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19才  作者: mame
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二人で過ごす夜

ユウスケはあっさりと作った料理を完食した。

私にとっては嬉しい限りだった。

洗い物を済まし、デザートのプリンを食べた。

その頃には私自身の緊張も解け、気分もリラックスしていた。



「ほんま旨かったわ。満足満足。」



「それは…どうも。作ってよかった。」



「とりあえず腹もいっぱいになったことやし。」



「ことやし…???何??」



「テレビでも見るか。今日から新しいヤツ始まんねん。」



「あ、ドラマ??洋食屋のやつでしょ?」



「それそれ。ちょっと興味あるんや。見よや。」



「うん。分かった。」



「まだ時間あるよな。ネットでもするか。」



「ネットつないでんだ。いいなぁ。」



「いつでもやったらええで。何かと使うしネットだけは一番にやったわ。」



「だよね。うちも家1台だけだから不便なんよなぁ。」



「前に言うた動物占いあんで。バージョンアップ版。」



「へー。何でもあるんだねー。」



「12月1日と…そういやマキ何型??O型か。」



「えっ?!A型ですけど?!何で?!」



「マジで?!オレと同じやと思ってたわ。」



「何で??生粋のA型ですけど…。」



「ほんまかぁ。オレおかんB型おとんO型姉ちゃんB型って家族。」



「へぇーそうなんだぁ。じゃぁ家族も自由な感じじゃない??」



「そうやで。まとまりないわ。それぞれ好き放題やもんな。」



「色々だねー。そう考えると。」



「出た。マキは茶色のチーターやて。仕事に関しては手抜きせず……。」



「結構たくさん書いてくれてるんだね。」



「そうやろ?何か自分で人生切り開いてくタイプみたいやな。」



「そうかなぁ。何もできてないけど…。」



「金運も浮き沈みないてさ。ええで。これ。」



「他は??」



「恋愛に関しては…相手のぺースに合わせようとするばかりに…自分が疲れてしまいます…。」



「それから??」



「ハマってしまうと本来の自分を忘れてしまう面があるので注意…。」



「何かいいこと書いてないんですけど。」



「ライバルには強い…愛されると多大な力を発揮…実直マジメな純愛タイプ…。」



「うーん…。」



「意志が強く、人に流されることはない…尽くすことに生き甲斐を感じる…あとは…。」



「はい、どうぞ。」



「経験を重ねていくごとに大きな成長を果たす大器晩成型…人生遅咲きの可能性大。」



「ふーん。これっていいこと??よく分かんないんだけど。」



「まぁ所詮占いやん。詳しすぎて逆にややこしいな。信じてまいそうなるわ。」



「だね。すごい分析されてるし。」



「マキは相手のペースに合わせるか??」



「どっちかって言うと合わせるかな。」



「おー当たってるやん。愛されると力を発揮…これは??」



「これはみんなそうじゃない?愛されたら嬉しいよ。」



「そう言われるとそうやな。じゃぁ意志が強い…これは??」



「難しいなぁ…曲げないとこは曲げないけど、相手によるかな。」



「何か大人やな。…人生遅咲きやて。けどそっちの方がええで。」



「そうかなぁ。若くて元気なうちに色々うまいこといって欲しいな。」



「マキは何となくやけどコツコツ型やん?それがええと思う。」



「うーん。そうなんかなぁ…。」



「そうやで。今のまんまがええんやて。占いやから。」



「まぁそうだね。いい暇つぶしになったかな。」



「オレが好きになったんは今のマキやからな。そのままでおってな。」



「……どしたの??」



「いや、これから不安になることがあっても大丈夫やで。一緒におるから。」



「……うん。ありがと。」



「とりあえずテレビ見よか。」



「あ、もう始まるね。」



二人の時間はあっという間に過ぎていった。

ユウスケは何のためらいもなく、私の横にごろんと転がってテレビを見ていた。

そんな何気ない時間も新鮮で嬉しい。

その後もテレビを見たり、ネットで調べ物をしたり、話をしたりして過ごした。

気が付けば日が変わろうとしていた。


ユウスケは何も言わなかった。

私自身も何も言わず、ただ今この時間を過ごしていた。

このまま今日は彼と過ごすことになるんだろうか…。

そう思い始めていた時…。



「なぁ、マキ。今日泊まってくか??」



「え??う…うん。でもいいの??」



「いいもなにも、それこっちのセリフやで。」



「あたしは…全然構わないよ。」



「家とかええの??何も言わんで。」



「家には今日友達のとこに行くからって言って出てきた。」



「帰らんくて何も言われんか??」



「携帯あるから。何かあったら連絡来るよ。いつもこんな感じだから。」



「明日、学校朝からやろ??」



「うん。でも9時半からだから。早めに帰れば大丈夫。」



「そうか。ならよかった。正直ずっと気にしててん。」



「何を??」



「いや…実家暮らしやし、学校も毎日ある子やし、色々気遣うやろ?」



「そっか。そんなことまで考えてくれてたんだ…。ごめんね。」



「謝ることやないやろ。でもそこんとこはちゃんとしとかな。」



「大丈夫。ずっと家に帰らないわけじゃないし。ちゃんとするから。」



「オレもちゃんと考えとるから。でも今日は一緒に居たい。」



「……あたしも…。」



「こうやって二人でゆっくりすんの初めてやろ??」



「うん。でもそんな感じしないね。」



「そうやな。居心地ええわ、マキの横。」



「何か恥ずかしい…。」



「ほんまにオレ、ちゃんとマキのこと大事にするから。」



「……うん…ありがとう。」



「正直今めっちゃチューしたいねんけど、我慢しとくわ。」



「えっっ?!」



「オレちゃんとしたいねん。マキのことマジメに考えとるから。」



「だから…??」



「恥ずかしいけど…ほんま…身体目当てとかじゃないから…。」



「そんな…そんなこと…。」



「だから今日は手つないで寝よ。それでええから。」



「……ねぇ…あたし…。」



「マキは何も言わんでええから。これはオレの意志や。」



「うん。ありがと。分かった。」



「机動かしてここに布団敷こか。ベッド狭いし。な。」



「うん。お任せします。」



「明日寝不足ならんようにせなな。」



ユウスケはいつになくマジメな顔をして話していた。

私の中では今日、どうなるのか考えながら動揺していた矢先だった。

もちろん、彼の部屋に来たわけだからそれなりの覚悟もしていたつもりだった。

しかし、ユウスケにはまだ、彼が初めての彼氏だと話していない。


そのことを言うのが少し怖かった。

キスの経験もない私がこうして彼と二人きりで部屋にいることが信じられなかった。

何も分からない。

例えばキスの先、彼とどうなっていくのかが想像できなかったのだ。

だから怖かった。


しかしまさかユウスケがそんなことを考えていたとまで思いもしなかった。

私の方がよっぽど、浅はかだったのかもしれない。

そこまでマジメに深く、自分のことを考えてくれていた彼の気持ち。

私もきちんと受け止めてそれに応えようと思った。


そんな彼の気持ちに触れて、私は安心できた。

何も考えなくていいと言った彼の言葉を信じようと思った。

好きになった人が彼で、初めての彼氏がユウスケで本当によかった。

そう改めて思った夜だった。


私たちはベッドの下に敷いた布団に寝転び手をつないだ。

電気を消してしばらくすると、彼の寝息が聞こえてきた。

きっともうしばらくすると、寝返りをうってこの手も離れるだろう。

私は彼の寝顔を見ながら今日までのことを思い返していた。


安心して眠っているユウスケ。

私は緊張のせいか、それとも慣れない環境のせいか、全く眠れなかった。

それでもこうやって彼の側で夜を過ごせたことが嬉しかった。

大切に思ってくれている気持ちが伝わった夜だった。


始まったばかりの恋愛。

また一つ、彼の優しさに触れた一日だった。



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