1-10 昔の話し
「どこから話せばいいかな。
一応俺も名前からちゃんと言うようにしよう。
俺の名前は『クリス·レバント』。
よろしく。
人生といってもさ、200年近く生きてきた君の半分の半分にもならない。
まだ20歳を過ぎたばかりの若造だから。
でも、短い人生で本当にたくさんのことがあった。
とりあえず生まれた時から始めようか。
出身国はカラゼン。
200年前はどうだったか分からないけど、今は弱小国に分類される国だよね。
そこで両親が錬金術師な貧しい家で生まれた。
…?
錬金術師がどうして貧乏なのかと?
どこでも優待される存在じゃないって?
やっぱり200年の歳月は長い時間だな。
ちゃんと説明してやるよ。
人間界での戦争が続くにつれ,連鎖的な理由により錬金術師の居場所がなくなってしまったのさ。
まず、戦争によって素材の供給と運搬と需要に非常に大きな問題が発生してしまった。
結果的に魔法と一般医学の効率性に勝てなくなってしまったんだよ。
例えば大きな傷がついたらハイポーション級の回復ポーションを使かわなきゃいけない。
しかし、ハイポーションの材料を手に入れることが難しくなって、その場を他のものが代替するようになったんだ。
もちろん、ポーションがあるならそれを使うほうがいいが、手に入らない状況になってしまったから。
それによって次第に人々は錬金術から遠ざかっていった。
自分たちを必要とする人たちがいないから、錬金術師たちもだんだん消えていったぞ。
このためますます錬金術の発展は止まるようになり、これもまた錬金術没落の理由になった。
誰も探さず、発展が消え、代替できる技術。
それが現在の錬金術に対する世間の認識さ。
まあ、だからと言って飢えてはいない。
そんな現実の中でも『錬金術師』という看板を掲げて生きていくことができるという点で、両親の実力はすごかった。
それにもかかわらず貧しかった理由は高級ポーションをあまりにも安い値段で売ったから。
現在高級ポーションはものすごい価値を持っている。
錬金術の没落とは別に、その結果物自体の有用さは依然としてあったから。
回復術師や医者がいつもついているわけでもないし、回復に使う魔力で他の魔法が使えるし。
安く売った理由は簡単なことよ。
バカみたいなほど優しい方々だから。
人の生命を価値で測るなということよ。
そんな両親は周りの人に尊敬されていたぞ。
そんな姿を見て育ったから、錬金術に憧れたし、精一杯に勉強した。
いつか俺も両親のように人を笑わせてあげたいという子供の夢だったのさ。
でもそんな考えはやはり子供の夢にすぎなかった。
10歳の時に両親の勧めで国立魔法学院に入った。
カラゼンは弱小国だけど、魔法分野だけは伝統の強国だよ。
とにかくそこでたくさんのことを学びなさいと言われたし、俺もそれがほしかった。
そのように新しい魔法と人々に期待を抱いて入学した。
しかし、その期待は入学とともに壊れたよ。
村と違ってそこには錬金術師のための場所はなかった。
錬金術師という理由だけであらゆる笑いものにされた。
幼い年には大きな傷だったけど、だからみんなに認められたかったよ。
それで選んだ方法が初試験で優秀な成績を出すことで、そこで首席を取った。
でも、これさえも子供の夢だった。
ますます敵は多くなった。
目の上のこぶになったんだよ。
名門家の子弟と期待の星たちをすべて踏みにじった平民出身の錬金術師が。
その時から人が変わり始めた。
もう理想と夢に縛られないようになったぞ。
自分を守るために規則や合理的な判断に基づく癖がついた。
しかし道を外れてはいなかった。
そんな日々でも一緒に過ごす友達はできたから。
俺のような錬金術師の家の子、ただ俺が興味深かった子、勉強を教えてほしいと言っていた子まで…
そのように残酷な現実を味わい、それに抵抗して順応する方法を身につけていった。
1年間の成績で学年トップになり、3年目に先輩たちを追い抜いて塾の代表学生になった。
それだけでも俺を見下す声を抑えることができたよ。
自分を阻む目の敵と考えるには、すでに別次元に立っているから。
自分の自慢時間じゃないって?
別にそんなつもりじゃなかったんだけどさ。
とにかくその後また3年間の勉強を終えて卒業。
15歳で最年少国家魔法士に任用されたよ。
もう一度もしかしたらという気持ちで期待を持ったが、やはりだった。
弱小国になった理由は、腐ってしまった政治の問題。
ありとあらゆる不正腐敗はすべて起こっていた状況だった。
また俺は学院の時のように抵抗したよ。
誰も無視できない人になるために。
ところがそうなる前に事が台無しになった。
1年で国に失望し、仕事を辞めようかと考えていた矢先に、俺は国境に飛ばされた。
悔しい気持ちもなかったよ。
ただ虚しいさばかり。
そして、あんなに追い出された所でまた希望を得るとは思わなかった。
小さな領地だったよ。
しかし、王道とは違い、すべての人に笑いが存在した。
領主は能力があって慈しみ深い人だったよ。
それだけでも領地は恵まれた地になったんだ。
たった一人によってこんなにも変わることができるということを直接目で見た瞬間、また胸がどきどきし始めた。
俺が領主のようになって国を変えることができるという希望を見たの。
領主は政治的に困難な状況だった俺を助けてくれた。
俺も領主を熱心に補佐した。
そのおかげで再び1年ぶりに王都に帰還した。
そして3年間、領主から学んだ生き残る方法で国家最高位の魔法使いに公認された。
俺の志を広げようとした頃に事件が起こった。
魔王の侵略。
…反省の気持ちなんてないんだね、お前。
せめて俺に謝罪として、も一言くらいは言ったらどうだ?
…やめよう。
そして勇士パーティーに選ばれることになってここまで来ることになった。
初めて会った時は気まずかったな。
接点などみじんもなかったから。
だから、細かいなことでもよく喧嘩したんだ。
でも、お互いの背を守り合いながら、だんだんパーティーになっていった。
そしてカラゼンを離れたことのない俺が他の所を旅行しながら知り合ったことも多かった。
世の中が広いということをその時になって知ったんだ。
そして初めて実戦らしい実戦で かなり色んなことを学んだ。
ここまでの道のりが俺の人生で最も充実した時間だった。
…
……
だが信じていた人たちに裏切られた。
もう何が何だか分からない。
俺はただ正しいことをしたかっただけなのに、いつも邪魔が入ってくる。
正直に言って疲れた。
もう人を信じるのができるかな?
これからではなく今まで信じていたことも信じるのができるかな?
もう本当に分からないよ…」
俺の話しは終わった。
ルメナが沈黙を破る。
「よく分かった、お前の人生。
お前もなかなかつらい人生を過ごしたね。
で、 現在お前が望むのは何だよ?」
も一度思ってみる。
しかし、明確なことが思い浮かばない。
「よくは分からない。今言った通りに疲れたんた。
何と言えばいいか分からない。」
「いますぐにでも復讐がしたいと言うと見たのに、意外だね。」
「復讐したくないと言えば嘘だろうな。
しかし、それだけで終わりかな?
二度とこんなことが起こらないと言えるかな?
結局世の中が変わらなければならないのに、それは無理だろ?」
「それくらいなら十分だ。次の話をしようか。」
「お前、俺の話聞いた?」
「結局、復讐もしたいし、こういう状況を作った世界もまた作りたいということじゃない?
でも君にそんな力がないってことだろ?
その程度なら十分よ。
さっきはお互い助け合おうと言ったけど、私も君が裏切ったらどうしようという考えがないのはなかった。
しかし、君が望むことを成し遂げるためには、必ず私が必要なんだ。
つまり君は私を裏切れないということよ。」
「裏切られてこの様になった人に何を言っているんだ…」
「ごめん、ごめん。でも、そのくらいお互いを信じなきゃいけないからだよ。」
「なら、私の話を再開するよ。
この人形、どう作ったと思う?」
突拍子もない質問だが、誠実に答えてあげよう。
「やっぱり特殊な物質を使ったんだろう。魂を込めるなんてそんなこと聞いたこともない。」
「その特殊な物質を私はどうやって手に入れたと思う?」
「俺も知らない魂を込める物質なら自分で作ったとか?」
「正解。 ならそんなものをどう作ったと思う?」
「知らん。謎でもしたいのかよ?」
「怒るな。この謎の答えが核心だから。」
「魔族の錬金術にはそういう種類の錬金術もあるとか。」
「正解は私が魔法で練成したってこと。」
そして、俺の運命はもちろん、世の中のすべての運命を変える言を出す。
その魔法の名は…
『アルスマグナ』




