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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

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やはり超能力者は一筋縄ではいかない!1

「ねえ、好木。これから、どうしましょうか……」
 見捨てないと決め生徒会副会長の座を受け入れた後、いつも通りの日常を送った後、放課後に先輩に呼ばれるがまま、生徒会室にやってきたまでは良かった。
 ちなみに昼食は若田部さんがさらっとお昼時に渡しに来てくれた。
 味は正直に言うとあまり美味しくなかった。なんというか、全体的に塩分が欠けていてまるで健康だけを気遣ったような味であった。
 お弁当箱はアパートに直接返しに来いと言われており、その時に何をされるかわからずとても怖いのは内緒だ。

「あの、近いんですけど」
 先輩は俺の真横に座っている。
 しかも、椅子と椅子がくっつくと言うか、面する法の足はすでにくっ付いている。

「ええ、そうね」
 だから何だという顔。
 あの、節度を守ってってちゃんと言った気がするんですけど……。

「ええ、節度をきちんと守っているわ」

「はい、そうですか……」
 俺は椅子を動かし先輩との距離を空ける。
 しかし、先輩もまた椅子を動かし俺との距離を詰めてくる。それを幾度となく繰り返していくうちに俺は気が付けば生徒会室の隅にまで追いやられていた。

「あの、だから近いんですけど」

「ええ、だから?」

「あ、はい」
 もうだめだ。諦めよう。
 なんて、言うとでも思ったか、俺は先輩との距離を空けるべくある策を講じた。

「これで、どうですか?」
 ロングテーブルを上手く配置し俺だけの孤城を作り上げる。そう、周囲に椅子を置くことが出来ないようにロングテーブルを配置しなおしたのだ。

「そこまで、逃げなくても良いじゃないの」
 と今日のところは何とか逃げおおせた用で先輩は距離を詰めてこなくなる。

「で、どうするんですか? こっちに戻された仕事をどうにかしないとダメですし」

「ええ、そんなの簡単よ。二人分の適正量にしてあとはまた押し付ければ良いわ。もう、皆から嫌われようと好木さえいれば良いわ」
 ……。うん、選択肢絶対に間違えたわ。

「あら、選択肢は間違えてなんかないわよ。無事、ハッピーエンドじゃないの」

「いや、俺的にはやっぱり俺以外の人とも仲良くできるようにですね……」

「ええ、そのつもりよ」
 だが、その目からその意志を感じさせない。まるで俺だけを見る盲目だ。

「はあ、じゃあ二人分の仕事の適正量ってどのくらいなんですか?」

「予算管理の承認と精査、後は学生評議会の運営を今まで私が一人で行っていたわ。でも、二人となると文化祭、体育祭、球技祭、その他歓迎会等の運営は任せていたのだけど、そのうちの一つを私たちの手元に戻すのが正解でしょうね。まあ、二人の労力だとせいぜい球技祭かその他歓迎会の運営くらいだと思うわ」

「じゃあ、楽な方で」

「そうね、その他歓迎会の運営を生徒会に戻しましょうか。主に新入生歓迎会。卒業生送別会の運営ね。球技祭は今まで通り体育会系の部活に運営をお願いするわ。まあ、運営を戻すと言ってもまったくもって関わっていなかったわけじゃないの、だからその他歓迎会の主導権を握るような感じになるって言う風に考えて頂戴」

「つまり、結局のところ。全部に関わるけど、その他歓迎会はこっちが完全に主導で動くってことですか?」

「ええ、そう言う事ね。さてと、というわけで仕事を返しに行きましょうか」
 部活動、もしくは委員会活動を行う場所に俺たちは向かい、投げつけられた仕事に関する書類を返していく。

「あ? 役員が増えたんだから俺たちがやる必要はねえだろ?」
 と突っぱねてくる奴も当然いたが、

「あなた、常識を考えたらどう? 二人の役員で出来ることは限られるわ。その、大層な頭には脳みそが詰まってないとでもいうのかしら? そもそも、先輩方が生徒会長に立候補しなかったのが悪いのではないかと思うんですが。そこについてはどうお考えで?」
 なんか、怖いものなしになっていた。まるで、何者をも恐れない獅子をイメージさせる。
 その気迫に押され、次々に先輩方はこっちに戻そうとした仕事を受け取っていく。
 ただ、俺は先輩に対し強く物事を言い過ぎではないかと思い、先輩にちょっとお節介をしたら、

「別に私はあなたさえいてくれれば良いもの」
 と頬を赤らめて言った。
 だが、正直に言おう。普通に恐怖を感じてしまい、冷や汗が止まらない。
 ここはどこぞのファンタジー世界ではない。『あなたさえいてくれれば良いもの』なんてセリフ似合わない世界なのは誰もが知っている。

「ところで、あなた今日の昼食は若田部さんに作ってもらったお弁当を食べたそうね」
 無事、すべての仕事分担の再配置が終わり生徒会室に帰ろうとしていた時、先輩が俺に聞いてきた。
 なぜ、知ってるかは若田部さんが作ってくれたお弁当に対して考えている時に考えを読み取ったからだろう。

「ええ、そうですけど」

「気を付けなさい。味が薄かった理由を教えてあげるわ。あれは、あなたが考えていた通り健康一番に寄せて作っているわ。そして、あのお弁当を作るのに何冊も栄養関係の本とレシピをいくつも調べている。しかも、お弁当だけでなく朝昼晩のメニューを考えているの。そして、おそらくだけどあなたお弁当箱を直接アパートに返しに来るように言われてるわよね?」

「それがどうしたんです?」

「ここからは有料よ。アパートにお弁当箱を返しにいった時何をされるのか聞きたければ、あなたの匂いをか嗅がせて。実は私、重度の匂いフェチなの。だって、匂いは何も考えてないんだもの。臭ければ臭いし、甘ければ甘い。ただ、ひとつであり続ける匂いって本当に最高だと思うわ」
 匂いを嗅がせてか……。
 正直、若田部さんが考えていることが何なのか恐ろしい。良し、匂いを嗅がせるくらいなら。

「わかりました。どうぞ、嗅いでくださ、
 それと同時に廊下だというのに俺の股間に顔を押し付ける先輩。
 押し付けられた顔が動くたびに若干の快感の波が押し寄せて来て……。

「ストップ。それ以上されたら、マジで立つんでやめてください!」

「ええ、さすがにこれ以上嗅いでいたら誰かが来て見られたら大変だものね。我慢してあげるわ。だって、私は好木の学校生活を壊したいわけじゃないもの」
 すごくご満悦そうな先輩。
 口の恥には透明なよだれが垂れている。微妙にエロいのが少し股間に来てマジで立ちかけてしまう。

「いや、もう十分壊されてると思うんですけど。てか、いきなり股間に顔で突っ込まないでくださいよ」

「ええ、ご馳走様よ」
 そして、股間の部分はよだれで溢れていて、ねっちょりとしている。
 その後始末を考えたら股間は自然と萎えていった。それほどまでに汚いのだ。てか、お漏らしたみたいに見えるのがすごく心地が悪い。

「で、若田部さんのアパートに行ったら何が起こるんですか?」

「夕食に誘われるはずよ。あの子が部活に入らなかった理由は……。これ以上は有料ね」
 すっかりと味を占めた先輩。その姿少し腹立たしいのは言うまでもない。

「いや、さすがに今みたいのをそう何度も……」

「ええ、だから。今回は調って呼ぶようにしてくれればいいわ。それで、あの子が部活に入らなった理由を教えてあげる。だって、好木はいつまでたっても私のことを名前で呼ばずに先輩としか言わないんだもの、名前で呼んでほしいわ」
 名前で呼ぶくらいは良いか……。
 でも、さすがに年上だし先輩は付けよう。

「調先輩。これで良いですか?」
 そして、その瞬間。調先輩の好感度がさらに上がる。
 だから、この程度で好感度が上がるのは本当におかしいって。

「ああ、最高ね。年上だってことを忘れず敬う気持ちもある。もう、本当に好木ってば最高よ!」

「はあ、さっさと。話してくださいよ。若田部さんが部活に入らなかったわけを」

「ええ、それは簡単よ。花嫁修業を始めたからね。ええ、あなたと恋仲になった時のためにね」
 怖ええ。
 マジ、怖えよ。俺の好感度指標の能力的には俺に対する好感度はまだ恋人レベルから程遠いのになんで花嫁修業なんてし始めるんだよ。
 まじ、やばい。調先輩もやばいけど若田部さんもマジやばいって。

「酷いわね。私は節度を守ってるわよ?」

「廊下で人の股間に顔突っ込んだどの口が言うんですか……」

「ええ、ちゃんと人がいないか確認してから突っ込んだのよ?」
 いやさ、俺からしてみれば全然節度を守れてないんですけど。

「でも、私からしてみたら守れているわよ?」
 あ、うん。すっごく面倒くさいな。
 でも、この道を選んだのは俺なんだから仕方がない、仕方がないんだ……。
 俺は自身にひたすらそう言い聞かせるのであった。

 さて、若田部さんに夕食に誘われる。どう断ろうか……え? 素直に誘われろって?
 いや、そんなことしたらもっとエスカレートするぞ?


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