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19才  作者: mame
27/27

重なる心

7時半、携帯のアラームが鳴った。

目を開けるとユウスケの顔がすぐ近くにあった。

そうだ、私は彼の腕枕で眠ったんだ、そう改めて思い出した。

夢なのかもしれない…いや、違う。

彼とのキスはまぎれもない現実に起こった出来事だ。


そう思うとまたドキドキしてきた。

私は彼の顔を見つめた。

まだよく眠っている。

このままもう少し、こうしていたいと思った。


試験は今日と明日で終わりだ。

少し疲れていたが、あと少し、踏ん張ろう。

眠い身体を起こし、そっと彼から離れた。

私はお風呂場へ行き、着替えた。

そして顔を洗い、部屋へ戻って軽くメイクをした。


ユウスケはまだよく眠っている。

起こさないように、そっと布団を掛けた。

そして彼が買ってきてくれたメロンパンの袋を開けた。




「・・・・・うーん…あれ…??マキ?」



「…あ。起きた。おはよ。」



「もう着替えとるやん。いつの間にやな。」



「さっきね。起こさないつもりだったのに。」



「まだ時間ある??」



「うん。8時半くらいに出れば十分間に合うから。」



「そーか。じゃあ添い寝して。」



「えっっ?!何言ってんの?!」



「ええやんか。チューもいっぱいしたことやし。」



「……恥ずかしいし…もぉ…。」



「メロンパン食ったら横きてな。」



「いや…てゆうか…ね…。」



「じゃあオレがいくわ。」



「えっっ?!ちょ…ちょっと…。」



ユウスケは寝ぼけていただけなんだろうか。

それとも元々そういった人だったんだろうか。

起き上がったかと思うとそのまま私に飛びついてきた。

そして両手で私の顔を挟み、じっと見つめた。



「マキ、昨日の方がええな。化粧せんでええで。」



「何言ってんの!!すっぴんで外歩くのはマナー違反。」



「じゃあオレとおる時は化粧せんでな。」



「外出ない時はね。さすがにいつもすっぴんはダメだって。」



「別にそんなん気にせんでええのに。」



「そうゆうわけにはいかないの。」



「でもこっちも好きやで。」



そう言って彼は両手で私の顔を挟んだままキスをした。

私は自分の顔が赤くなるのを感じた。



「マキ、照れてるやろ??」



「だって…急に…また…。」



「これからもいっぱいチューしよな。」



「・・・・・うん…。」



「オレ、店の人にバレても構わんで。」



「あ、そうだ。永井さんにね…。」



「あの人信用できるんやない??最初の公認者やな。」



「うん。でも…ほんとに…。」



「オレは何の不安もないから。マキ気にすることないで。」



「・・・・・あたしも…あたしも全然大丈夫!!」



「どないしたん?!急に元気になって。」



「ううん。あたし全然不安なんてないから。心配しないで。」



「やから、オレ何とも思ってないから。」



「そうだとしても、言わせて。大丈夫だから。」



「マキ、オレに気遣っとるんか??」



「そうじゃなくて。あたしもユウスケに安心して欲しいから。」



「・・・そっか。そんなん考えとったんか…。」



「あたし…まだまだ知らないことばっかだし、こんなんだし…。」



「マキ、自分のことそんなゆうたらあかんで。」



「え・・・・・??」



「自分のこと自分で大事にせんと、誰がマキのこと大事にするんや?」



「・・・・・うん。」



「オレこんなこと言えた立場やないけどな。でもそう思う。」



「・・・・・うん。」



「オレはマキが好きや。大切にしたいて思ってる。」



「・・・・・。」



「やから、そんな肩に力入れんとな。甘えたらええんやて。」



「うん・・・・・。」



「心配なことや気になることがあったら何でも言うんやで。」



「はい・・・・・。」



「オレら付き合っとるんやからな。」



「・・・・・。」



「顔、見せて。」



「え??」



「・・・・・・。」



どれくらいだろうか。

私たちははしばらく唇を重ね合わせていた。

彼の手が私の髪をかき上げた。

私は彼の首に手を回した。


見つめ合い、そしてキス。

眠る前にしたキスよりもずっと激しかった。

ドキドキしている。

しかしそれ以上に彼を求めている自分がいた。


ユウスケの舌が私の中に入ってくる。

同じように私も彼の口へ舌をすべらせた。

初めてのディープキス。

どんどん身体が熱くなっていくのを感じていた。


彼はそっと私の背中を押さえ、そのままゆっくりと敷いていた布団に倒していった。

私の目には天井ではなく、彼の顔だけが写っている。

彼はそっと顔を近づけ、そして首筋に優しくキスをした。

私の心臓は激しく動いていた。


そのまま彼は私の顔を撫で、何度もキスを重ねた。

彼の唇が触れるたび、自分の身体が反応するのが分かった。

そのことを彼も感じたのか、次第にキスも激しくなっていく。


彼の手が私の服をたくし上げた。

そのまま背中に手を回し、彼はブラジャーのホックに指をかけた。

私は自分が今どうなっているのか、分からなかった。




「・・・・・マキ…。ごめん…ごめんな。」



「え・・・・・??」



「またオレ、突っ走ってもーた…。」



「なんで謝るの??」



「今大切にするてゆーたばっかやのに…。止められんかった。」



ユウスケは私の服を元に戻し、そう言った。



「あたし…大丈夫だよ。嬉しかった…。」



「何かわけ分からんよーなってん。ほんまごめん。」



「なんで??謝らないでよ。」



「自分では分かっとるつもりなんやけど。マキがおったら…。」



「・・・・・いいよ。あたし…。そのつもり…だから。」



「今日はな…ここで。おしまいな。危なかったわ…。」



「何か…あたし…あたし大丈夫かな…。」



「なに言うとんねん。マキがオレをその気にさせてんやで。」



「そうじゃなくて…。」



「とりあえず、マキ学校行かなあかんやろ。時間は??」



「うん。まだ10分くらい余裕ある。」



「そっか。よかったわ。」



「今日明日でひとまず落ち着くから。」



「なら木曜はのんびりできるやろ??」



「うん。その頃には解放されてるよ。」



「そっか。分かった。」



「じゃぁ…ちょっと行ってくる。」



「おー。気ぃ付けてな。事故ったらあかんで。」



「はーい。」



私の中ではまだ心臓が激しく動いていたままだった。

何とか平静を装ったが、その余韻はしばらく消えなかった。

彼の手が私の肌に触れたときの感覚が残っているようだった。


私は自分の身体の変化に気付いた。

こんなにも、触れられるたび反応する自分が少し信じられなかった。

彼の手は温かく、そして優しかった。

ユウスケを求める自分がそこにはいた。


それは今まで感じたことのない感情だった。

そして自分でもよく分からない感情だった。

ユウスケは今、どんな気持ちなんだろう…。

私と同じように、こんな感覚を味わっているんだろうか。


半ば上の空の状態で、私は学校に着いた。

とにかく早く気持ちを切り替えなればならない。

高ぶっていた気分を落ち着かせるため、自販機でココアを買った。

熱いココアを飲み干すと、少しだけ、気分が落ち着いたような気がした。


幸い試験は講師の先生が絞ってくれていた設問と似た問題が出題された。

うすら覚えの解答を何とか思い出し、解答用紙に書き出した。

今日は6時からバイトだ。

あと残り1日…多分大丈夫だろうと思いながら、やはり疲労を感じている。


時折ふと今朝のことを思い出した。

思い出すだけで何となく顔が赤らむのを感じた。

今日も店では彼と顔を合わせることになる。

今日こそ大丈夫だろうかと少し心配になった。


夕方、店へ向かっている途中にメールが入った。

ユウスケだった。



  試験お疲れ

  今日オレ休みなってん

  疲れ出さんようにしーや



どうやら月曜の代わりに急きょ今日休みが入ったらしい。

会えないと思うと何だか少し寂しくなった。

しかしその反面で、内心ホッとする自分がいた。

今日は適当にやって帰ろう…そう思った。


店は平日ということもあり、比較的平穏だった。

何事もなく、いつも通り時間が過ぎた。

とりあえず明日、試験最終日だ。

ヤマは超えたが、最後まで気は抜けない。


休憩時間は模擬解答の暗記をして過ごした。

やはり眠かった。

今日は早めに寝よう、そう思った。


1時過ぎ、家に着いた。

私はすぐお風呂に入り、部屋へ戻った。

少しだけ最後に勉強して寝ようと思い、ノートを広げた。



  ♪♪♪〜♪♪♪♪♪〜♪〜



始めて間もない頃、携帯が鳴った。



  もう帰った??



ユウスケだった。



  帰ったよ。 

  ちょっと勉強して寝ようと思って

  寝る前にメールしようと思ってた



そう返信した。



  明日オレ10時でアップなんや

  マキ12時やろ??

  誘おうかと思ったけどやめとくわ

  明日はゆっくりしーや

  代わりに木曜はオレんち来てな



そう返事が返ってきた。

私は今朝のことを思い出した。

彼との距離は確実に縮まっている。

そんな展開に戸惑いながら、反面期待する自分がいるのも事実だった。


彼の温もり、優しさ、触れられた時の感覚…。

すべてが私の気持ちを変化させた。

自分でもその先どうなるのか、まだ分からなかった。

そんな未知の世界への興味が私の中では芽生えていた。



  木曜ね。

  一緒に過ごせて嬉しいな

  学校終わったら行くね



私はその時すでにもう気持ちが高ぶり始めていた。

こんな感情は今まで経験したことがない。

自分でもどうしてこんな気持ちになるのかよく分からなかった。



・1月24日(木)  ユウスケんちにお泊まり



私は手帳に新しい予定を書き込んだ。

日記は飽きずに続いている。

一日の終わりにベッドで書くようにしている。

始まってまだ半月ほどの手帳を眺める時間も私にとっては幸せな瞬間だった。




・1月22日(火) バイト18時〜

 テスト2日目なんとか乗り切った!!

 先生ありがとーー☆☆

 ユウスケは急に休みになったって。

 何だか寂しかったけど、何だかホッとした…

 あと1日踏ん張るゾー!!!!



・1月23日(水) バイト18時〜

 やっと終わった〜

 無事全部書けてヨカッタ…

 今日はユウスケと一緒だった。

 話はできなかったけど。

 明日はお泊まりだぁ^^



木曜日。約束の日だ。

ユウスケは6時には帰って来られるとのことだ。

私は時間まで駅前で時間をつぶし、買い物を済ませた。

日が暮れるのは早い。

彼の家へ着く頃にはもう暗くなっていた。


今日はハンバーグを作る予定だ。

スーパーの袋と着替えなどが入ったショップの袋を下げて階段を上がった。

すると上から声が聞こえてきた。



「買い物行ってきたんや。主婦みたいやな。」



「あれ??誰かと思った…。」



「そこおって。荷物持ったるから。」



「いいよ。そんな重くないし。」



「いいから、おって。」



そう言うとユウスケは足早に階段を下りてきた。



「一緒に行くかなて思って一応カギ閉めてきたんや。」



「あ、ごめんね。言っとけばよかった。」



「今日は何なん??」



「ハンバーグ。煮込みハンバーグだよ。」



「マジで?!うまそーや。」



「そんな時間かかんないと思うから。」



「えーよ。ゆっくりで。時間明日まであんねんから。」



「・・・まぁそうだけど…。お腹すいたでしょ?」



「ボチボチな。でもこっちの方がええわ〜。」



「わっ・・・。」



部屋に入るなりユウスケは後ろから私を強く抱きしめた。

すぐにドキドキする自分が分かった。



「何かあったら手伝うからな。何でも言うてな。」



「・・・・・うん。分かった。」



私は自分の鼓動が早くなるのを感じていた。

期待する自分…少し不安な自分…そして何だか緊張していた。

キッチンに立ちながらふと部屋を見ると、彼は寝ころんでテレビを見ていた。

部屋は相変わらず散らかっていた。



「ねぇ、もうすぐだからその辺ちょっと片付けて。」



「お?!もうできるんか??早いな。」



「机の上と…あと座る場所ね。」



「ほーい。」



ユウスケはバタバタと部屋を片付け始めた。

前に来てから3日しか経っていないのに、前と同じように散らかっている。

あの時片付けた痕跡は跡形もなく消え去っていた。



「ゴミ、まとめた??今日ゴミの日だったでしょ?」



「あ、忘れとったわ。次火曜やっけ?ヤバイかな?」



「ヤバくはないけど、とりあえずベランダに袋出しとこ。」



「すんませんなぁ〜毎度毎度。」



「今度休みの日に大掃除だね。」



「えーよ。マキ疲れることせんでも。」



「なーんか気になるんよね。一回しちゃえばスッキリしそう。」



「そーか?オレ全然気にならんけど。」



「とりあえずやっちゃお。あたしするから。」



「悪いなぁマキちゃん。よー働きますなぁ。」



「そーでもないよ。気になるだけ。食べよ。出来たから。」



「おーやった。ええ匂いやわ。食お食お。」



ユウスケはごはんをおかわりしてあっという間にたいらげた。

身体からはあまり想像できないくらいよく食べる。

彼と会う度、いつも何か意外な一面を見ているような気がした。



「マキ、ごちそうさま。旨かったわ。」



「よく食べたね。結構ごはん大盛りだったけど。」



「まぁあれくらいは平気やで。でも腹一杯やわ。」



「よかった。」



「洗い物オレするで。」



「いいよ。まだ散らかってるし。片付けてくるよ。」



「何から何まですんませんなぁ。」



「ユウスケ美味しそうに食べてたから嬉しかった。」



「ほんまに旨かったんやもん。作ってもらうんええわ〜。」



「今度唐揚げ用のちっちゃい鍋買ってくるよ。揚げ物できるし。」



「一緒に行くわ。調理器具見るん好きなんやわ。」



「そっか。じゃぁ休みの日ね。洗ってくる。」



私は洗い物を済ませ、散らかっていたキッチンを片付けて軽く掃除をした。

ふと見ると洗濯機の中にはやはり、洗濯物が溜まっている。

今日のうちに回しておこうかと思った矢先のことだった。



「マキ、済んだ??」



「洗濯しちゃおうかと思って。」



「待って。じゃあ着替えるわ。」



「え…ちょっと…。」



ユウスケは衣装ケースの引き出しを開け、中からスウェットを取り出した。

そしてそのまま着ていたジャージを脱いだ。

見るとトランクス1枚の状態だ。

私はどうしていいものか、戸惑った。



「マキ、ほい。これ。」



「・・・あ、これね。他にはない??」



「うーん。とりあえずこれでえーわ。」



「じゃぁ回すね。」



ユウスケは引き締まった身体をしていた。

細身だと思っていたが、しっかりと筋肉がついている。

腹筋もいくらか割れているように見えた。

私は急に緊張する自分を感じていた。



「マキ、何してんの??こっち来たら?」



「・・・あ、うん。そうだね。」



「寒くないか?暖房上げよか?」



「ううん…今は大丈夫…何か大丈夫…。」



「何や??どないしたん?またおもろいの始まったか。」



「いや…何でもないよ…何でもない…。」



「あれや、前に見たドラマ今日やんな??」



「あ、あれ?そうだ。今日だね。3回目かな。」



「あれ始まるまでにフロ入ってくるわ。マキ先行くか?」



「いや…あたしは後でいいよ…。」



「ほんならオレ行ってくるわ。すぐやで。」



「…うん。分かった。」



そう言ってユウスケは部屋を出た。

私はやはり自分がどんどん緊張していくのを感じて落ち着かなくなっていた。

彼の身体を見たせいもある。

しかしそれよりも、これからの時間のことを考えると何とも言えない気分だった。


そうこうしているうち、ユウスケは10分ほどで戻ってきた。

髪の毛をタオルで拭きながら、私にも入ってくればと言った。

緊張している気持ちもお風呂に入れば少し落ち着くかもしれない。

そう思った私はすぐ、彼と入れ替わりにお風呂へ行った。


お風呂といっても脱衣所はなく、バスタオルを敷いたスペースで着替えをする。

小さなバスタブは人が一人やっと入れる大きさだ。

シャワーを浴びると浴室中が湯気で真っ白になり、ものすごい湿気を帯びる。

もちろん窓はない。

それでも私は気分を落ち着かせようと湯船に浸かった。


しばらくお湯に浸かっているといくらか気持ちも落ち着いてきた。

メイクを落とし、ボディソープで身体を洗った。

私はふと自分の身体を見た。

彼に抱きしめられたことを思い出す…。


自分で自分に自信のある人なんてそうたくさんいるのだろうか…。

私は自分の身体にも自信がなかった。

ウエストが思いっきりくびれているわけでもない。

バストの形や大きさにも自信がない。

お尻も足も…同じだった。


何も心配しなくていい…彼はそう言った。

こんな私を受け止めてくれる彼に、すべて委ねていいのか。

その覚悟はできているつもりだった。

その時が近付いているだろう今、私はそっと胸をなで下ろした。


きっと…大丈夫。

そう自分に言い聞かせた。

緊張していた気持ちは少しずつ和らいでいった。



「お。出たか。もう始まるで。」



「あ、うん。髪だけ乾かすから。」



「そーか。オレもうほとんど乾いてもーたわ。」



「風邪引かないようにね。」



「ほーい。」



ユウスケは何を今考えているんだろうか。

私だけがこんなにもあれこれ勝手に心配しているのか。

色々なことが頭の中をうずまいていた。

彼の様子はいつもと何も変わりなかった。


ドラマが終わり、そのまま私たちはバラエティ番組を見ていた。

ユウスケは時折失笑したり、声を上げて笑ったりしている。

何気なく時間は過ぎていった。

試験が終わった安堵感と、今日までの疲労が重なってからか。

私は次第に眠気を感じてきた。



「マキ、眠くなってきたんやろ??」



「・・・ん…??そんなことないよ。」



「こないだと同じ顔してるで。」



「同じ顔??そんなん分かるの??」



「分かるわ。・・・めっちゃ可愛かったからな。」



「また…そんなん言われたら何て言えばいいか…。」



「なぁ…こっち向いてみ。」



「え??」



「目が落ちてきてる。そんな顔されたらギュッてしたくなるわ。」



「・・・・・・え…っと…。」



「なぁ…チューしてもええ??」



「・・・・・うん…。」



「・・・・・・・・・・。」



ユウスケはそっと私の唇にキスをした。

唇が離れ、私たちは見つめ合った。



「今日…ええか??」



「あたし…何か緊張して…。」



「マキはそのままでええよ。何も心配せんでええから…。」



「もっと時間おこうかと思ったけど、何かもうダメや。」



「・・・・・。ダメ…??」



「オレも男やからな…。我慢できんわ…。」



「・・・・・・・。あたし…あたしは…。」



「嫌やったら言うて。ほんまそこはちゃんとしたいねん。」



「・・・・・あたし…嫌じゃない……けど…。」



「…不安か??大丈夫やから…優しくする。」



「あたし…あたしでいいの…??」



「何言ってんねん。マキめっちゃ可愛いで。」



「ユウスケ…こんな日が来るって思わなかった…。」



「ずっと一緒にいよな…マキ…。」



「うん・・・・・・。」



ユウスケの右手が私の顔を撫でた。

そして左手で髪をかき上げた。

彼はそのまま私を引き寄せ、再びキスをした。


唇が触れるたび、またキスがしたくなった。

私たちは何度も何度もキスをした。

お互いの舌を絡ませ、激しくキスをした。


身体がどんどん熱くなる…。

この間感じたあの感覚だった。

目の前にいる彼がいとおしくてたまらなかった。




「マキ…電気…消そか…??」



「…うん…恥ずかしいから…。」



「あっち…行こ。」




ユウスケは電気を消し、私の手を持ちベッドへ導いた。

部屋は暗くなったが、街灯の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。

うっすらと彼の顔が見える。

彼はそっと私を押し倒した。



「マキ…好きや…好きやで。」



「あたしも…同じだよ…。」



「大切にするから…。」



そのまま彼はそっと私の額にキスをした。

暗がりにも目が慣れてきて、はっきりと目の前にある彼の顔が見える。

私はその時、驚くほど落ち着いている自分に気が付いた。

あんなにドキドキして緊張していたのに…。


私はただ、今目の前にいる彼に触れたくて仕方がなかった。

そして同じように彼に触れて欲しいと願っていた。

一緒になりたい…重なりたい…そう感じていた。


ユウスケは着ていたスウェットを脱いだ。

筋肉質の身体は暗闇の中でもよく分かった。

そしてゆっくりと、彼の手が私の服の中へ入ってきた。

彼の手は優しくそっと私の背中を撫でた。


そのままゆっくりと彼は私の服を脱がしていった。

そして何も言わず、首筋にキスをし始めた。私は彼の背中に手を回した。

とても固い。ゴツゴツとした感触だ。

触れた腕も筋肉がしっかりついていてまた同じように固かった。


彼の手は次第に私のバストへとたどっていく。

そっと触れられた瞬間、身体がビクンと反応した。

自分の中でわき上がってくる、感じたことのない感覚を味わった気がした。

それから触れられるたび、何度となく私は同じように反応した。


気が付くと、全身が熱くなっているのを感じた。

ユウスケはズボンを脱ぎ、そして履いていたトランクスも脱いだ。

私は自分の身体に起きている変化に気付いた。

もう既に、私の身体は彼を受け入れる準備が十分整っている。

彼はそのまま再び、私の全身にキスをし始めた。



「・・・・・あっ、あっ…うん…。」



「マキ…可愛いで…可愛い…。」



「うん・・・・・うっ…あん…。」



自然と声が出ていた。

彼は優しく私の全身を撫で回している。

顔、肩、腕、背中、バスト、お腹、脚、お尻…。

その時私は太ももの付け根あたりを何かが伝っていくのを感じた。

彼の手はゆっくりと太ももをさかのぼり、私の変化した部分に触れた。



「・・・・・・あっっ!!!!」



「マキ…すごいで…。めっちゃすごい…。」



「・・・・・・あん…あっっ!!!」



ユウスケは触れたその手をそのまま動かし始めた。

私は身体の中を何か突き抜けていくような、そんな感覚に襲われていた。



「マキ…すごいで…ヤバイわ…オレもうヤバイ…。」



「・・・・・あっ…す…すっごい…何か…感じる…。」



「もっと…可愛い声出してや…こうしたら…??」



「…あ、あーっ!!あん…あん…うん…あん…あー!!」



彼は動かしていた手をそのまま私の中に入れた。

どうなっているのか分からなかった。



「マキ…ヤバイ…もうええか??」



「・・・・・あっ…あっ…うん…う…いいよ…。」



「ちょっと待ってな…アレするから…。」



「・・・・・・うん…。」



彼は引き出しの中から小さな袋を取り出し封を開けた。



「また今度つけてな。今日は自分でするから。」



「うん…ありがと…ちゃんとしてくれて…。」



「当たり前やって。……うん、付いた。何か恥ずいな…。」



「ユウスケ・・・・。」




彼は私の身体を見下ろした。

そして優しく私の脚を撫で、そっと開かせた。




「マキ、痛かったら言うて。ゆっくりするから。」



「うん・・・・。」



「いくで・・・。」



「……あっ…あっ…あーーっ…あーー!!」



「マキ…大丈夫か…??何ともない…??」



「うん……何か…ドキドキする…。」



「オレめっちゃヤバイわ。めっちゃ気持ちいいわ…。」




彼はゆっくりと私の中に入ってきた。

その感覚はとても優しく、そしてとても温かかった。

彼と重なりあえた今、私は初めての感情に見舞われていた。

自分が自分でなくなるような、そんな感覚さえした。


彼の温もりを全身で感じながら、私はさらに彼を求めた。

意識せずとも声が漏れ、自然と身体が動いていた。

時折私たちは重なりあったまま見つめ合い、そして激しくキスをした。

次第に彼の動きも大きくなっていく。




「マキ…マキ…何か訳分からんようなってきた…。」



「・・・・・うん…うん…あっ!!…あん!!」



「なぁ…もっと…もっと可愛い声聞かしてくれへん…??」



「・・・あん…あん…あぁん…あぁー!!あぁ…うん…うぅん…。」



「このままやったら…もたんわ…マキ…いいやろか??」



「…うん…いい…いいよ…。」



「・・・・あぁ…もう…ヤバイわ…マキ…マキ…マキ!!!!」



「あっ・・・・・!!」



彼の身体は一度ビクンと大きく動いた。

そのまま一息つくと全身の力が抜けたように私の上に覆いかぶさってきた。

彼は心なしか、少し汗ばんでいるような感じがした。



「マキ、大丈夫か??」



「うん…全然…なんともないよ。何かポカポカしてる。」



「オレ汗かいたわ。ちょっと拭いとかなな。」



「ねぇ…あたし…大丈夫だった…??」



「何が??……めっちゃ満足や。大満足やわ。」



「まだドキドキしてる…。」



「またしよな。いっぱいしよな。」



「・・・・・うん。」



「風邪引かんようにせな。マキ…服…あった。ほい。」



「ありがと…。」



「何かのど乾いたわ。ちょっと飲んでくるわ。」



ユウスケは脱ぎ捨てていた服を着て、冷蔵庫をのぞいていた。

私はまださっきまでの余韻が抜けず、ボーッとしていた。

初めての経験、初めての感覚だった。

彼の温もりを全身で感じ、とても幸せな気持ちだった。


ユウスケは戻ってくるとそっと私にキスをした。

そして腕を枕の下に入れ、私を抱き寄せた。



「マキ、何も心配せんでええからな。」



「うん…。ありがと。」



「めっちゃ可愛かったで…。どこも行ったらあかんで。」



「どこも行かないよ。一緒にいる…。」



「寝よか…。腕枕したるわ。」



「痛くなったら手抜いていいからね。」



「おー。気にせんでええで。おやすみ。」



「おやすみ…。」



シングルサイズのベッドは少し狭かったが、とても温かかった。

間もなく、彼は眠ったようで、スースーと寝息が聞こえてきた。

私はしばらく目がさえて眠ることが出来なかった。


彼の側でこうしていられることが幸せだった。

明日、明後日…きっと不安になる時もあるだろう。

今は彼を信じて毎日を大切にしよう。

きっと自分も少しずつ変わっていけると思う。


彼ともっと心を重ねたい。

そう思いながら私も目を閉じた。








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