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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 二章 「薬と毒は紙一重の差」
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2-5 スカウト

領主の城に着いた。


「やっぱり大きい。旅館もこれくらいならいいのに。」


「あの、ルメナさん?まずは俺たち、被疑者として捕まってきた身分なんですよ?

のんきすぎるんじゃない?」


…考えてみると、少し危ないかもしれない。

これからやることが多いのにこんなことで顔が知れたら問題になるかも。

このせいで正体がばれる可能性もある。

虚像魔法をかけておこうか。


ウェイビングヘイズ(かげろうの虚像)』 


これでルメナ以外の人たちは俺の顔を見ても本当の俺の顔と違うように認識する。

幻影魔法のように無いものをあるようにするのとは違って、存在するものを歪める魔法なので見つかる心配も少ない。


城の中に入る。

これまで見てきたお城と比べても贅沢な感じだ。

ずいぶんお金もうけたな。


そのようにたどり着いたのは、お城の謁見室。

そして入ると領主がそこのいる。


「ひざまずけろ。」


「やだ。」


ルメナ…


「何に…?」


「別にあんたに礼を尽くしたくないって言ったのよ。

無実の人をこんなふうに捕まえてくる人にどんな礼を尽くすんだ?」


「生意気な!」


「…そこまでやりましょう。」

結局俺が割り込んで二人を止める。


「はじめまして、殿様。ハインズと申します。」


「…ルメナだ。」


俺の出方を見て領主も一歩さがる。

よかった。


「ここの領主、ヘンリー·マエスだ。」


「それで私たちを呼んだ理由は?」


「聞くところではギルドで許可ないけんかをしたという話を聞いたが。」


「そうだったんですか?」


「そちらの過ちもあるだろうが、お前たちの罪がなくなるのではない。」


「前置きが長いですね。本論をおっしゃってください。」


「簡単に言って犯した罪だけ分、わしの下で働け。

実力が優れているというのは聞いた。

ただで働けというのではない。

待遇はちゃんとしてあげるぞ。」


「そうなんですか。」


「さあ、選択しろ。監獄に行くか、誰もがうらやましがる人生を過ごすか。」


「…」


「考える時間が必要か?

そんな価値のある質問ではないと思うが。」


「私たちは…どちらも嫌いです。」


「…わしをからかってるのか?」


「真剣に言ったことですが?」


「アッシュ!」


後ろからある男が出てくる。

ちょっと力がいそうだな、こいつ。


「従うと言うまで閉じ込めておけ!」


「おとなしくついてこい。」


こんな状況になると、ルメナがバカを見る目で俺を見ている。


「…これがお前の作戦?」


「そう?」


「そう?じゃない!」


「落ち着け。作戦は…」


言い出もしないうちにアッシュがやってきた。

ルメナの腕を引っ張っていこうとする。


「早くついてこい!」


「こいつ!」


ダメだ。

今ぶつかったら…


「そこまで。」

他の誰かの声が聞こえる。


「父上が無礼をかけてしまいますたんですね。」


「オズワルド、なんのことだ?」


「アッシュ、彼らを解放してください。」


「何を?!」


「父上?」


「…放してあげろ」


アッシュという男が退き、オズワルドという男がやってくる。


「これはこれは、上賓の方に失礼いたしました。」


まさか正体がばれた?!


「ギルドで話を聞きました。噂の麻薬の治療剤を作った方々ということを。

そんな方々に罪を問うわけにはいきませんね。」


そっちか…

瞬間的に驚いて魔力を集めるところだった。


「ええ、私ですが。」


「もしかしてそれに関連された話ができるでしょうか。」


「必要でしたら。」


「じゃあ、席を移しましょう。

さあ、父上も」


確か捕まってきたはずなのに、こうして食卓に座るようになった。

ルメナはすでにさっきの状況を忘れたように、先に攻略する皿を狙っている。


「無礼に対する謝罪でコック長に実力発揮をしろと言いました。

思う存分召し上がってください。」


「いただきます!」


「ゆっくり食べろ。」


食卓には俺、ルメナ。

オズワルド親子。

そしてアッシュという男ともう一人。


「あの方は?」


「ハモンドです。アッシュとマエス最強を競う男です。」


ハモンドはしばらく俺たちを見つめ、また食事に熱中する。


「それでこんなに食事までご馳走しながら言いたいことは何ですか?」


「気が短いかたですね。食事からしましょうよ?」


「気になることがあるままたべたら喉が詰まるそうなので。」


「そうですか?では、お話ししましょう。

…このマエスを助けてほしいです。」


いきなり重い主題だな。

すこし驚いた。


「私の治療剤では足りませんでしたか?」


「それよりずっと重要な問題です。」


「聞いてみましょう。」


「ご存知のように勇者パーティーが帰還して1年。

外部の脅威がなくなると、また内部の戦いが起こりました。 戦争です。」


「マエスは平和じゃないですか?」


「今はですね。でもこの国、ベリルスは違います。

国境でずっと緊張感が漂っています。」


「そうなんですか?

ドレンテを通してきたので、そしてマエスは他のところと国境が届いていないのでよくわかりませんでした。」


「ベリルスや周辺国の方ではなかったんですか?

それではどこの出身なのか聞いても?」


「…カラゼンです。」


「ずいぶん遠いところからいらっしゃったんですね。」


「いろいろ事情があるので。

申し訳ないが特に言いたくはないですね。」


この言葉にオズワルドもこれ以上問い詰めない。

自分の話を続ける。


「とにかくうちのベリルスはちょうど中間ぐらいの国力を持っています。

一つの弱点だけ除いて。」


「弱点とは?」


「強力な人材が周辺国より少ないということです。」


「そうですか? ここに二人くらいの実力者がいるのに?」


「アッシュとハモンドは冒険者でいえばA級です。

しかしこの二人にだけ任せることはできないことです。」


急にシリアスになって衝撃的なことを言い出す。


「その麻薬を作ったのは私です。

実は麻薬ではありません。

兵士たちを育てるために作られた強化剤です。


偶然に製法を入手したんですが、問題があったようです。

廃棄をしろと言ったのに、なぜか闇市に流れ込んしまったみたいです。」


「…それを私に話した理由は何ですか?」


「あなたに強化剤の研究をお任せしたいです。

そして、これも。」


そして取り出したのは小さなガラス瓶。

その中には赤い色が残っている。


「ハイポーション…」


「道端で偶然あなたがこれをあげたということを聞きました。」


「私がこれを作ったと思うのですか?」


「初めて見た薬の解毒剤をこんなに早く作る実力なら可能ではないですか?」


ベリーさん、なんのことがあったんですか…

別のポーションとも思えない。

瓶の形が俺があげたあの瓶だから。


「私たちだってこういうものを作りたくないんです。

しかし、勇士を保有する国が2国や近くにあるから安心することはできません。」


「ということは、勇士たちが戦争に参加したということですか?!」


「当たり前じゃないですか。

世界でも一番強い人たちを戦力として使わない国はどこにあるんですか。

とにかく勇士やZ級でなくてもS級でも多くなければならないのにそうでもないです。」


「…」


「マエスの、そしてベリルスの国運のために強化剤の完成とハイポーションの製造をお願いします。」


「ちょっと考えてみます。

ルメナ、ちょっと出てきて。」


「ちょっと!まだパイを食べなかった!」


「後でまた入って食べろ。」


そうやって二人で出てくる。

人がいないのを確認してから話を切り出す。


「これはちょっと戸惑うな。

自分が先に明らかにして出てくるとは。」


「あいつが犯人てこと?」


「ありきたりだ。B級の実力者を思いのままに使える奴が領主くらい以外、他にある?

そして家の高そうな装飾品も隠すの方がいいのに。」


「私はむしろ率直に言ったのが当然だと思うけど?

そんなに証拠を残しては、自分じゃないと言い逃れるのが阿呆だよ。」


「とにかくわざわざ捕まって脱出しながら薬の製造室を調べようとしたのに、手間が減った。」


「そういうことだったの?」


「取りあえず受け入れようかと思うが。」


「すきにやれよ。私もここの食事が気に入ったんだ。」


再び食卓に戻ってくる。


「それでは契約をしましょうか?」


「承諾してぐださるんですか?ありがとうございます!」


「条件さえ聞いてくれるなら。」


「おっしゃってみてください。」


「強化剤成功報酬3000万リデムに、ハイポーション一つ当たり80万リデム。」


「?!」


「なぜ驚くのですか?あなたの愛国心に感動して安く呼んだのです。」


「でもその金額は…」


「ポーションを作るために勉強したら、現在、ハイポーションの価値もお分かりですね?」


「一つ当たり150万リデム…」


「私たちもこの程度が譲れできる限度です。」


「…私たちもしばらくお話がしたいのです。

ちょっと出ていただけますか?」


俺とルメナが出てから、 残りが話す。



「どうするんだ、オズワルド?」


「くだらない錬金術師のくせに生意気な。」


「でも150万の価値を持ったポーションを80万にすれば確かにお買い得です。」


「80万リデムも侮れない金だ。」


「こうしましょう。 むしろ100万を上げる代わりにその製法も公開する契約にしましょう。」


「100万なんて! 何言ってるんだ?!」


「製法と言ったのは聞いてなかったんですか? それだけ知っていれば、あいつらは要りません。

一応製法さえわかればどうにか真似することができます。」


「そういう意味か…!」


「なら成功報酬も上げましょうか?えさはおいしそうなのがいいから。」



「全部聞こえるぞ、あほうどもめ。」



俺たちがまた食堂に戻った。


「条件を少し変えてもいいですか?」


「おっしゃって下さい。」


「成功報酬を5千万でポーションの価格も100万にしましょう。

代わりにハイポーションの製法を公開してください。」


「…難しいお願いですね。」


「どうせ皆さんじゃないと作れないものづくり過程じゃないですか。

製法を教えてくださるからといって解雇することはないでしょう。」


「それでは私も条件をもう一つつけます。

すべての金額は前金で支払ってください。」


「その金額を?!」


「出せない金額ではないでしょう?」

オズワルドが父親や部下たちと視線を交わす。


「…わかりました。」


「いいです。それでは前金を持ってきてくれますか? 契約書も一緒に。」


しばらくして契約書と箱をいくつか持ってくる。


「成功報酬5千万でポーション10個の前金1000万相当の宝物です。」


箱の中にはありとあらゆる宝物が置かれている。


「確かにそのくらいはなりますね。」


「それでは契約を。」


契約書にサインをする。


「それでは明日から作業を始めます。」

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