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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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変わり始めた日常3

シリアス系なお話になると思っていた方ごめんなさい。
 ちょうど昼食時であったのにも関わらず、落ち着いて話す必要があるために仕方がなくショッピングモールを後にした。
 さすがに外で今さっきまで置かれていた状況を口にするのは危険である。
 だから、神田菊代によって周辺が安全に保たれているはずである安全なわが家へと帰る。

「さてと、これから少しお話しましょう」
 そして、我が家のリビングで調先輩が京香と若田部さんに今日起きていた事態について話をし始めた。
 その際に波豆さんはばあちゃんというか超能力者を支援する組織のお偉いさんに電話をした結果、どうやら各地で本当に有用な超能力者の取り合いが起きているらしく、大きい組織から小さい組織まで血眼になって有用な超能力者を下見したり、実際に誘拐したりというのが過激化しているとのことだ。

「つまり、今日。私と調先輩は付けられていたんです? 他のお三方はどういう風な感じに扱われて……」

「ええ、そうよ。私と若菜さんだけが今日は付けられていたわ。好木と波豆さんと京香ちゃんについては知り合い程度に思われていたんじゃないかしら? 尾行され始めたのは家具店を出てからだもの」

「どうして家具店を出てからなんです?」

「さて、ここからは好木も波豆さんも聞いて頂戴。スマホでのメッセージを使う都合上省いていた補足情報を話すわ。家具店を出てから尾行されたのは簡単なことよ。ここら周辺に住んでいる超能力者リストというのが存在するらしいわ。それを元に超能力者たちを下見していたところ、ちょうど私たちをたまたま見かけて尾行し始めたからよ」

「超能力者リストって?」
 俺は調先輩に何となく言葉から察することはできるが一応質問しておく。

「文字通り、この街周辺に住む超能力者達の名前と個人情報が書かれたリストよ」

「どこまで書かれてるんです?」

「住所と通っている学校とか、人によって差はあれど結構な情報が書かれているわ」

「そんな……」
 そこまで自分たちのことを知られていることに恐怖する若田部さん。
 そら、住所とかを通っている学校とかを知られていて恐怖しない方がおかしい。

「さて、というわけで若菜さん。私の周囲1キロから絶対に離れないで頂戴」

「それってどういう意味なんでしょうか?」

「……実は私は周囲1キロまでの範囲にいる人、全員の考えていることを知ることが出来るわ」

「⁉」
 調先輩の言葉を聞いた瞬間、皆の顔が一気に驚きに包まれる。
 勿論、俺も驚きを隠せない。

「好木とあった時はそこまでではなかったわ。目に捉えられている範囲だけしか考えを読み取ることはできなかったの。でも、いつしか目に捉える必要さえなくなり、考えを読み取ることのできる範囲はどんどん増えて行ったわ」
 自身の馬鹿げた力を化け物みたいでしょ? と言わんばかりに話す調先輩。
 確かに、調先輩を絶対に悪の組織に渡してはいけないがためにばあちゃんが俺に命令できる権利を与えたのを嫌というほど理解させられた。

「調先輩……。そんな顔をしないでくださいって。いくら、化け物みたいで常軌を逸していようが調先輩は調先輩ですから」

「好木。本当にあなたは優しいわね。さて、つづけさせて。だから、若菜さん。本当に私から離れないようにしなさい。もし、周囲一キロにあなたのことを狙うものが現れればすぐに知らせられるもの」
 なんとも頼もしい発言である。
 いやはや、調先輩の超能力が俺達が思っていた数倍も凄かったのは驚きだが全くもって頼りになる限りだな。

「でも、私の力なんて……やっぱり狙われるものじゃない気がするんですけど……」
 若田部さんが自分の力はそこまでの物じゃないと言い張るも、

「いえ、若菜さん。あなたの力は紛れもなく私同様に凄まじいわ。ここにいる好木に嘘が分かる超能力を共有してこう言ってみなさい『神田君、私の胸を揉んでも良いです』と」

「そう言うなら、『神田君、私の胸を揉んでも良いです』これでどうですか?」
 若田部さんの言葉を聞いた瞬間、胸を揉んでも良いのには変わりないことを嘘が分かる超能力を共有した結果、真実味を帯び俺の理性に働きかける。
 本当に揉んでも良いのかと。
 そう、彼女は別に俺に胸を揉まれても良いと思っている。
 女の子の胸を揉めるなら、揉みたいし、触って感触を確かめたい。
 だって、若田部さんの胸は大きくて柔らかそうで、それでいてずっしりとしてそうで……。

 そう考えた俺の手は気が付けば若田部さんの胸に向かって伸び始め、

「って、俺何しようとしてるんだ?」
 途中でふと我に返り手を伸ばすのを辞めた。
 本当にやばいな若田部さんの能力……。

「本当に自制心が凄まじいわね、好木。今のでわかったかしら? 嘘が分かる超能力を共有できるようになった若菜さんにとってもはや嘘が分かる能力はおまけなのよ」

「確かにそうです。普段の神田君なら手すら伸ばそうとしませんし……。そんなに私の言葉は重くなるんですか?」

「その通りよ。若菜さん。あなたの言葉は世界中の誰よりきっと重いものだわ。それこそ、心理的に作用を及ぼすほどにね。正直に言うわ、現状のところ私と若菜さんの超能力は世界のパワーバランスさえ壊せるのだから絶対に変な組織に捕まるわけにはいかないの」
 そんな時だ。
 この家に来客者が訪れた。
 すかっりと場の雰囲気にのまれ黙っていた京香がインターホンのカメラに映る姿を確認しに行く。

「え? おばあちゃん」

『はい、ここを開けてください。少し、大事な話があります』

「うん、わかった。おばあちゃん。待ってて」
 と京香は玄関に駆けて行った。
 そして、京香は俺のばあちゃん、神田菊代を連れてリビングに戻って来る。

「ばあちゃん。どうしてここに?」
 急に訪れたばあちゃんの表情は堅く、いかにも大事な話があるという雰囲気を漂わせている。

「とりあえず、身の安全を確認しに来ました。それと調さんと若菜さんに大事な話があります」
 毅然とした態度でリビングにいる俺達の前に立つばあちゃん。

「とりあえず、お茶を出します」
 気を利かせて、ばあちゃんにお茶を出そうとした若田部さんなのだが、

「いえ、それよりも若菜さん話が先です」
 とばあちゃん制止される。 
 どうやら、本当に大事な話をするつもりでここに来たことがひしひしと伝ってきて仕方がない。

「話とは何でしょう。おばあ様」
 調先輩が話題を切り出し、何を提案しに来たのか本題を訊ねる。

「では、話をさせていただきます。調さん、若菜さん。正直に申します。強力な力を持った超能力者の内数人の身柄は私が率いている会社が保証することとなりました。そこに調さんと若菜さんも含まれているという事です」

「企業が身柄を保障?」

「国自体が超能力者を国益に繋がるものとして最近の誘拐事件等は放っておけず保護政策を取り始めました。その一環として反社会的勢力が手を出しにくいように超能力者達に大きな後ろ盾を付けるという名目のもと企業が強力な力を持った超能力者の身柄を預かることとなりました。超能力者によって今まで築き上げてきた企業の社会的地位や利益、その他諸々を奪われたくなければ、超能力者で良からぬことを企むやつらに攫われないようにしろという事です」

「……随分とおかしなことになっているんですね。おばあ様。なんで、わざわざ企業に超能力者を守らせようとするんでしょうか?」

「はい、正直に言うと、今回の処遇は保護なんかではありません。簡単に言えば、超能力者は今の経済バランスを簡単に塗り替えることが出来る。だからこそ、現在の企業の力関係を崩さないために相応な超能力者を配分したわけです。まあ、現状では身柄を保証している超能力者を企業の営利活動に協力させてはいけないという条件がありますけど、それは在ってないようなものです」

「まるでモノのようね」

「……それは否定できません。実はこの話はかなり前から持ち上がっていました。最近、強力な超能力者の誘拐が多発しているため企業が強力な超能力者の身柄を保証すると言った変な制度がまかり通ってしまったのです」
 それから、ばあちゃんはどのようにして調先輩と若田部さんの身柄が保証されていくかを話した後、この場を後にした。
 ちなみに、俺と京香も一応神田家が率いる会社が身柄を保証するという事になっているらしい。
 波豆さんに関しては強力な力を持った超能力者として保護する必要はないと判断されたため、どこかの企業の保護下に入るとかそう言ったことはないそうだ。

「どんどん、世界がおかしくなっていってるな」
 ばあちゃんが去った後の静まり返ったリビングで呟いた。

「そうね、でもこれで確信が持てたわ」
 調先輩が強い口調で言う。
 一体、何の確信が持てたんだ?

「好木、私たちはこの世界を変えられるの」
 一体何を言うつもりなんだ?

「好木、このまま超能力者を世界に優遇させる、もしくは超能力者で世界を乗っ取ってしまえば良いの」
 意味が分からない。
 急に興奮して調先輩は一体何を言っているんだ?

「ええ、言ってしまうわ。はっきりと言うわ」
 興奮した調先輩が言い切った。

「好木、あなた私と若菜さん。両方が好きよね?」

「いや、それは……」
 唐突な調先輩が言ってきたことに対してたじろいでしまう。
 そんな俺に続けざまに先輩は言う。

「でも、好きなのにお嫁さんにできるのは一人。それを解消できる可能性が十分にあるという事よ」

「あの調先輩? 一体何を言ってるんですか?」
 一体何を言ってるんだといったのにも関わらず調先輩は止まらない。

「超能力者が世間にとって影響を及ぼし始めた。それすなわち、社会的地位の向上から、下手すれば一般人をコントロールできる立場にでさえ立てる可能性が大きくなってきたという事よ。まあ、超能力者がより管理されるかもしれない可能性と言った負の面は今回は目を瞑らせて頂戴」
 さらに調先輩は続ける。

「実を言うと、私は好木が一番だけど若菜さんも普通に好きよ。だからこそ、こんな三角関係の修羅場なんて正直に言うと本当に心苦しかったわ」

「超能力者が優遇される世界。その際に超能力者が重婚できるような制度を作らせるわ」

「そう、好木による。好木のための合法ハーレムが実現する可能性が見えてきたという事よ!」

 正直に言おう。
 この人何言ってるんだ? 俺のための合法ハーレムが実現するとかさ意味が分からない。

「なるほど……そう言うことなら私も力を貸しましょう。調先輩、私も実は神田君が好きですけど、調先輩から奪うのが心苦しくて仕方がなかったんです」
 調先輩の馬鹿げた話に同調する若田部さん。
 いやいや、普通に考えて重婚を認めさせるとか無理だろ。

「ええ、若菜さん。そうよ、この世界はもう私たちにとって窮屈すぎるわ。二人で変えてやりましょう」

「調姉さん、若菜姉さん。私も、兄弟で結婚できるようにしたい」
 京香、お前も同様に絵空事を言うのか? 
 さすがに実の兄妹で結婚は無理だって。
 てか、重婚を認めること自体できるはずがない。

「そうね、兄妹間の結婚も認めさせましょう。後、波豆さんも私達に遠慮しなくて良いのよ? だって、監視兼サポート役を解雇されたのに好木から離れたくなくてよりうまく監視できるようにとか変な理由を付けて好木の後ろをちょろちょろとしてたじゃない。はっきり言うわ、別に今更好木のハーレムに一人加わろうが全然平気よ」

「え、私はヨシ君のことなんて、別に……」
 だよな? 波豆さんは俺の事なんて好きじゃない。
 勝手に俺のことが好きだとか何を言ってるんだか、調先輩は。

「その呼び方もそうじゃない。より親密になりたいから好木君から呼び方を変えたのはお見通しよ!」

「っぐ、そうだよ。私だって、ヨシ君のことが好き。でも、本当に良いの?」
 ……いや、本当なのか?
 波豆さんも俺のことが本当に好きだったのか……確かに監視理由とか本当に変だったからな……。

「ええ、良いんです。この世界がおかしいんです。なんで、一人としか結婚できないのか、なんで兄妹と結婚しちゃだめなのか。そんな、障害はもう壊しましょう。だから、波豆さんも素直になって良いんです」

「いや、でもさ。肝心のハーレムを形成するヨシ君がもの凄く唖然としてるけど?」
 だってさ、急にこんなことを言われて呆気にとられない方がおかしいだろ。
 普通に考えて、今言ったことは本当に実現できるわけがないし……。

「あなたがそんな考えでどうするの? あなたこそ、私と若菜さんを放したくないからずるずると関係性を引き延ばしにしているんじゃない。そんな、あなたのために重婚を認めさせるのよ?」
 なぜか、調先輩に怒られる。
 いや、確かに調先輩と若田部さんに関しての関係性はそうだけどさあ……。

「というわけで、好木。私は何としてでも重婚を認めさせてみせる。だから、あなたが甲斐性なしになってしまうことを危惧する必要はないわ。もっと、自由に私達に手を出して良いのよ?」

 確かに超能力者が世間に及ぼす影響は大きくなってるけどさ、重婚を認めさせる程までは行かないと思うんですけど……。
 
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