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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 一章 「魔王と裏切りと復活と復讐」
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1-15 家路  (第一章 完)


『アルスマグナ』


小石が銀色に覆われる。

これが俺の自我のエーテルか。

石に魔力を集中させるが、すぐに銀色が消えて石だけが残っている。


「失敗だな。今日で何回目だ…」


ルメナが身を探してから1ヶ月が過ぎた。

ルメナが今していることは、領域を見回り、自分に従ったモンスターたちに別れを告げること。

一度出掛ければ三日ほど後に帰る。

そして今日で家を出てから4日目。


「失敗したからってひるむな。私も最初はそうだったから。」


「帰ってきた?」


「そう、今日で半分ぐらいは回ったようだよ。」


「ご飯食べた?寒いから中に入って話そうぜ。」


もう天気は冬らしい天気になった。

いつものようにご飯は俺が準備する。


「それでアルスマグナの練習はどうしているの?」


「とりあえず1日に1回石を鋼鉄で作っているんだけど、まだ成功したことがない。」


「そうだね。お前より天才な私にも結構長い時間が必要だったんだから。」


「やっぱり3カ月では無理か。」


「明日は私も家で一日休むから一度見せて。」



翌日になってルメナと一緒に修練場に行く。


「こんな空き地でやってたんだ。」


「最初にアルスマグナをした時、魔力制御に失敗して魔力弾があちこちに飛び散ってからはここでしかやってない。」


「一応1ヶ月間の修行成果を要約して言ってよ。」


「さっき言った魔力制御はある程度ピンときた。

魔力量も君との魔力融合のおかげで大丈夫。

石ころも鉄鉱石が埋め込まれている石を使っている。

そして…


……

何が問題なんだ?」


「…1ヶ月でそこまでできるんだと?」


「そうだけど?」


「私がその程度になるまで時間がどれだけ…

私の威厳が…」


「ルメナ?」


「うん?ああ、それじゃ問題点はただ一つだけ。君の想像。」


「ただ鋼鉄を考えるだけでは足りないのかな?」


「おそらくもう一つのことも問題。」


「?」


「お前はアルスマグナをするたび、私の体を練成した時の経験を活かしているよね?」


「そう。貴重な経験だったから。」


「それが問題。」


「え?」


「アルスマグナは想像を具現する魔法だと何度言うの?

君があの時の経験を思い出すことだけでも、もう君は石ころで私を練成していたのよ。」


「そういうことだったんだ…!」


「だから当然魔力はもっととてつもなく必要だし、制御もはるかに高い水準でなければならない。

慣れればある程度は他の考えをしてもいいけど、お前はまだそのレベルではねだろよ。」


「…助けてください。先生。」


「私が手伝うからこれで一度やってみて。」


ルメナが俺に投げたのは黄金。


「純金だよ。これを白金にしてみろよ。」


なるほど。

純金と白金は全く別の金属とはいえ、色と硬度を除くとかなり性質が同じで、似たような構造をしている。

延性とか、反応性とか、稠密さとか。


「既にあるものを実現する時、最もよく似た素材を使えろ。」

黄金を握る。


「アルスマグナを詠唱した後は白金についてしか考ええなさい。

私の時の経験は体の感覚で探すしかない。」


「曖昧な言葉だな。」


「だから言ったんじゃない。

直接やりながら学んでいくしかないって。

それでは準備。」


ディアブロズレンディングを開始し、黄金を手に取り、魔力を引き上げて、白金の性質を思い出す…


「今だ。始めろ。」


『アルスマグナ』


金よりもっと堅く。

銀よりもっと白く。

しかし、どんなものにあっても変わらない孤高さをそのまま。

魔力で包み込もう。


瞬間、手で爆発が起き、後ろに飛んでしまう。


「ちくしょう、また失敗か!」


「お前がここに来て自分の目でみろよ。」


そこにはまだ太陽の光のような黄金がある。

だが、


「これは…」


「分かった?」


黄金色の半分は消えて、月明りのような光沢が金の半分を占めている。


「完璧ではないけど一応変換は成功させたから合格点かな。

おめでとう、初の錬『金』術。」


これまで黄金も白金も直接作る錬金術は知られていなかった。

しかし、今俺が成功させたのだ。


「何か感動だね。」


「その気持ち、私もよく分かる。

これから慣れるともっと少ない魔力でももっと多く、何度も作れるようになるはずよ。」


「お前はどのくらいなんだ?」


「私一人で最大限なら私の家全体を黄金にできるよ。」


「…俺はいつそうなれるんだ?」


「お前も十分天才なのよ。

多分人間界に出発する頃には家は無理でも門一つは変えてしまうことができるかもしれないね。」


少しいらいらする。

果たして、いつには世の中にない物質を作ることができるのだろうか。


「君の努力次第よ。」

ルメナが俺の考えを読んだように話す。


「絶対急がないで。すでに試せる魔力は十分だから。

つまり、経験さえ積めばいいということさ。」


家に帰っていつものような夕方を過ごしたが、なかなか寝付けない。

これは嬉しいからか絶望したからか。

遅い夜になってやっと眠りにつく。



……

…………

まだ一ヶ月後



「どう?」


「本当に扉を変えてしまえというのではなかった…」


戸が黄金色に輝いている。


「このぼんくらが!」


「うっ!」


ルメナが俺の腹にパンチを放ってから、アルスマグナで再び木の扉に変えてしまう。

もったいないな…


「これじゃ眠たくても眩しくて眠れない。

むだに魔力だけ使うことになったじゃん。」


「お前がそんなこと言うから挑戦してみたかったんだ。」


「…半分冗談で言ったのに1ヶ月でこんなに成長するなんて。

アルスマグナのセンスが確かに私より良い。」


「お前がほめるのは久しぶりだな。」


「お前だからほめてあげたのよ。

他のやつならもっと成長する前に押しつぶしてしまうかも。ただ…」


「?」


「表だけ金に変わって、中は木のままだね。」


「ばれたか…」




そしてその夜、ルメナが先に話をする。


「明日から一番大事な仕事に行くんだ。」


「なんだ?」


「他の魔王級の奴らに辞めるって言いに行く。」


「魔王級…?」


「全員が怪物なんだ。

私より弱いやつらもいるけど、私さえ手に余ると思うやつらもいる。

級と言った理由は自分で魔王を称する奴もいるけど、そうではない奴もいるからよ。」


こいつが手に余るという話を持ち出すなんて。

一体どんな存在だ。


「私が魔王として知られたのは人間界に近いところに住んでいるからだけよ。

強さでは私は中間くらいかな?

それにしてもお前の思う世界を支配するというまぬけな奴らは一人もいない。

なぜなら、そんなことをしては他の奴らがあいつをつぶしてしまうから。」


「まさかそれが魔界で人間界に侵攻しない理由?」


「そんなわけさ。

そして領域が広いからって強いやつらでもない。

私の領域は魔界全体の11%くらいかな?


ちなみに私の領域は人間界の西だけよ。

人間界の北は他の奴の領域だ。

そちらは山脈のため、何か試みることも大変だが。」


「多い方か?」


「魔王たちの中で2位」


「すごいね…」


「面倒だから私に任せたんだ。

強いやつらほどそんな傾向が強い。」



「じゃあお前はどうやって人間界を侵攻したんだ?」


「許可をもらったんだ。必ず手に入れたいものがあるんだと。

代わりにすべての責任を私が負うという条件だった。


これもまた私が君たちに情報をわざと漏らした理由よ。

そうしなければ全員が飛びついて私を打ち砕いただろうから。

私の最後は勇士との決闘で終わらせたかったんだ。


とにかくあいつらの中には、いろいろな理由で、私を放してくれないやつらもいるはずよ。

強い者は私の領域を管理するのが面倒だから、弱い者は私の領域を欲しがって交渉しようとする。」


「そうなると、けんかするのか?」


「その程度でけんかしたら損だよ。

しかし、ある程度の覚悟はしていくつもりだ。

私を除いて11人。全部と談判をしなければならない。」


「…無事に帰って来い。」


「心配しないの?」


「お前のことだろ? 戻らないわけがない。

もし死んでも、何十年かかってもアルスマグナで生かして一緒に帰るから心配するな。」


「自信も度が過ぎると病気だよ。」


そうして翌日、ルメナは去っていった。

すでに天気は完全な冬だ。



……


……



そのようにしてまた一ヶ月が過ぎてから、ルメナは帰ってきた。


「ただいま。私帰ってきたよ。」


「...無事に帰ってきたんだ!」


「心配しないと言ったの、やっぱり嘘だったね。」



「何の問題もなかった?」


「2カ所が問題だった。私の領地についている二人。

二人とも私の区域を望んでいたよ。

あげる代わりに領地管理をしっかりしなければ殺してしまうと言ってしまった。」


「どう解決したんだ?」


「1カ所は私より弱いやつだから、ただ脅したら円満に解決したんだ。」


「そんなことは円満とは呼ばれない。」


「もう一人は私と同じくらい強いやつだけど、私が見栄を張ったんだ。」


「?」


ルメナがムカつくな笑みを浮かべる。

何だあれ。


「私の力に匹敵する部下を迎え入れたから、自信があればかかってこいと言った。

その証拠に私が体を取り戻したことを言ったらあきらめたの。」


「…部下?」


「私の忠実な部下クリスよ。

お腹がすいたから夕飯を作れなさい。」


そのまま台所に行く。


「何だよ、すねた?

何をその程度ですねているのよ。」


「…夕ご飯はもう作っておいた。」


「うおっ!やっぱり気が利くんだね。」


「久しぶりに君の料理の腕点検をしてみようか?」


「?」


『ワープ』


そのまま夕ご飯を持って消えてしまう。

ルメナがあっという間にパニックに陥る。


「冗談でしょ?!近くにあるんでしょ?!」



「誰か助けてくれ!」


俺が自分の分だけ食べてルメナの分を持って再び家にワープしたときはもう…

ルメナは自分の料理にもう気を失っていた。


考えてみたら人間の姿では初めて作ったんだな?

こいつを一気に倒す威力という点で好奇心はわくが、俺も気絶することはいけない。


そうやって全てのことを終わらせて15日が過ぎた。




今日は1129年2月12日


「全部取りまとめたの?」


「そう。お弁当は?」


「作り終わった。 フフ、今日こそ君が私を認めるようになるよ。」


「ただパンのなかに材料だけ入れるのだから大丈夫よな。たぶん…」


「おい!それは何で捨てるのよ?!」


「これから収納魔法を使うことがあふれている。

思い切って捨てるものは捨てろ。」


収納魔法は便利だが、魔力量によって空間の大きさと保管可能な時間が決まる。

俺とルメナくらいならこの家まるごとに移すこともできるが、いつ空間が必要になるか分からない。


全ての準備を終えて外に出ると雪が降っている。

ルメナは家を眺める。


「まだ未練が残ってる?」


「リッチに変わって、魔王になってから100年以上を過ごした場所よ…」


「…」


「これで終わりにしよう。」


そして玄関の前に立て札を作る。



『ルメナの家』



「行こうよ。」


ルメナの言葉とともに、俺は荷物から小さな鉄の鍵を取り出した。

深呼吸して…


『アルスマグナ』


「…俺も準備できた。 出発しようぜ。」


そうして家を後にして二人の旅が始まった。

雪道に足跡がつくられる。



そして俺の手には完璧な黄金色に輝く鍵が握られている。






「お弁当はお前に任せろと言われて頼んだら、作ったものが超まずいなこのサンドイッチかよ?!」


「あれっ、何が間違ってったけ?カサ実の汁が問題だったけ?

それともお肉に塩を使いすぎたのかな?」


少なくとも1カ月間はかなり険しい旅になるかもしれない。




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