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ワールズエンドの歌姫  作者: 染島ユースケ
3.ライブハウスの歌姫
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 それを聞いた奏介と梨音は、目が点になった。

「…………ギターボーカル?」

 一方の彼方は、まるで他人事のように首を傾げている。

「それ本気で言ってんの? さっき言ってたでしょ、彼方は歌は上手いけどギターは初心者だって」

「だがそういう梨音だって、ベース始めた頃はコードの意味もわかってなかっただろう」

「確かにそりゃそうだけど……」

 すると、言葉を濁した梨音に代わって、今度は奏介が質問する。

「そもそも部長、彼方が練習するときのギターはどうするんです? さすがに俺もずっとギター貸すわけにはいきませんよ?」

「それなら、アコギでよければ1つ余ってるから問題ない。今もまだ文化部共用の倉庫にしまってあるはずだ」

「え、そんなのあったんですか? あたし初耳! ソウは知ってた?」

 話を振られた奏介が首を横に振る。その話は、奏介にとっても初耳だった。

「そりゃお前らが入ってきてから見せてないからな。初耳で当然だろう」

「……そもそもそれ、本当に今も弾けるんですか?」

 すると、ジェロムは腕を組みしばしの沈黙の後で。

「知らん!」

 この男、言い切った。

「何せ俺ですらそいつを最後に見たのは、かつての持ち主だったここの先輩が引退間際に『こいつと軽音部の未来はお前らに託した!』と言って物置に放り込んでったとこだからな!」

 それはつまり、いらなくなったギターを体よく置いていっただけでは? と奏介は思ったが、口には出さなかった。

「まあいい、ちょうどいい機会だ。試しにここらでそいつを引っ張りだしてみるか? 弾くかどうかは、その後で決めてもいいだろう」

 かくして4人は、倉庫に眠っているという大先輩のギターを発掘しにいく流れとなった。

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