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ほらふきのイデア  作者: カナマナマ
第 一章 「魔王と裏切りと復活と復讐」
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1-14 めでたし

一体、何度を気絶させば神様ってやつは満足するんだ…



目を開く。

さっきの天井のようなところだ。

ここでルメナの体を作るためにアルスマグナをしたが仕事がうまくいかなくて最後には…

ルメナはどうなった?!


と考え、体を起こそうとすると、頭にふかふかの感触が感じられる。

何だこれ、スライム?


手を当たってみる。

違う。スライムの感触ではない。

これはまるで人の…


「起きて一番最初にするのが人の脚をいじることだなんて、この変態。」


もう少し仰向けになったら女の子がいる。

赤目に赤髪の子。

年は14…いや15か?

きれいな顔をしている。


「あの、なんでもいいからちょっと言えば?」


「…誰ですか?」


女の子が笑う。

そして頭にチョップ!


「わあっ!」


「これなら分かるでしょ?」


見慣れたことだ。

いつも腹が立つと俺の傷にこうなので困ったんだ。


「…ルメナ?」


「この姿では初めてだからまたあいさつしようか?ルメナ·エルナスよ。」


身を起こして見たそこには、俺が知っている人形と同じ声の少女がいる。


「何だ。何をそんなに…

いやっ!頬つねるな!」


「夢か確かめようと…」


「お前のでやれ!

次もこうすればお前の股間をつねってやるぞ!」


「……」


「何だよ…?」


何も言わずに女の子を抱いてあげる。

ルメナも抱かれてくる。


「その下品な言い方…ルメナだな…」


「また一発殴られたい…」


「……」


「…そう、私よ。」


「よかった、本当によかった…」


「恥ずかしいからもうやめて。」

じっとルメナを抱いている。


「……ねぇ、私がなんで勇者パーティーと けんかしたのかわかる?」


「いきなり何んだ?」


「いいから。」


「そりゃ俺たちが襲いかかってきたから魔王として…」


「お前は私と半年を居ながら、私の性格も知らないの?

よけいなことは絶対しない性格。

その時に押して君たちと喧嘩しないで逃げても大丈夫だった。」


「そしたら追撃がくるからそこで…」


「私がその気になればお前たちが私を見つけられると思う?」



「…そう言っても負けたくせに」


「…私が錬金術の薬まで使ったら!」


「とにかく負けただろ。」


「私が体さえ完全だったら!」


「負けたじゃん。」


「.....」


「おまえ、泣いてる…?!」


「泣いてるって誰が泣いてるよ!」


「まさか、人形だった時も実は口喧嘩の度にこんなに…」


言い出す前に腹にパンチを食らって倒れた。


「とにかく!あの時逃げなかった理由は疲れたからよ。」


「...?」


「人間界侵攻で持って来たアイテムでも力不足だったから。

それで絶望に陥っていたのよ。

錬金術の研究も全部やめてた。」


「そうだった?」


「そんな中で私を倒すための勇者パーティーの噂を聞いたのよ。

そして、私の居場所についての噂をわざと広めたの。」


「それで素直に、モンスターたちが情報を語ってたか。」


おかしいだとは思っていた。

モンスターたちを尋問する前に、魔王の居場所のヒントを教えてあげたから。



ルメナの方から俺を抱きしめる。


「実はすべてをあきらめて死にたかった。

だからここで戦ったんだ。

何も未練なく消してしまうように。


それでも足りなくてメテオで跡形もなく消してしまおうとしたのに。

でも自分の目の前で魔力融合を見てしまった瞬間、生きたくなったみたい。

ここも破壊されなかったし、希望を見たのよ。

知らずのうちに、すでに人形に魂が移っていたの。


ルメナが涙を流す。


「あまりにも寂しくてつらいな日々だったよ…

一人で200年という時間を人間じゃないまま生きるのはそういうことだったの…

君を救ってたのは私だけど、私を救ってくれたのは、クリス、君だよ。」



俺の胸に顔をうずめて小さくささやく。



「ありがとう…」



俺はルメナの頭を撫でてあげる。



しばらくして落ち着いたルメナがまた質問する。


「それでこれからどうするつもりよ?」


「俺?そうだな。そういう君は?」


「もちろん、君について行くつもりよ。

200年もこんなところで暮らしていたんだって。

今の時代を楽しむためには案内役が必要だということね。

この時代の食べ物が楽しみだな。」


「…お前さ」


「もちろん君を助けながらね。そういう契約でしょ?」


「俺を助ける考えならその料理の腕からどうしてみろ。」


「心配するな。今日こそ私のほんきを見せてやるから。」


「不安だ…」


「それでは契約の話をまたしてみる。

私の体を取り戻してくれた値段はどう払えばいいの?」



…これからしたいことか。

単にその3人に対する復讐なら簡単だが、デレクやローレンの話をかんがえば、おそらく復讐の対象は果てがない。

そして復讐だけではない。


二度とこんなことは経験したくない。

また、ここでの半年間が幼い頃の夢を思い出させてくれた。


結局やりたいことは…


「誰もが笑える平和な、そして幸せな世界を作ること。」


「ププ」


「…笑った?」


「自分で考えてもちょっとあれじゃない?子供の夢みたいな話でしょよ。」


「そうだな。確かに面白い話だ。」


「でももう契約したから私はお前に付いて行って、お前がしようとするのを手伝ってあげるよ。」


「ありがとう…」


「と言いたいけど!」


「何だ…?!まさか、てめえ、逃げるつもりか?!」


「違うよ。私は負けと失敗は苦手だから、これからの計画を私に言ってくれ。」


「あ、計画…」


「君が望むことは計画なしに叶えることではない。

確実な計画をたてるまで私はここから離れないよ。」


「今言ってあげればいい?」


「そうだよ…1年でも10年でも今でも…?今?!」


「ベッドで半年間、横になっていたから計画をたてる時間は十分だったからさ。」


「それで何の計画なんだよ?」



ルメナとの戦闘と仲間の裏切りで知ったことがある。


まず、力は結局他の力によって崩れる。

パーティーの誰よりもルメナは強かった。

しかし、俺たちが勝利した。


力は必ずより強い力に出会う。

したがって、武力だけでは危険負担が大きい。

武力ではなく他の力がともに必要だ。


第二に、力で人を従わせることはできない。

確かに俺はパーティー内でも最強を自負するだけの力を持っていたが、ブリンは毎度けんかを売ってきたし、エリーゼに罵倒されて、最後には裏切られた。


ルメナとの仕事も同じだ。

ルメナが力で俺を操縦していたら、果たしてうまくいっただろうか。

力では命令することはできるが、俺を従わせるようにすることはできない。


最後に、人は利益のために動く。

ジェラードはよく知らないが、デレクとローレンは自分の利益のために同僚を捨てた。

世界全体が利益を優先するわけではないが、大部分はそうであり、その大部分が世界を動かしている。


この三つの事実で出た答えは…



「俺はこの世界を金で動かして変えていく」



「お金…?」

ルメナが驚くように問う。



『お金』



「お金には世の中の何よりも強力な魔法が込められている。

人間の欲望を支配し、操る魔法。


戦争、不正腐敗、奴隷制のような俺が見てきた見苦しいものはすべてお金のために起きたことだった。

なら俺がそのお金の支配者になって世界を動かす。


魔法は使い方次第だ。

火炎魔法が誰かを傷つけることはできるが、誰かを温めることもできる。

戦争やそういうものは、単に魔法を悪く使っただけ。

俺がお金の魔法を正しく使う。


あくまでお金の支配者として、お金を動かし人を支配せずに導く存在として世界を変える。」


俺の計画を聞いたルメナが笑う。


「やっぱりお前は面白い!

私が思った計画よりはるかに面白そうだね。」


「お前の計画?」


「よし!これから『ルメナ·エルナス』は君のために動く。」


「それはありがたいけど、お前も計画があったの?言ってみろよ。」


「君が私の次『魔王』になって人間界を侵攻するのよ。」


「…もう疲れた。」


「どう?私の計画もなかなか面白そうじゃない?」


「こんな人が錬金術史上最高の天才と呼ばれたなんて…」


「冗談よ、冗談。

思えば私も魔王としての仕事を整理すべきだな」


「放任主義じゃなかった?

これからもそのままにしておけばいいんじゃない?」


「そっちの仕事もあるけど他の仕事もあるんだよ。」


「魔王の時より魔王をやめるための仕事が多いなんて、どんな職業なんだ…」


「とにかくいろいろあるってことは知っておいて。

仕事が始まれば説明してあげるから。」


「まだ俺のことが信じられないの?」


「そうじゃなくて私も成功が曖昧な事なのでさ。

余計な心配かけたくない。


とにかく魔王として最後の命令は『人間界に侵攻せず自分を守るためだけに戦うこと』。」

これまでは大きな騒ぎさえ起こさなければ勝手にさせておく放任主義だったが、

これからはしっかりさせておかないと。」


「お前、それ…」


「一つは君の計画から変数をなくすためで、もう一つはどうも私もこいつらに情がわいてしまって。

君たちを巻き込んで戦わせた私が言うことではないけど…」

こいつらはもう死なないでほしい。」


そう言うルメナは少し寂しそうに見える。


「魔族も魔物も人間みたいに感情がある。

いつかこいつらと人間も仲良くなるといいな。」


「ならそうすればいいんだ。」


「それができると思う?」


「俺の仕事もそういうことだろ?」


「....」


「目標がもう一つ増えたな。」



そしてルメナの家に戻った。


「うっ、人形の時は知らなかったけど、においが半端ない!」


「俺はこのにおいを半年も我慢したんだ。

お前もちょっとやられてみろよ。」


夕食の支度をする。

ルメナがじぶんがやると言ったが、特別な日だから俺がやると言った。

特別な日を不味い料理で台無しにしたら最悪だから。


「で、これからの詳細な計画は?」


「とりあえず私が魔王での仕事を終えてここを片付ける時間も必要だから出発は3カ月後かな。」


「俺が倒れていた日が20日くらいで、特別なことがなければ人間界まで歩いていくなら少なくとも1カ月くらいは時間がかかる。

結局1年を満たして帰るんだな。

どうせすぐ人間界に戻るつもりはなかったけどさ。」


「ふむ?なんで?」


「俺の計画のためには必ず『アルスマグナ』を俺一人でも使かうようにしなければならないから。」


「それなら今でもできるよ。」


「?」


「魔力融合してたでしょ。

魔力融合後は魔力の容量が大きく増える。

いわば伸ばしたゴムが元に戻らないという原理かな。」


「それなら俺はもうお前と以前オフィーリアともやってただろ。

でも特に感じなかったんだけど?」


「そりゃお前がけがをしたから。

もう君は私との戦闘の時よりはるかに強くなっていたの。

今度のことでもう一度強くなったはずよ。」


「そうなら今」


「やるのはよせ。

今日そんなに魔力を使ってまた使うと死ぬぞ。

さっき気絶したやつが無謀なことすんな。」


「お前にだけは言われたくない。」


「とにかくしばらくの間は席をはずすからね。

その間よく練習しておけ。」


「君が教えてくれるんじゃない?」


「テラオンの手記を見ながら自分でやってみて。

『アルスマグナ』は誰が教えてくれたって簡単にできる魔法じゃない。」


「まあ、お前も一人でやってきたから。」


「たまに忠告はしてやるけどよ、結局お前一人でやり遂げなければならない。

君の想像を具現させることだから。」


「そうだな。ご飯作り終わったよ。」


この家に初めて二つの椅子が掛かった。

スープと鳥の塩焼きぐらいだが、味には自信がある。


「…おいしい!」


「誰かのおかげで死なないために料理の腕が必要だったから。」


「いつもなら足を踏んでやるけど、今日は許してやるよ。」


本当によく食べるね。

200年ぶりの味はどんな感じかな。

食事が終わって疲れが出る。


「ごちそうさまでした。

早く寝ようか。」


「私はもう少しして寝たいんだけど。

体を取り戻した初夜がこんなふうに過ぎるのはもったいない。」


「結婚したばかりの花嫁でもないし…」


そういえば今日からこいつと一緒に寝るのかよ…

身を取り戻したルメナ。

また見てもきれいな。

体つきもいいし。

胸はまあまあだが。



…?!



「どうしたの?」


「いや、何も。」


「じゃ、ちょっと出かけてくるから先に寝て。」


「…危ない」


一瞬、オフィーリアとの悪夢のような事件が思い出される。

なぜか勇者パーティーの時の初日が思い浮かぶ夜だ。


翌日、目が覚めるとルメナはいなかったし、朝食の準備が終わって帰ってくる。


「ちょうどいいときに帰って来たね。

何して来たんだ?」


「ただ散歩してきただけなのにお前は何で目の下がそうなんだ?

襲撃でもあった?」


「お前のせいじゃねか。」


「私の心配でもした?

私が誰にやられる人だと思う?

余計な心配はするな。」


「…その方がよっぽどマシだ。」


朝ごはんを食べてすぐルメナが旅立つ支度をする。


「じゃ行ってくるよ」


「いってらっしゃい。」


詳しくは問わなかったが、ルメナの言葉ではいろいろな所を行かなければならないという。

俺は自分のすべきことをしようか。

テラオンの手記を開く。

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