塔の頂上
門、童話に出てきそうなその立たずまいはどっしりと大きくそれでいて細かいところにまで綺麗な装飾が施されている。木目に目をやると少しばかり光っているように見え、辺りをほんのりと照らしている。
開く、少しづつ音を立てたがら中の光がこちら側の闇を押しやり私を中えと誘ってくる。
1歩、その1歩で気づく。
私は永きを費やしここまで来れたのだと、思い出に浸りながらまた1歩、1歩とその奥をめざし進む。
長い間忘れていたことも思い出せたような気がする、初めて剣を持ち戦った日、初めての仲間、初めて体験した死の局面。
色々なことがあった。今はもう1人、ただの老いぼれだ。
ここを登り始めた頃は多くの仲間がいた。ライバルと呼べるようなやつもいた。飯なんかのことで喧嘩したり、時にはしょうもないことで笑ったりもした。
死んだやつも、諦めたヤツも、よく覚えている。
でも最後まで来れたのは私だけだった。
責めたこともあった、自分を世界を。だけど何も変わらなかった。
変わらないのだから進むしかない。ここを登り始めた時に自分に誓ったのだから。
ここを登りきるまでは振り向かないと。
そして今日果たされた、それに嬉しくない訳では無いが、なんだろう。信じられないのだ。今までずっと手を伸ばしても届かないようなところにあったところに今いる。その現実に。
そんなことを考えながら歩いていると一筋の綺麗な声がこの空間に響いた。
『ロゼ、』
ロゼ、それは私の名前だ。そしてこの声の主は...
『まず初めに塔の制覇おめでとう。そして、わかると思うがわたしはライリファラン、塔の管理者だ。』
ああ、よくわかるさ、何度も何度もこの塔の中で夢に出て来た。
『そうかそうか。覚えていてくれたか、なら、塔を登ったのだし私の最大の宝をやろう。』
すると管理者が目の前に現れ自分の胸の方に手を当てるとなにかの宝石のようなものが出て来た。
「これは目覚めの石だ。私の魂と言っても過言ではないこれを君にやろう。」
ライリファランは少しづつ薄くなってきている。
「来世でも君の中でその石と共に眠り続けるよ。」
そして目覚めの光がキラっと光ったのと同時にライリファランも消え、その石は私の心の中に溶けて行った。
「寝ようか。」
私はそうつぶやくと長く思い出深いこの人生に終止符を打った。
ふぅ、1話書き終わったと思ったら全然字数すくねぇーwもっと頑張ります!応援よろしくお願いいたします!!!では、次の話速攻で仕上げないとww行ってきます。