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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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更生したのは伊達じゃない8

更新が遅くてすみません。
今日はあと一話絶対に更新します。
「さて、話を続けようか」

「で、俺がどうして操り人形になるんだ?」

「気づいてないの? ヨシ君が悪い意味であの子たちに引っ張られていることにさ」
 え? 分かってないのと言った感じの苦笑いで波豆さんは俺にしっかりと伝えて来た。

「悪い意味で引っ張られてる?」

「そ、さて問題です。ヨシ君は調ちゃんに引っ張られてある行動を起こし始めています。それはなんでしょう?」
 まさかのクイズ形式とは思いもしなかったが、俺は波豆さんの問題に答えを求めるのだが一向に答えは見つからないで黙っていると、

「あ、分からない? じゃあ、言うよ。ヨシ君、君さ。軽い匂いフェチになりかけてるの気が付いてないの?」
 波豆さんは俺があまりにも悩むので答えてくれた。

「俺が匂いフェチ?」

「うん、だって京香ちゃんから聞いたけど、テニスウェアの匂いを嗅ごうとしたこともあったんでしょ?」

「っぐ。確かにあった」
 妹に変態と罵られた記憶は今でも新しい。
 本当にあの時は気まずかったな……。

「で、二回目。私の服の匂いを嗅ごうとしてたよね?」

「まあ、そうだけど……。でも、男ならそう言ったことをしちゃうことだってあるだろ」
 匂いフェチにじゃなくても、健全な青少年ならついそう言うことをしちゃうことだってある。

「あるね。普通なことだと思うよ、私も。でもさ、確実に調ちゃんの影響を受けていないと言い切れる?」

「……それは言い切れないな。というか、本当に操り人形ってどういうことだ?」

「簡単に言えば、怒れないヨシ君はどんどんあの三人の考えをくみ取っていく。そして、今では嫌だと思っているあれ入りの食事でさえ。喜んで食べちゃうような人になるって事。他人の喜ぶことで喜んじゃう、それを操り人形と言わないでなんと言うの?」

「いやいや、それはないだろ。さすがのあれ入りの食事はは俺でも受け入れられない。確かに他人の考えを受け入れていけば、操り人形みたいになるけど。さすがに今日のは無理だって」
 いくらなんでもそれは考えすぎじゃないかと思う。
 さすがの俺もあれ入りの食事を食べるのは絶対に受け入れられない。

「うーん。でも私は心配なんだよ。きっと、今抱いている怒りはどんどん回数を重ねるごとに薄くなる。そうなったら、あの三人の思い通りに好意を受け取れるようになっちゃうんじゃないかって」

「それは……」
 確かに言う通りだ。
 このまま、俺は真剣に怒らなければきっと俺はあの三人の思い通り、あれを入れるのは愛しているから、というのを理解できてしまうかもしれない。

「怒れないヨシ君はたぶんこのままだと普通に今は嫌だと思っていることでも理解できるようになっちゃうんじゃないかな?」
 俺が今まさに考えていたことを波豆さんに当てられる。
 そうだよな……あれ入りの食事を作ってきたのは俺が波豆さんばっか構っているから、こっちを向いてほしくてやったことだと言うのを理解できている。
 まあ、それでもあれを入れるのは常識的ではなく、不快であると言うのが今は上回っているけど。
 しかし、怒らないでずっと怒りを飲み込み続ければ……。

 きっと逆転する。

「そうかもな……」

「そして、ヨシ君。私に明日からはしっかりと怒るって言ったけど。どう見ても無理そうなんだよね……」
 痛いところを突かれたな……。
 怒ろうとは思ってるけどできる気がしないんだよなあ、本当にさ。
 俺を怒らせることが起きる前までは怒ろうと思っていても、いざ怒らせることが起きればきっと俺は……。

「というわけでさ、そんなヨシ君をどうやって怒らせようか悩んでいたからこうして夜に出歩いていたわけ。だって、調ちゃんや、若菜ちゃん、京香ちゃんはヨシ君が変わっていくのを喜んで受け入れちゃいそうだし。私の考えを読まれてヨシ君がより自身に近い考えを持ってくれるようにするために真剣に怒らせるのを防ごうとしてくるかもしれないからね」
 と言ったように夜出歩いたわけを波豆さんは話してくれる。
 確かにな……調先輩は俺が変わったことに対して割と喜びそうだ。

「というか、どうしてそこまで俺を思ってくれてるんだ?」

「ん? 好きだからだよ。私が好きな人がどんどん流されていく、それまた一つの在り方だと思うけど。私の見ることに対しての流儀は、皆違う事を考えたりするから面白い。だから、ヨシ君に変わって欲しくないかなって思うだけ」

「お、おう」
 さらっと好きと言われドキドキしてしまう。
 確かに、好きな相手がどんどん変態になっていくんだもんな、嫌に感じてもおかしくないか……。
 というか、やばい、本当にドキドキで心臓がバクバクしてる。

「それともう一つ理由はあるよ。調ちゃんにも若菜ちゃんにもきちんとした生活を理解して欲しい。だって、今は若くてただ一つの事に突っ走っても大丈夫だけど。きっと、ヨシ君にすべてを求めていく今の生活はそのうち破綻する。だからさ、更生した身としてあの3人が心配なんだよ」
 その言葉は重い。
 しっかりと更生して、様々な引き際や常識、それらをきちんと理解できてるから波豆さんの言葉は重い。

 よくよく思えば、波豆さんはおふざけをするも絶対に引き際は間違えない。
 酔っ払いみたいになる液体を飲ませられた時も、結局波豆さんは若田部さんを介抱するべくトイレに向かったり、能力の暴走が危惧されていたあの時も俺に協力をしてくれる姿勢を見せてくれた。
 確かに多少の悪ふざけはあっても、彼女の行動には限度というものがきちんと存在しているのだ。

 それに対して、調先輩や若田部さんはいまだ俺に対して限度を見誤っている。
 俺が嫌だと言っているのに食事にあれを入れたり、人のパンツを自身を慰めることに使ったりと、俺が辞めろと言ったことを今だ辞めてくれないどころか、日に日にエスカレートして行っている。
 まあ、しっかりと怒れない俺も悪いけどな。

「そうだな。このままだと、あの三人は絶対に将来不幸になる。よし、俺も心を鬼にしてあの三人にしっかりと限度ってものを思い知らせてやる」

「うん、そうそう。というわけで、明日からしっかりと嫌なことをやられたら怒りなよ?」

「ああ、俺はやって見せる」

「さてと、随分話し込んじゃったし、帰ろっか。明日も普通に学校だしさ」
 確かにそうだ。
 公園に来てからかなり時間が経ってるし帰るとするか。

 こうして、波豆さんと腹を割って話した俺はあの三人のためにも、俺が俺で居るためにも、しっかりと怒ることを決意したのだ。


 波豆さんの部屋に戻って来た俺達。

「さてと、ヨシ君。もう一度眠りにつく前に少し良いかな?」

「良いですけど」

「あれってどんな味なの?」
 何気ない質問。
 確かに気になるっちゃ気になるか……。

「苦いような、しょっぱいような……。でも、飲めと言われればぎりぎり飲むことが出来る位な味だ」

「はあ……。うん、今日腹を割って正解だったかも」
 顔は見えないけど波豆さんは呆れたように俺に言った。
 一体、何を呆れてるんだろうな。

「あ、もしかして私が呆れている理由。分かってないでしょ?」
 と顔は見えてはいないのに俺の考えはお見通しの様だ。
 ところでどうして呆れたんだろうな。

「ヨシ君。飲めと言われればぎりぎり飲むことが出来るって言ったよね? それってさ、何度もやられるうちに慣れちゃってる証拠だから」
 俺は慣れてしまっているのか? 
 確かに言われてみればそうだな……。

「っぐ。匂いフェチに引っ張られてるって言われたときはそうか? と思ったけど、今のあれを飲むことに関しては忌避感が無くなってるし引っ張られてるのか……」

「うーん。そう言う風に変わっていくのも悪くないだろうけどさ。でも、やっぱり私はヨシ君には変わって欲しくないかな? って、明日も普通に学校だしもう黙るね」

 確かに俺はあの二人と出会って変わってきている気がする。
 それが良いのか、悪いのか、決めるのは俺だ。
 変わって欲しくない人もいるし、俺自身も変態にはなりたくない。

 さて、明日はしっかりと怒るとするか……。

 と思いながら眠りにつくのであった。


 
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