


「お金をもらったら仕事をやれ。帰れ。」


「ルメナ、ちょっと来てね。」


二人を離しておく。


「一人でワープに出かけてこい。

あいつらに幻影魔法かけておくから。」


「君は?」


「作戦通りにやるには一応ある程度は作っておかないと。」


「無理はするな。休みながらやれって。」


そして瞬く間に消えるルメナ。

ポーションは順調に作られている。

そしてルメナは昼食の時間に戻った。


「やっぱり。」


「君も200年間何も食べないと食べることがどんなに幸せか分かるよ。」


「なら交代だ。

俺もちょっと出かけて来る所があるんだ。

幻影魔法、忘れないで。」


闇市に入る。

買うべきものがきりがない。

今日もちょっとした材料を買いに来た。

ただ、『俺』が必要だから買いに来たんだけどさ。

絶望を作るための材料だ。


店に行く途中、顔なじみが見える。

あの男は確かに…


ハモンドという名の男だ。

立っている所は奴隷競売場の前。


「そんな趣味はないように見えるが。」


今までこの男の声を聞いたことがない。

これまでマエス親子とエッシュが陰謀を企てた時も、あの男は何も言わなかった。


ただ、目を読めば分かる。

この男は汚い仕事をする人ではないということを。

どういうわけか後で聞いてみようか。

一応俺は店に行く。


材料を一かご買って帰ろうとする途中で矢が飛んでくる。

すぐにフードをかぶる。


「危ないじゃないか、てめら。」


いくら闇市でも人の目がこんなに多い所で弓を射るなんて、一体誰だ。

矢が飛んできた方を見る。

ゴードンの群れとルメナを誘おうとして失敗したパーティーである。


「同士で群がっているんだな。」


ゴードンが前に出る。


「あのパーティーに俺の知り合いがあってさ。

お前らに恨みがあるようなので参加させた。」


「そんなことは興味ない。言いたいことは何だ?」


「そんなものなんかない。お前は今日死ぬんだ。」


そして藍色のポーションを取り出す。


「飲んであいつを殺してしまえ!」

「女さえいなければあいつなんか何でもない!」

「四肢を裂いてやる!」

「昨日何をしたか分からないか、二度も同じ手口にはあわない!」


よほど怒っているようだ。

公開処刑ということか。


「昨日、あんな目にあったのにまたかかってくるなんて、本気かよ?」


口ではこう言ったが、無理に飛びかかる理由は分かっている。

今日、昨日ルメナにやられたうわさが広まったはずだ。

闇市を支配する悪党が女の子に敗れたといううわさが広がれば、どうなるか。

誰も怖がらない道端の石ころになる。


また全部一気に凍らせて気絶させてしまったのがむしろ悪手になったのか。

多分卑怯な術数のため負けたと考えたようだ。

そのため、まだ自分たちが力では優位だと勘違いしている。


ただ、このようにかかってくるということは、オズワルドがこいつには俺の話をしなかったのか?

多分極秘事項だと思って言わなかったはずだ。

知っていたらハイポーションを作っている俺を殺したらどうなるか分からないはずがないのに。

ならば、事情を説明して争わずに済ます方法もあるが…


「俺を殺してカリスマを取り戻すというのかよ。

悪党だけど根性があるな。

けれどさ、そんな女と連れ添っているやつが普通の人だと思った?」


ポーションを飲んで襲いかかる敵の攻撃をすべて避ける。

確かに動きが速くて強くなったが、それとともに単調になった。

むしろこちらの方が避けやすい。


「ポーションがもったいないな。よわすぎ。

魔法を使わなくても十分だ。」


そのまま拳をある男の顔に突き出す。

倒される男。


「魔術師だが何度も死線を越えた。

身体能力が悪くはないぞ?」


叫びながら襲いかかってくる敵を一つずつ倒す。

弱すぎても弱すぎる。

面倒になったのに逃げちゃおうか。


その瞬間、短剣が俺の腕をかすめる。

ローブが破れる。

このローブ買って2日しか経ってないものなのに…


「ボスが出てきたな。」


ゴードンが短剣を持って飛びかかる。

反撃ところか、回避するのも大変だ。

B級に強化までしたから俺の身体能力では限界か。

理性を失ったように飛びかかるゴードン。


やっぱりやめよう。

こんなに合理的でない仕事をしたのはルメナの影響かな。


「時間がないんだ。悪いけど、遊びは終わりだ。」


ゴードンの方に手のひらを広げる。

そして火炎がゴードンを襲う。


「クアアアアア」


火炎は燃え盛ってゴードンはもちろん周りの飛びかかったやつらを焼き払う。

そして、一般の人々が巻き込まれる直前に止まった。


口封じはしておこうか。

ローブにフードまでかぶっていたので、見物人の心配はいらないだろう。

ゴードンを踏んだままワープする。

炎の壁のせいでだれもワープは見なかった。


「起きろ。」


「うぅ…ひい!」


「よく聞け。今日の話がオズワルドの耳に入ったら、今日みたいにレアステーキでは終わらないぞ?

部下たちの口封じをちゃんとやれ。」


「は、はい…!」


「じゃあ、早く消えろ。部下たちが口を開く前に行け。」


ゴードンが逃げる。

本当は殺そうかとも思ったが、オズワルドの悪事に対する証人として、あいつほどふさわしい者はいない。

これ以上時間が過ぎると疑われるだろう。

時間がないのでワープで城に戻る。


幸いにも疑われなかった。

ただ、ルメナが遅れたと叱ったりはしたが…

そのようにポーション製造で一日を過ごし、夕方の時間がやってきた。



食堂に入るとオズワルドが戻っていた。


「お疲れ様でした。」


「戻ってきたんですね。金額が金額なのでかなり時間がかかると見ましたが。」


「早くお金が必要だったので無理をちょっとしました。

でもこれを見せたらみんな簡単に貸してくれました。」


ハイポーションを食卓の上に置く。


「でも、これくらいの量では担保金額ができないので、私の財産まで一応担保にしました。

とにかくここにこうして190本分のお金を持ってきました。」


オズワルドの後ろに箱が並んでいる。

箱を一つ開けてみると確かにお金は入っている。


「これでよろしいでしょうか?」


「部屋に運んでください。」


「乾杯。私たちの成功のために。」




「私たちじゃなくて自分だけでしょ。」

食事が終わって、部屋で休んでいる中にルメナが言う。


「お金ももらったんだから、このまま逃げらばどう?」


「お前が逃げ腰になるとは想像もできなかったのにさ。」


「性格通りなら全部修羅場につくりたいけど、そうしたらお前が何か言うんじゃないの。」


「期待して。 2日だけ我慢すればいいから。」

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