誕生日プレゼント
あれから5年程がたった。その間モンスターが村に攻めてくることもなく、結構退屈だった。
モンスターがいなくなったのは俺が森のモンスターの親玉だったらしいマザーベアを倒したからみたいだ。
そして今6歳ほどになるが家の手伝いなんかも結構やらされたりもしている。
畑の草抜きや水あげなんかが主だ。
時々森に行って独りで狩りをすることもあるが弱い魔物ばかりなのであまり特訓にもならない。
村には子供も多く、一緒に遊ぶこともあるが剣などは持ったことがないみたいなのでチャンバラなんかも出来ないだろう。
よく遊ぶのが隣の家のラゼルとロウだ。
ラゼルは女の子でロウは男の子だ。お母さんたちの仲が良かったのでよく家で食事なんかもする。
あと、聞いた話だが、15歳になればみんな成人式があって職につけるようになるらしい。街の方に行けば冒険者なんかにもなれるって聞いたことがあるから成人したら行こうかなと思う。
そして、今日は母の誕生日なのだが、どうしようか、お肉がいいかな。
と、思い切って森の奥の方に来てみたのはいいものの、やはり異常な程に魔物が少ない。
少しすると小さな洞窟があった。
《猫の目》
これは暗い所でも見えるようにする魔法だ。炎や光なんかを使うと相手に自分がいると伝えているようなものなので俺はよくこの魔法を使う。
中に入ると、狭い入口から少しづつ空間が広くなってきてるように思える。
《空間認識》
これは大群だな。50匹はいる。これはエインシェントスパイダーだな。
古代の毒っていうすごい毒の持ち主だ。でも、古代系の魔物がいるってことは古代のルーンが刻まれた物体がこの近くにあるってことだ。
古代系の魔物は古代のルーンの周りでしか生きていけないからな。
だから、周りにいる魔物を殺すよりルーンを壊した方がいい。
《テレポーテーション》
そんでー壊す!
あ、オーバーキルだったなw
跡形もなく壊しちゃったよ。
ここの洞窟にも魔物がいなくなったところだし、何かいい宝石でもないか見てみるか。
魔物から出て来たエインシェントコアを拾いながら空間のなかを1周してみるが何も無いみたいだ。
お肉のために来たことを思い出し外に出ると、もう1回空間認識してみる。
弱い魔物はいるものの強くて美味しそうなのはここら辺には居ないみたいだな。
もうすこし奥に行ってみるかな。
前世によく使っていたドラゴンウィングを使って飛び、もっと奥を目指す。
山の方まで飛んでいくと結構デカ目の魔物が空間認識に飛び込んできたのでそっちを目指す。
近ずいて見ると白龍だった。
なんであんなやつがこんな所に。
速攻でテレポートして首をチョンパしちゃったよ。塔にいた白龍とは比べ物にならないくらい弱かった。
次元圧縮、ものにいうアイテムボックスに龍の死体を突っ込みテレポートで一瞬にして家に帰った。
テレポートの原理だけど、1度行ったことがある場所とはっきりと空間認識した場所にだけ行ける俺だったら連続で使うこともできるけど普通の人は1回使えるか使えないかくらいかな。といってもテレポートの正確な使い方を知ってればの話だけど。
それはさておき今回俺が狩ってきた白龍だ、まずはアイテムボックスの中で1回解体する。白龍だから結構高値で売れるだろうが村の方で買い取ってもらうわけにもいかないので1回お肉以外はアイテムボックスの中で眠っててもらう。白龍はドラゴンってゆうよりも龍よりだったので結構大きめだ。ドラゴンでも大きいけどね。
まぁ、とゆうことでドラゴンの肉を1%程と甲羅を一欠片だけとって袋の中に入れてプレゼントの出来上がりだ。血抜きはちゃんとできてるので心配ない。
「お母さんただいまぁー」
「おかえりロゼ、どこいってたの〜?」
「ちょっとねー」
さすがに龍倒してたとは言えない
「お母さん今日誕生日でしょ?」
「覚えててくれてたのね、そうよ。」
「プレゼントあげる〜」
「プレゼント?これ?ありがとう!」
お母さんに袋を渡した。
「何が入ってるのかなぁー」
「...」
「ロゼ?これなんのお肉...?」
「龍だヨ!」
「...」
「待って待ってお母さん倒れないで!」
「...どこから持ってきたの?」
「たお、、貰ったんだよね。」
「誰から?」
「...」
そんな感じで詮索が30分程続いたが最終的には喜んでくれて甲羅も一生の宝にすると言っていた。
そういう感じで今日はステーキだ。それも龍の、
あ、お父さんも驚いてたよ。うん、倒れはしなかったけどね。
「いっただっきまぁーーーす!」
家族みんなで泣きながら食べたよ。美味しすぎてね。
白龍倒しちゃいましたねw
この後白龍の被害が減ったのはロゼも知らないところの話です。