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19才  作者: mame
20/27

彼女ということ

いまだに実感がない。

ユウスケと付き合うことになった…。

私は彼女?

考えても考えてもピンとこない。


のんびりと考え事をする間もなく毎日バイトに追われていた。

元旦から5日、休みなく働いている。

そろそろ疲労も溜まってきた頃だ。


当然ユウスケとは店で顔を合わせていた。

幸い、休憩も重なることなくお互いせわしなく働いていた。

私の中ではあの日以来、店で普通に会話ができるかどうか自信がなかった。


願っていた現実…。

しかしいざ本当にそうなってみると、どうしていいか分からなかった。

これまでと同じようにすればいい、頭では分かっている。

それでもまだフワフワとした感覚は抜けなかった。



  今日バイト終わった後ええ?



休憩に入り携帯を開くとユウスケからメールが入っていた。



  いいよ。駐車場にいる。



とりあえずそう返信しておいた。

なんだろうと思いながら、アップしてすぐ着替え、そのまま車の中で待った。

今日は二人とも0時アップだった。



「ちょっと開けて。」



10分ほど経った頃、ユウスケが出てきた。

私は助手席の窓を開けた。



「ちゃうって。何で窓やねん。ドアロック。」



「あ、空いてます。」



「自分毎回想定外やわ。これからいっつもこんなんやろな。」



「すいませーん…。」



「とりあえず連チャン今日で終わりやろ?明日は?」



「休みで友達と会う予定。」



「そっか。オレ休みやないもんな。しゃーないな。」



「なんかあったんですか?」



「何もないけど。てか大晦日以来どこも行けてないやんか。」



「まぁしょうがないよ。忙しかったし。」



「オレ明日から実家帰るんよ。5日間休みもろてな。」



「え??あ、それでシフト線引かれてなかったんだ…。」



「そうやねん。バイト終わってそのままバイクで帰るわ。」



「バイク??遠くない??」



「そうでもないで。2号線まっすぐやし。」



「そっか。久々じゃない?実家。のんびりしてきて下さい。」



「そうやな。じゃあよろしく。」



「え??」



「やから、よろしく。今日歩いて来てん。送ってや。」



「あっ、そうなんですか。じゃあ出ます。」



「すんませんなぁ。」



店から裏道を通って彼の家まで5分とかからなかった。

この間彼を降ろした場所でハザードを点滅させ、車を停車させた。



「車停める場所考えんとな。」



「店に停めたらいいよ。チャリもあるし。」



「そんなんして怪しまれんか?」



「いや、そこまで言われたことないよ。停めて学校行くしね。」



「そっか?なら今度はここで待ち合わせにするか。」



「ここで??」



「そうや。店からやったら危ないやろ。帰ってきたらそうしよ。」



「はい。分かりました。」



「ほな、悪かったな。ありがとう。気付けて帰りや。」



「はーい。」



「おやすみ。」



そう言って彼は車を降りて私を見送ってくれた。

彼はこれまでと変わりなかった。

不思議と一緒に居るときはドキドキする自分を感じなかった。

少しの時間でも二人でいられることに喜びを感じていた。


ちょうど家に帰った頃、ユウスケからメールがきた。



  ちゃんと帰ったか??

  しばらく会えんな。

  おやすみのチューでもしとけばよかったかな

  ほな。おやすみ〜



思わず顔が赤くなるのを感じた。

彼がそんなことを言うのが想像できなかった。

少しずつ、変わっていく私たちの関係。

これからどうなっていくかは自分次第だ。

今は毎日を、彼と過ごせる日々を大切にしよう。


また一歩、進んだ気がした。

不器用な私の恋愛、分かるのは好きだという気持ちだけだ。

しかし毎日楽しかった。

彼の存在が私を変えてくれるような気がした。

自分にも自信が持てるかもしれない。


次会う日が待ち遠しかった。

恋愛の感覚はこんな感じなんだろうと思った。

明日、明後日、毎日が楽しみだった。



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