挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

76/110

更生したのは伊達じゃない5(あれ)

休日はあっという間に終わりを迎えた。
 昼食を取った後の有り余る時間はどうしたかって?
 いや、普通に勉強しただけで、勉強以外はほとんど一日目と同じであった。
 夕食時になれば外に出てご飯を食べ、お風呂に入るときにはそれぞれ交互に入る。
 こんな感じで過ごしたまでだ。

 そして、いつも通りに平日は学校にやって来て今現在は朝のホームルームが行われている。

「さてと、テスト期間が間近になって来たけど。お前ら勉強しろよな」
 朝のホームルームの締めくくり、担任が俺達に勉強しろと言ってきた。
 がちがちな進学校でないこの学校では先生は決して勉強を無理強いしてこない。
 ある意味気楽ではあるものの、逆に成績について注意してくれる人がいないのでつい妥協してしまったりと良くない面もある。

「なあ、神田。お前って、頭いいよな? だから、俺と勉強しようぜ?」
 一度は疎遠になりかけるも、何とか持ち直して今では仲の良い友達である田中が俺に頼み込んできた。

「って、田中。お前もそこまで頭が悪いわけじゃないだろ? 一人でしろって」

「違う。そうじゃない、俺が提案したいのは勉強会なんだよ。勉強会! お前は学年でトップクラスに頭が良い。だから、お前が参加してくれれば女子を誘いやすいんだよ。てか、お前こそこのクラスの女子とはいまだに少し馴染めてないんだからさ。これを良い機会に思ってな?」
 田中がそう言ってきた。 
 確かにこのクラスの女子にはいまだに調先輩と性行為したと言う噂を流されてからは少し微妙な雰囲気だし、良い機会なのかもな。
 まあ、誘いに応じてくれればだけど。

「え、何々。田中、勉強会をするの?」
 田中に対して気のある女子生徒の羽倉 美佐さんが俺と田中の間に割り込んできた。
 何で気のあることがわかるかって?
 一応、俺も超能力者で交換度を測る力があるからな。
 とは言っても、口外は絶対にしない。
 だって、いくら好感度が高くても告白する勇気を持っていなくて告白できない人。はたまた、好きなのに将来的な不安が先行して思いを告げられない人。そう言った人が数多く存在し、好感度が高かろうが恋人になるとは限らないのだ。
 好感度だけがすべてじゃないわけである。

「おうよ。この、成績がトップクラスの神田が面倒を見てくれるってよ。どうだ? 羽倉さん。参加しないか?」
 田中が羽倉さんを勉強会に誘う。
 こういうところだけは本当に抜け目のない奴だ。

「え、本当? わかった。わかった。じゃあ、私もエミちゃんに声かけてみる。私的には人数は神田君と田中とエミちゃんと私。そのくらいがちょうど良いと思うけど。場所はどうするの?」
 と言ったように早速、勉強会に参加してくれる人は見つかった。
 ちなみに今、羽倉さんが言ったエミちゃんとは波豆さんの事である。
 そして、田中にさらっとアプローチを掛けるべく、人数を四人が良いというあたり本当に田中に気があるんだろう。

「そうだな、場所か……。高校近くにあるファミレスやらそう言ったお店はあまりにも勉強目的でくる奴が多すぎて勉強目的の利用は禁止されてるし、そうなるとどうすれば良いんだ?」
 なぜ、俺の方を見て聞く?
 それもそうか、俺が一人暮らししているのは田中は知ってるし俺に場所を提供しろってことだな。

「さあ、どうすれば良いんだろうな」
 だがしかし、我が家には絶賛同居人がいるわけでおいそれと人を連れて行ける状況ではない。
 京香は良いけど、あの二人が居なければまあ別に勉強目的に友達を入れるくらいなら良かったけど。 

「いやいや、神田よ。お前一人暮らしだろ? しかも、それなりに広い所に住んでるって言ってたろ?」

「あー、俺の家は無理だ。今は色々とごたごたしててな」

「そうなのか? じゃあ、俺達はどこで勉強会をすれば……」
 田中は頭を悩ませる。 
 自身の家でやろうと言わないのは田中の家の部屋も無理な理由があるのだろう。

「えー、場所が見つからないの? まあ、見つからないのなら放課後の教室でも良いけどさあ。なんか、雰囲気が微妙だし」
 確かにせっかく集まって勉強するというのに放課後の教室とは学校の授業の延長と言った感じがしていまいち煮え切らないだろう。

「だよなー。学校に残って勉強するのは少し違う気かがするよなー」
 と言ったように田中もいまいちな顔をしていた。
 このままだと勉強会をする流れ自体無くなりそうであった時だ。

「ヨシ君。何を話してるの?」
 少し離れた位置から波豆さんがやってきた。

「お、珍しいな。波豆さんが教室で神田に話しかけるのって」
 そう、波豆さんとは同じクラスだが、互いにクラスに仲が良い同性の友達がいることからあまり教室では話したりしていないのだ。

「あ、そうだ。エミちゃん。実は勉強会をしようと思っててもちろん参加するよね?で、相談なんだけど、もし良ければエミちゃんのお部屋でするのって大丈夫?」
 なんとしてでも田中との接点を持ちたい羽倉さんは波豆さんに聞いた。 

「んー、別に良いけど。でも、最大で4、いや詰めれば5人までしか入れないよ?」
 と言ったように波豆さん別に部屋に入れるのは大丈夫らしい。

「ほんと? じゃあ、お願いしても良いかな、エミちゃん」

「うん、良いよ。で、誰が参加するの?」
 こうして、勉強会をする場所は波豆さんの家に決定した。
 参加する人は波豆さんの家の事情的に5人まで、俺と田中、羽倉さんと波豆さん。
 すでに四人は決まっている。

「波豆さんと羽倉さん。俺と神田だ。人数的問題があるならこの四人で良いだろ。無理して詰めさせて5人目を呼ぶ必要もないしな」
 と言ったように田中が波豆さんに説明する。
 田中的には女子が二人も参加する時点で大満足な様子だ。

「そっか。っと、気が付けば一時間目がもうそろそろ始まりそうだね。ヨシ君、話はまたあとで。別にそこまで大事な話じゃないし」
 と俺の席に集まっていた皆は自分の席に散っていくのであった。

 
 そんな勉強会が行われることが決まった日の昼休み。
 調先輩が生徒会室に来いと連絡してきたので、生徒会室に向かうと。

「というわけで、神田君。これをどうぞ」
 調先輩に呼び出されて向かった生徒会室にいた若田部さんにそう言われお弁当を渡された。
 勿論、俺を呼び出した張本人の調先輩もいる。

「実は、若菜さんと京香ちゃんと私でお弁当を作ったの。良ければ、食べて頂戴」
 調先輩が今渡されたお弁当に補足をしてきた。
 ああ、今渡してきたのは三人で作ったのか。

「どうしたんです? 急に」

「急にも何もないわ。だって、波豆さんと仲良しこよしでこのままだと本当に寝取られると思ってのアピールよ。さあ、食べなさい。私たち、お手製の色々と詰まったお弁当を」

「そうです。たくさんのあれが詰まったお弁当を是非食べてください!」
 要するに波豆さんに俺の心が傾きかけていると思って自分たちに引き戻すためにお弁当を作ってきたわけか。
 まあ、そう言うことならさすがに好意は無下にできないし食べるとしよう。

「ん? なんか少ししょっぱい気がする……。まあ、三人で作ったらしいし、いつもと味が違って当然か」

 こうして、俺は三人が作ったお弁当を昼食として食べるのであった。





 そして、気が付けば放課後。
 俺達は波豆さんの住むアパートにやってきた。
 まあ、俺は帰ってきたようなもんだけどな。

「さて、少し片付けてくるから待ってて」 
 と波豆さんは部屋を片付けに一人で部屋に入る。
 俺の私物とかが散らばっているからな、そのままの状態じゃ人を招けるわけがない。
 もし、俺が波豆さんと俺が一緒に同居しているなんてばれたらそれこそどんな噂が巻き起こるか堪ったもんじゃないからな。

 それから、数分後
「さて、片付けたから入って良いよ。まあ、あまり弄らないでね」
 波豆さんの部屋に俺達は入れて貰うのであった。

 波豆さんの部屋に入ると田中は言った。

「これが年頃の女子の部屋か……。っと、キモイ事を言ったら追い出されるし、黙っておこ」
 初めて入った年頃の女の子の部屋という事もあり、そわそわとしていた。

「すごい、私の部屋より片付いてるし、シンプルですごくいい感じじゃない?」 
 羽倉さんは自身の部屋と対比していた。
 仲は良いものの、始めて波豆さんの部屋に入った様だ。

「そうだな、シンプルで良いな」
 と俺も普通に入ったことどころか、泊まったことさえある波豆さんの部屋について感想を言う。
 だって、堂々としてる方がおかしいからな。
 そんな俺のしらじらしさを見て波豆さんは少し笑っていた。

「さて、皆座って。勉強しよっか」
 波豆さんに言われた通り、俺達は少し狭苦しくなった波豆さんの部屋で勉強を始めるのであった。

「あの、田中。ここ、教えて?」

「お、いいぞ」
 互いに苦手な所をカバーしながらの勉強。
 そう言った他人との関りがあるおかげで勉強に対する飽きを感じずにいられ、俺達の試験対策は意外にもいい感じに進む。 
 勉強会と言いつつ、何か別なことに脱線するかと思いきや全然そんなことはない。

 そんなわけで気が付けば外は真っ暗になってからそれなりに時間が過ぎていた。

「って、もうこんな時間か。さすがに波豆さんに迷惑だし。帰ろうぜ」 
 田中の言う通り、もうお開きの時間にはちょうどいい。
 異性の部屋でなければ、もう少しだけ長居というか、下手すればノリで泊まりまでもつれ込んでいただろうが、ここは紛れもなく波豆さんの部屋で女性が住む部屋である。
 引き際を感じてそう言ったのだろう。

「そうだね、エミちゃん家に長居するのも悪いし、そろそろおしまい。あー、本当によく勉強した」
 羽倉さんも集中力が切れてきたようで今日の勉強会はこれまでの様だ。
 さて、俺もこの部屋にお世話になってることを知られるのは良くないし、白々しくも帰るふりをしようか。

「そうだな、俺も帰るとする」

「え、ヨシ君。帰るの?」 
 波豆さんは意外な表情を浮かべてそう言った。
 まさか、俺が帰ってしまうとは思ってもいない表情だ。

「だって帰らないと……」
 と俺は田中と羽倉さんの方に一瞬、視線を流す。
 これで、俺がここに残るのはおかしいことであるとわかるはずだ。

「あ、そうだよねー。はは、そうだった」 
 おそらく、俺が波豆さんの部屋にお世話になるのを辞めて我が家に帰ると言い出したのかと勘違いしたのだろう。
 一応は一週間、波豆さんの部屋に住むことになっているからな。

「ん? なんだ、今のやり取り」

「ねえ、エミちゃん。今のやり取りは?」
 田中と羽倉さんも俺達の今のやり取りに違和感を感じたようだ。

「別に何でもないよ。私の勘違い」
 波豆さんはそう言って適当にはぐらかした。

 そんな俺達は波豆さんに見送られて、波豆さんの部屋を後にする。

 まあ、俺は駅まで二人に付いて行って、しれっと波豆さんの住むアパートに戻るけどな。

「いやー、今日は本当に勉強が捗ったな」

「そうねー。これで、試験はばっちりじゃない?」

 そして、羽倉さんと田中は中々にいい感じな雰囲気を纏わせている。
 どうやら、羽倉さんの気になる思いが田中に通じ始めているようだ。

 他愛のない会話をして俺たちは駅に着く。

「っと、すまん。俺、波豆さんの部屋に携帯を忘れた」
 とはいっても、俺は電車に乗る必要はないので適当な理由を付けて駅を離れた。

「お、そうか。じゃあ、また明日な」

「あ、少し良い?」
 田中には別れを言われたものの、羽倉さんに止められる。

「なんだ? 羽倉さん」

「あの、今までごめん。神田が変な噂が流されたから少し苦手意識持っててさ。感じ悪かったでしょ?」

「そ、そうか?」

「じゃあ、また明日。さ、田中。行こっか」
 とわざとらしく羽倉さんは田中の手を引き。
 駅のホームへと消えていく二人であった。

 さて、俺も帰るとするか……波豆さんのアパートにだけど。
一見、平穏な日常回。
さて、()回にした理由はなんでしょう。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ