街の猫と大晦日
三毛猫が庭を横切っていく。
トットットッ・・・と、
軽やかな足取りで、
いつもより、ちょっとだけ慌てて横切っていく。
今日は12月31日で、大晦日。
一年の最後の日。
勿論、猫にはそんなこと一切関係ない。
寒風の吹き荒ぶ、いつもの冬の日。
普段どおりの一日。
でも、
門に、いつもと違う飾りが付いていたり、
庭の落ち葉が掃かれていて、少し小ざっぱりしていたり、
人々の様子が何だか今日はソワソワしていたりで、
猫たちも、
きっと、何かの異変を感じているに違いない。
庭を横切った三毛猫は、
それで不安を感じて、少し慌てていたのかもしれない。
明日も、街はちょっと騒がしい。
でも、
次の日になれば、また静かになる。
日向で寛いでる猫たちがいたら、
その日は、そっとしておいてあげようと思った。
良いお年を。