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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

四章

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その前に(普通の兄妹)

何と言うか、やっぱり色々と落ちが弱いと思ったので書きました。
まあ、それでも海田加奈に関してはもやっとしたままですけど。
 夏休みに若田部若菜の実家が営んでいる旅館でバイトをすることが決まりつつも、京香を一人にするわけにもいかない。
 ゆえに解決策として、働きはしないけれど連れて行くといった案を出したのだが、これは京香の同意を得なければいけないという事で好木は加奈のお見舞いから帰ってきた京香に帰ってきたと同時にリビングで話を始める。
 ちなみに先ほど若菜も夕食のお買い物出て家にいるのは好木と京香だけだ。

「なあ、京香。実はさ……。夏休みなんだけど、若田部さんの実家である旅館に住み込みで働きに行こうかなと思っている」

「うん、それで良いと思うけど」

「で、だ。ここからが本題なんだけど。京香を置いて行けるわけがないわけで……。働きはさせないけど、付いて来てくれないかというわけだ。どうやら、離れの方にお前ように一室用意してくれるらしい」

「別に良いけど?」
 京香は何食わぬ顔をして言い切った。
 好木としてはいきなりそんなことを言われても悩むものかと思っていたのだが、その見当はものの見事に外れたようだ。

「本当か?」

「というか、断る理由はないから。まあ、ちょっとの間加奈ちゃんのお見舞いに行けないのがネックだけど、そのくらいは別に平気だし」

「そうか。分かった。じゃあ、夏休みに若田部若菜の実家である旅館で働くことにOKを返しても問題ないで良いよな?」

「大丈夫。それで良いよ」

「ちなみに急で悪いけど、明後日からだから用意をしておいてくれ」
 そして、好木はあらかた話が付いたので立ち上がり、自分の部屋にもどろうとしたのだが、

「好木さん。少し、待って」
 京香に呼び止められてしまう。
 素直に好木は呼び止めに応じてその場に居座る。

「なんだ?」

「あの、ありがと」
 急にもじもじとお礼を言い始める京香。
 家族だからこそ、普段は何気なくお礼を済ませているゆえに面と向かってのお礼は妙な違和感を感じるのだろう。

「ああ、当然の事だろ?」
 急に言われたお礼について好木は何に対してなのかを聞かずとも理解した。
 面と向かってお礼を言うような事。
 それはきっと海田加奈関連の事に違いない。

「だから、私は普通に戻ろうと思う」

「ん? 今なんて言った?」

「加奈ちゃんが生きてると知って。色々と吹っ切れた」

「つまりは、前みたいに普通の兄妹に戻るってことか?」

「うん、勝手に振り回して悪いけど。やっぱり、私は好木さんの妹だから」
 京香の言葉に好木は歓喜した。
 それもそのはず、好木にとって京香は妹でしかなく、その妹と恋人的な関係に至るのは禁忌である。
 歪な関係にやっと終止符が打たれたようとしているのだから。

「ああ、俺的にはそっちの方が良い。だって、俺にとってもお前は妹だからな」
 そう言って、面と向かって話していた京香の頭に優しく手をポンと乗せ撫でる。

「うん。好木さん、ううん。おにい。今まで、ごめん」
 こうして、京香の兄への恋慕いは幕を閉じた。









 しかし、戻ったのは良いのだが。あることを忘れてはいけない。
 妹に戻った京香。兄に戻った好木。
 その二人の関係は重度のブラコンと重度のシスコンであることを。









「……ねえ、若菜さん。あれは何かしら?」
 調が腕のギプスを外し、家に帰ってきた時だ。
 目の前の光景が信じられずにリビングと併設しているキッチンで料理をしていた若菜を呼び、ひそひそと話を始める。
「なんか、普通の兄妹の関係に戻ったらしいです。私が買い物から帰ってきたらああでした」
 若菜はど眼下に広がる光景の理由を説明する。
 しかし、その説明がまったくもって意味が分からないため調は頭を抱える。

「あれは兄妹のスキンシップと言えるのかしら? 好木の膝の上に京香ちゃんが座るのは普通なの?」
 家に帰ってきた調が見た衝撃的な光景というのはリビングのソファーに座っている好木の膝の上に京香が座っている状況だ。

「なんというか、行き過ぎてますけどあのくらいな普通にあり得るんじゃないですか? もう少し、年齢が小さければ」

「……いえ、分かっていたわよ。京香ちゃんがブラコンなことくらい」
 そう、一応調も京香が兄に対してべったりなブラザーコンプレックスなことは知っていたのだが、それでもあの年ごろである兄妹がするようなスキンシップではないのである。

「そうですね。恋人になりたいと言っていた時よりも不純異性交遊的に見えます」

「そして、好木なんだけど。すごく、ヤバそうなのだけれど……。というか、分かってて座ってる京香ちゃんも怖いのだけど……」

「はい、考えを読めなくても私にもわかります。あれは凄いとしか言いようがありません。良く、あの状態の人の膝に座っていられるなと」

「ええ、なんで股間をおっ立てた人の膝の上にじっと座っていられるのかしらね……。いえ、兄を信じて別に襲われないとかそう言うのを考えて重圧がかかることで起きてしまう致し方ない生理現象と捉えて無視しているかと思ったらそうじゃなくて。勝手に振り回したという理由で別に襲われても文句は言わない的なことを考えているのがなおさら怖いのだけれど……。そして、それを分かっていて甘えるのを辞めないのも凄くおかしいわ……」
 調は考えを読めば読むほど困惑していく。

「あの、私思ったんですけど。神田君と京香ちゃんって恋人的に愛されたいとか抜きにしてもそのうち普通に一線を越えていたんじゃないでしょうか」

「そうかもしれないわね……。それよりも、好木が限界そうだし止めに行きましょうか。普通にギャップ差のせいでヤバそうだもの……」

「いや、それが何ですけど……。さっき、私も止めに行ったんです。でも、ダメでした。別に股間がお立ってていようが甘えるのを自重するつもりはないと言われました」
 止めに行こうとした調に若菜は先ほど自身も膝の上に座るのを辞めさせようとしたことを語る。

「それはもう重症じゃないかしら?」

「正直に言うと、ダメだと思います。もう手遅れです」
 若菜の口から手遅れだと言われる。
 もともと、京香が好木を好くことに対しては余り忌避感や反発はしていなかった二人なのだが、それは恋人として愛されたいと言っていた京香に対してである。
 しかし、兄妹と認識しながらも別に兄に手を出されても平気な妹は歪としか言いようがない。
 ついさっきまでの家族ではなく、他人の異性として恋人として見て欲しいという関係のほうが普通に健全であったのだから。

「そうね。あれはもう手遅れだわ。でも、辞める気がないと言っていても止めないと本当に不味いのよ。だって、好木のあれはもう限界寸前だもの。あれを盛大にぶちまけてしまいそうになっているの。というわけで、私はいくら自重する気は無いと言っても止めに行かせて貰うわ」
 リビングの物陰から飛び出し、好木の膝の上に座っている京香に調は話しかけた。

「その、京香ちゃん。好木の膝の上に座るのを辞めてあげなさい。さすがに長い時間座られるのも辛いのよ?」
 さりげなく諭してみる調。
 しかし、京香はそんな調に返答すべく思いがけない行動をとる。

 膝の上からどかずに好木と対面するかのようにぐるりと振り返り、好木の肩の上に頭を乗せる。
 そんな彼女ははっきりと調にこう言った。

「おにいとのスキンシップを邪魔しないで!」

「ねえ、京香ちゃん。あなたは兄に襲われても良いのかしら?」
 邪魔するなと言われても引き下がれない調。
 兄妹に戻ったのなら、できれば普通になって欲しいという考えるのは当然だ。

「別に良い。だって、私が勝手に恋人として見てって言ったんだし。今更になっておにいが恋人的なことぉをしたいと思ったなら受け入れないのはさすがに勝手だから」
 変な所で責任を果たそうとする京香。
 そんな様子から、調も若菜もあることを思った。
 あんな事件がなくとも京香は普通じゃなかったのだと。


 そして好木はと言うと、


 本当にやばい。
 恋人として愛されたいと言われる前はこんな感じでかなりブラコン気味な事でもアレは反応しなかったし、別に何とも思わなかった。
 でも、あれだけ恋人として見て欲しいから兄妹的な関係ではないように意識させるために少しよそよそしい関係になった後にこうして過激的なスキンシップをされたらさ。
 さすがにアレも反応するし、なんとも思わないわないわけがないだろ……。

 俺の膝に乗っているお尻が柔らかくて俺の胴に寄っかかる京香の背中。
 正直に言う。めっちゃ悶々とする……。

 と言ったように普通に妹に欲情してしまっているのであった。






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