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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

四章

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結果と次に

 海田加奈の治療を始めて一週間。
 日に日に良くなっていく彼女はもはや普通の精神病レベルにまで落ち着きを見せ始めている。
 そんな彼女のことについて調と好木は我が家のリビングで話していた。

「お手上げよ。ここからは普通に治療したほうが良いわ。これ以上はダメね」
 そう、落ち着きを見せ始めてからは一つ一つの言葉の重みが大きすぎて元より歪んできているのだ。

「そうだろうな。結局、俺達が治療に使っているのは毒なんだし」
 あの治療法は薬なんかではない、あくまでも毒なのだ。
 言葉の重みは相手を必要以上に突き動かす。それは京香の相手に恐怖を与える力と同じくらいに歪な力で制御しきれる代物ではないのだ。
 なので、これ以上毒となるあの力で精神的病を治療するのはしてはいけないという事だ。

「ええ、でも。普通の精神的な病と同じレベル位にまで落ち着いているのなら後は普通の精神科のお医者様に任せればきっと大丈夫ね」
 とはいっても、悲観することはない。
 なにせ、海田加奈は狂人から病人レベルにまで戻ったのだから。

「だな。そうでもしないと、軽はずみな発言で歪みまくるからな。というか、現にかなり歪んでるし……」

「そうよ。私がちょっと軽はずみにお母さんみたいに甘えて良いわよ。って言っら。本当に私の事をお母さんと言って来たり、幼児みたいに甘えてくるとか、普通にかなり歪んでるわよ……」

「まあ、その辺は時間をかければ治るんじゃないか? 現に調先輩の事をお母さんと言うときに少し自分でもそのおかしさに気が付いているようだし」

「分かってるわ。だからこそ、これからの治療はお医者様に任せた方が良いってことじゃない」

「だな。それよりも、案外京香のことをすんなりと許したのは意外だったな……」
 海田加奈が落ち着いてから、面と向かって京香は謝った。
 事の顛末をしっかりと話して理解させてから京香は謝ったというのに加奈はそのことを笑って許したのだ。 
 そして、今日も京香はお見舞いと称して話し相手になりに行っている。

「そうかしら? だって、結局のところ。組織がらみでの恐怖が先行したせいでああなった可能性がでかいもの。別に私でも案外京香ちゃんの事はさらっと許すと思うわ」

「そう言うもんなのか?」

「ええ、そう言うものじゃないかしら。さてと、すっかり加奈さんに付きっ切りになっていたせいで、一学期は終わり夏休みに入っているけれどもどうするのよ?」
 気が付けば一学期は終わり、夏を迎えていた。
 本当に夏が始まったばかりでエンジョイするには十分なほどに日数は余っているが割と海田加奈関係のことがあったせいで何も予定が埋まっていない。

「いや、その。俺はバイトをしないといけなくて……」

「そんなにお金に困っているの?」

「いや、まあ。それなりに……。ばあちゃんからの仕送りは意外にも普通だからな。いや、普通よりも少し多いから食費とかを切り詰めれば十分にお小遣いまで手に入るくらいなんだけど。加奈の治療の際に病院に行く際に掛かった交通費がな……」
 加奈を治療する際に何度も電車やバスを使った。
 その結果として、好木の財布は結構な悲鳴を上げているのだ。
 金銭感覚については割と祖母である神田菊代は厳しく育てている。まあ、普通に厳しいとは言ってもやはり随所にお金持ち的な感覚は入ってるが。

「交通費なら別に私が出して良いわよ。親からの仕送りも、あなたのおばあさまから没収された口座から毎月おかしくない程度にお金を引き出して貰っているもの」

「いや、それは……。だって、先輩に貸しを作ったら後が怖いですし」

「そうかしら? 意外と最近は自重してるじゃない。それのどこに不満があるのかしら?」

「確かにそうですけど。やっぱり、一度付いた印象は消えないって言うか。いや、別に今ならあの時ほど酷いことは絶対にされないって言う事は分かってるんですよ?」

「それもそうね。一度付いた印象は消えにくいもの。それじゃあ、好木はバイトでもするの?」

「まあ、そんな感じですね」
 好木がバイトをしようと言った時だ。

「だったら、うってつけの場所があるわ。ちょっと、待ってなさい」
 そう言うと、調はリビングから出て足音から察するに二階に向かう。
 ちなみに二階では俺が裸を見た際に何も反応がなかったのを悲しく思った結果、美容のためにと言ってヨガをしている若田部さんがいる。
 やはり、超能力者は集中力が人並み以上なのでこうした何気ないことでも割と長続きしているのだ。

 そして、調はすぐに戻って来た。
 つい先ほどまでヨガをしていて軽く汗ばんだ若田部若菜を連れて。

「ふう、神田君。バイト先を探しているんですか?」

「ま、まあ」
 ちょっと汗ばんだ姿が扇情的な若菜にそう言われ、ちょっと返答が鈍る好木。

「だったら、お友達として助ける意味合いで私の実家である旅館でバイトしてみませんか?」
 割と興奮気味に言ってきた若菜。
 その様子から察するに時期は夏休み、実家である旅館は人手不足で大変になっていると言ったところだろうか。

「助けるって?」

「実は夏休みの期間中にバイトに来てくれる人を決めていたらしいんですけど。その人たちがバックレたらしいんです。そのせいで、かなり厳しいらしくて私も駆り出されることになりまして……」

「なるほど、普通にあり得る話だな」

「はい、でも。お家の事情なのに神田君たちにバイトを頼むのはダメかなと思いまして。今まで、黙っていたんですけど。あの、本当に良ければで良いんですけど……」

「ちなみにお給料とかは……」

「相当に色を付けてくれるらしいです。後、ここからでも一応通えなくはないんですけど。住み込みになります。もちろん、ご飯も寝床も、お風呂もしっかりとあるので安心してください」

「良し、それなら」

「ほ、本当ですか。では、お願いします!」 
 ぺこりとお辞儀をする当たり相当に困っていたのが伺える。

「ねえ、そんなに困っているのなら。私も手伝うわよ?」

「え、でも調先輩はまだ腕を怪我していますし、正直に言うと難しいです」
 調の申し出を今だ治らない右腕をると、断ることしかできない若菜。
 申し出自体は嬉しいのだが、やはり片手が使えない人を雇うわけにはいかないのだ。

「それなら大丈夫よ。実は、この後病院でギプスを外してもらう予定なのよ。折れた時はやばいと思ったけれども意外とそうでもなかったらしいわ。というわけで、私はそろそろ病院に行かないといけないから話の途中だけど失礼させて貰うわ」

「そうですか……。じゃあ、お願いします。もちろん、重い物とかは持たなくて良いようにするので安心してください」

「わかったわ。じゃあ、少し病院に行ってくるわ」
 こうして、調も好木と同様に若菜の実家が経営している旅館でバイトをすることになったのだが、好木の頭にふと住み込みのバイトをする際に気になることがよぎる。

「そう言えば、京香はどうすれば良いんだ? さすがに中学生を長い間一人にさせておくのは少しあれだな……。って、まあ一人でいるのは慣れっこだろうけどさ。でも、なんだかんだで、世間はちょっとおかしくなってるし一人にさせておくのはできないし……」

「あー、そう言えば京香ちゃんはどうしましょうか。中学生を働かせるわけにはいかないですし、今は神田君のおばあ様も関係各所の都合で各地を転々としてるんですよね? となると身近に誰も頼れる人がいなくなっちゃいますね」

「そうなんだよ。京香を置き去りにはできないからな」

「じゃあ、こうしましょう。実は夏休み中に働いてくれる人用の離れがあるんですけど。そこで過ごして貰うって言うのはどうですか? まあ、行きたくないって言えばそこまでですけど」

「そんなことまでして貰って良いのか?」

「はい、大丈夫ですよ」

「よし、じゃあ今日帰ってきたら相談してみるか……。まあ、もし行きたくないとか言ったらちょっとバイトに行くのは遠慮させてくれないか?」

「いえいえ、こちらがわの急なお願いですし。そんなことは気にしないでください」
 と言ったように夏休みの予定はあっけなく決まるのであった。

 
直接的に解決した描写を書いていないからかすごくもやっとした出来に、いや、まあ自分でそう言う落ちにしようと思って書いたんですけどね……。
というわけで、もしかしたら一部修正とかするかも。
まあ、話がおかしくならない様にするのでそこらへんは許してください。
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