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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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抗う意思。しかし、甘い4

「……」

「……」
 空気が重い。
 それはそうだ。俺が波豆さんのあれであれしてたのをバレたんだからな。
 空気が重くならない方がおかしい。

「あの、波豆さん」「ねえ、ヨシ君」

 重苦しい、雰囲気の中互いが口を開き、互いの言葉はぶつかる。

「そっちから話してくれ」「そっちから話して良いよ?」

 またしても言葉はぶつかる。

「じゃあ、俺から」「じゃあ、私から」
 これでは埒が明かないと思った俺は敢えて黙る。

「……」 「……」
 しかし、波豆さんも黙ってしまう。
 そんな息ぴったりなコント見たいな事を数度繰り返す。

「とりあえず、ごめん」
 さすがの息ぴったりは終わりを迎え、俺から話を切り出すことに成功する。

「な、なにが?」
 取り合えず、波豆さんのあれで俺のあれを鎮めたことに対して謝罪をしてみたのだが、波豆さんは知らず存ぜぬで押し通し、見なかったことにしてくれる感じだ。
 だが、その雰囲気が辛い。
 はっきりと、何してるのかなあ? とか言って責めてくれた方がマシである。

「いくら、居なかったとはいえ女の子の部屋であんなことをするのは正直ダメだっと思う。しかも、なんと言うか貢ぎ物に波豆さんのあれを使うのは本当に不味かったと思う」

「う、うん。別に私は怒ってないから。男の子なら当然だからね!」
 しっかりと明るく言われることにより、一層と心苦しい。
 分かってくれているのは良いが、分かられて完璧に許されるのも又、苦しいのだ。

「っく、本当に俺は最低なことをしたと思う。俺のあれが掛かった波豆さんのあれはきちんと弁償するから許してくれ……」
 さすがに洗ってねと言われたものの、洗ったとはいえ波豆さんに履かせるわけにはいかない。
 仮にも俺のあれが付いたんだからな。
 ここはしっかりと弁償する。

「う、うん。私的には私が履いている下着の値段を知られて安い女とかそう言う風に見られたくないし、逆に弁償されても色々と恥ずかしいから嫌かな?」

「それじゃあ、埋め合わせをさせてください。そうじゃなきゃ俺は……」
 自責の念に追われる俺。
 だって、仮にも女の子のあれにあれを掛けてしまったわけだ。
 弁償できなければ埋め合わせという形でも取らない限り気が済まない。

「まあ、それで良いけど……でも、一つ聞いて良いかな?」

「なんでもどうぞ」

「あのさ、ヨシ君って。実はあの三人に流されてたんじゃなくて元々変態だったの?」

「……」
 言葉が出なかった。
 俺は元々変態だったのかもしれないとふと考えるも、女の子のあれをあれする際の貢ぎ物に使うのは健全な思春期なら十分にあり得るはずだ。

「あの、ヨシ君?」
 考えに考え抜いていると波豆さんがどうしたのか心配してくる。
 俺は変態かそうでないか、そんな単純な疑問に苛まれ、いまだにはっきりと変態ではないと言い切ることはできない。
 散々人に変態、変態、言っているような俺にとってさっきのあれは果たして変態ではないのだろうか?
 いくら、思春期でも行動に至るのはやはり変態なのではないか?
 いや、思春期だからこそ変態的な行動に至ってしまったのではないか?

「波豆さんが決めてくれ」
 そう、結局自分が変態かどうか決められなかった俺は波豆さんに判断をゆだねた。

「え? いや、うん。いいけどさ。正直に言うけど、ヨシ君はむっつりスケベな人がいないところじゃなんかしちゃう変態だと思う。まあ、別に特殊的な性癖でもないし、世間一般的に見ても普通な方じゃないかな?」
 むっつりスケベか……。
 確かにそうだな。
 というか、逆にオープンなスケベになったら絶対にあの三人は本気になっちゃうしそれこそダメだ。

「そうだよな? ところで波豆さんの話は?」
 俺から聞きたいことを聞いたので、今度は波豆さんの話だ。
 一応、あれが掛かったあれに対しては弁償ではないが、埋め合わせって感じでどうにか誠意を見せられるように計らって貰ったしな。

「あー、うん。ヨシ君。大丈夫?」

「ん? 何がだ?」

「いやいや、首筋とさっきちらっと見えたけど。上半身にあざみたいなのがたくさんあるから聞いたんだよ? それ、普通じゃないよね?」
 ああ、そう言えばそうだった。
 京香に首筋に一つ、上半身に幾つものキスマークを付けられたのをすっかりと忘れてたな。

「あー、これは京香にやられた」

「なんで?」

「昨日、若田部さんにもう少しくどくどとしてでも、はっきりと言った方が良いって言われただろ? それをなんの考えもなしに京香に実践したら、思った以上に京香がキレた。その結果、首筋と上半身にキスマークをたくさんつけられた。で、意外にも肌を吸われるのが気持ちよかったせいで、悶々として逃げ帰ってきたこの部屋でそれを発散してるところを目撃されたわけだ」
 事の顛末を簡単に説明すると、波豆さんは少し申し訳なさそうにしている。
 たぶん、若田部さんにもう少しくどくどとしてでも言えという発言を真に受けた俺がそれを京香にも実践してしまったせいでひどい目に合ったのを申し訳なく思ってるんだろう。

「はあ、とりあえず、ごめんね。確かに若菜ちゃんにもう少しくどくどとしてでもと言ったけど、京香ちゃんや調ちゃんは別な怒りかたが良いってその場で言わなかった私が悪かったよ」

「波豆さんは悪くない。若田部さんに対する対処法を京香に試した俺が悪い。人によって効率的な物事の伝え方は違うし。ところで、波豆さんが思う京香と調先輩の怒り方って?」

「うん、京香ちゃんはたぶんだけどあまり言葉が多くない方が適してる感じで、調先輩は敢えて何も言わないで構わないで考えだけで物事を分からせるって言う感じが良いかも。まあ、この二人に関しては情報不足だから間違ってたらごめんね」
 参考にはなるものの、今教えて貰った怒り方を試すのは非常に怖い。
 だって、さりげなく京香をキレさせただけでキスマークをたくさんつけられたんだから……。

「参考にしておく。というか、上半身は脱がなきゃ大丈夫だけど首筋のキスマークを隠したいんだけどなんかガーゼ的なものがあれば良いんだけど……」
 さすがに首筋のキスマークは隠さないと、本当に根も葉もないうわさが立ちかねない。
 なので、波豆さんにガーゼ的なものがあるか聞いてみると、

「うん、あるよ。確か、救急箱にあるはずだから、ちょっと待ってね」
 部屋にある戸棚に向かい、奥の方から救急箱を取り出してくれた。
 その中にはガーゼ以外にも大き目な絆創膏等が入っている。
 さて、ガーゼとは言ったものの絆創膏で良い気がするな。

「なあ、絆創膏とガーゼ。どっちが自然に怪我したっぽく見えるんだ?」

「さあ、どっちでも変わらないと思うよ。でも、私的にはガーゼはテープで固定しないとだし、絆創膏のほうが良いんじゃない?」

「なるほど。それもそうだな」
 というわけで出してもらった救急箱に入っている大き目な絆創膏を京香に付けられたキスマークの上に貼るのであった。

「そう言えば、深くは聞かなかったけど。どうやって、京香ちゃんに上半身にたくさんのキスマークをつけられたの?」

「ん? 京香が暇だからと言って試しにケーキを作ったと連絡して来たから、ケーキを食べに言ったら、そのケーキに睡眠薬が盛られれて目が覚めたら手錠で身動きを封じられてた」

「あー、うん。すごいね、そんなことされて相変わらずすぐに許せちゃうなんてさ」
 波豆さんは呆れ顔で俺に言ってきた。
 確かにここまで怒れない俺はある種おかしいんだろうな。

「許せちゃうって言うか、ああなったのは俺の所為でもあるし仕方がないって感じだな」
 京香に関しては本当に甘くしすぎた。
 それこそ、超能力が安定してからは少しづつでも良いから距離を置こうと積極的な動きを見せなかった俺が悪いのは明らかだ。

「でも、そう思えるってすごいよ? まあ、だからこそ、あの三人と私はヨシ君に惹かれるんだろうけどね。私たちは普通じゃない面も持ってるし、それを許してくれるなんて本当にたまらなく嬉しいし」

「そうか? 俺以外でもきっとそう言う人はいるだろ」

「うーん。居るだろうけど、でも目の前にいる人と会えるかどうかわからない人。ヨシ君だったらどっちに目が行く?」

「そりゃ、目の前にいる人だろ」

「そ、そう言う事。だからね、皆ヨシ君に甘えちゃうんだよ。というか、本当にそろそろ何とかしていかないと体中にキスマークを付けられてわかったでしょ? 甘えさせ続けるのが自身の身を滅ぼすってさ」

「だな。あの三人に呑まれて感覚がおかしくなる前にどうにかしないとな……」
 キスマークを付ける際の吸うという行為に地味に覚えた興奮。
 きっと、今後もしっかりと叱ることが出来なければ何度も何度も色々とされる。
 色々とされることは最初の内は嫌であってもきっとそのうち俺はその行為を受け入れてしまう。
 今でさえ、かなりおかしな状況に身を置いているのは重々理解している。
 これ以上、拗れた関係は御免だ。

「でもさ、流石に私も……かなって」
 物思いにふけっていた俺に話しかけてきた波豆さんは言葉を発している途中で小声になりしっかりと何を言ったのか聞き取ることが出来なかった。

「ごめん、少し聞こえづらくて聞き取れなかった」

「ううん、何でもないよ。さて、私は期末テストに向けて勉強するかな」
 波豆さんは一体俺に何を伝えたかったんだろうな。
 まあ、何でもないって言う事は大事な事じゃないんだろうし、きっと大丈夫だろう。


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