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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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変わり始めた日常2

 京香が気になる服があるお店にやってきた。
 お店に置かれている服はかなり大人びたというか、社会人向けなお店。

「これはどう?」
 服を体にあてがい似合っているか聞いてくる京香。
 白いワンピースと言っても大人向けでシックなものを俺に見せてきた。

「うーん。似合いそうだけど、俺的にはもっと可愛らしい方が良いな」
 なんと言うか、京香にはクールに決めるよりもキュートな方が良い。だって、妹として見れば本当に可愛らしいからな。クールに着飾られるとなんか違う気がしてしまう。

「子ども扱いしないで欲しい。私も、もう中三だから、クールで決めたいの」
 と個人的な意見を言ったら怒られてしまった。
 まあ、確かに中学三年生ともなればもはや可愛い服よりも大人っぽい服の方に好みも変わっていくか……。

「そうです。でも、京香ちゃんは割と可愛い服のほうがまだ似合うので良いと思いますけどね」
 若田部さんの言う通りで兄的には可愛げがある方が良いし、俺的には可愛い方が良いんだけどな……。

「でも、私は大人っぽい方が良い」
 だそうなので、今日は可愛い気のある服は眼中にないようだ。

「じゃあ、こっちのフレアスカートはどうです?」
 若田部さんと京香は楽しそうに服を選び始めたのに対して、

「……どういうのを着れば良いのかしら?」

「さあ、私もよくわかんないや」
 と言ったようにあまりおしゃれに興味がないと言うかよくわかっていない調先輩と波豆さん。
 だがしかし、興味はないというのに二人とも今現在着ている服はばっちりと決まっている。

「普段、二人はどうやって服を買ってるんだ?」

「マネキンのをそのまま買ってるわ」

「私は動きやすさ重視かな? スカートとかって動きにくいし」

「まあ、そう言うのもありだが、自分で選んだりして見たらどうだ?」

「あら、好木。そんな事を言っても良いの? 私の絶望的なセンスにひれ伏すことになっても良いのかしら?」
 いやいや、こういうことを言う人に限ってセンス抜群だったりするし、取りあえず選ばせてみよう。
 どんな服を選ぶか面白そうだしな。
 とか思っていたら、考えを読んだ調先輩は自分の服を選びに行ってしまった。

「私も選びたいところだけど、今日は辞めとくよ。ほら、四人の服を一気に買ったらヨシ君の財布も軽くなっちゃいそうだし」
 さらっと俺に買ってもらうと言ったことを冗談めいたように言っているが、実際問題他の三人に買ってあげたのに波豆さんに買ってあげないのは仲間外れ感がすごいし買ってあげるつもりだったんだけどな。
 まあ、波豆さんの視線が少し遠くを見て言っていたことから、調先輩と若田部さんを尾行してきている奴がいるから服を見ている余裕はないから今回は辞めておくと言ったんだろう。

「というか、波豆さん。よく、そこまで露出激し目で恥ずかしくないな」

「え?」
 いやいや、波豆さん、何を驚いているんだ? 
 普通に手と足をすらりと出していて露出が激しいのは世間一般的に見て取れるぞ。

「どう見ても露出度が高いだろ。正直に言うと、波豆さんが通るたび、その露出度が高めのせいですらりとした足。ほっそりとした手に歩いている人釘付けになってるんじゃないか?」

「……本当に? これってそんなに露出激しいの?」

「まあ、そうだろ。正直に言うと、目のやり場に本当に困る」

「ふーん。そっか。露出度が激しいって初めて言われた気がする。だって、私は基本的に服とかについて何も言われてこなかったし、このくらい皆、普通に着ると思ってた」

「いや、さすがにそこまでのはプロポーションに自信がないと厳しいだろ。まあ、波豆さんは体系が本当に良いから滅茶苦茶似合ってるけどな」

「いやいや、褒めても何も出ないよ? というか、私のことを意外と褒めてくれる人って少ないから少し嬉しいけどね」
 ちょっとうれしそうにする波豆さん。
 まあ、波豆さんもそこまで付き合いの深い友達はいないし、褒められているとかそう言うのに意外と慣れていないのかもな。

「何を乳繰り合っているのかしら?」
 そんな時だ。
 服を選び終えた調先輩が俺のもとに戻って来た。

「その手に持ってるのって?」

「このお店には私の好みはこれしかなかったわ」
 調先輩の手に握られていたのは明らかにフリフリがいっぱいついたワンピースであった。
 ……ダメだこれ、可愛いけどさ。普通にその服を着て歩いたら同年代からは子供っぽいと笑われる。
 そんな服を調先輩は手に取っていた。

「あら、失敬ね。クールじゃないのこの服」
 その服がクールだと⁉ いやいや、絶対それはないって。
 まさか、調先輩は俺をからかっているのか?

「とりあえず、その服は辞めて置いた方が……」
 正直に言おう。
 横に歩かれると恥ずかしい。高校二年生ともなる人がフリフリなワンピースで横を歩いているとか、普通にちょっとあれだから。

「……そんなにセンスがないかしら?」
 俺のあまりの否定ぶりに少し悲しそうにする先輩は服を戻しに行こうとする。
 っく、いやさ別に似合わないわけじゃないんだよ。ただ、年相応な格好というものがだな……。
 くそ、でもさ。ものすごく悲し気に戻しに行く姿がかわいそうに見えて来た……。

「わかりました。調先輩。それ、買います。さすがにその服を着て横に歩かれるのは恥ずかしいので辞めて欲しいですけど、先輩の好みなら仕方ありません」
 と言ったように服を悲し気に戻しに行く先輩を引き留めてしまうのであった。

「本当に?」

「はい、別に好みは人それぞれですし」
 だって、自分で好きなのを選んでみろって言ったのにセンスないと言うのは失礼でしかない。
 それに先輩が選んだ服は決して似合わないわけじゃないからな。

「わかったわ。じゃあ、これを買って頂戴」
 と言ったようにフリフリなワンピースを調先輩に買ってあげることが決まったと同時に、

「好木さん。これを買って」
 京香が選んだ服はシンプルで大人らしいスカート。

「神田君。これをお願いします」
 若田部さんが選んだ服は……カーディガンである。
 まあ、これからの熱くなる季節、外と室内とで温度差が激しいから体温調節の面でもばっちりだ。

「ますます、波豆さんに何も買わないのが仲間外れ感がやばい……」
 本人は今日は遠慮しておくと言っていたものの、三人に服を買っておいて波豆さんに買わないと言うのは本当に俺の方が申し訳なってくるな……。

「よし、勝手で悪いけど。波豆さんにはこのデニムジャケットをプレゼントだ」

「いやー、別にそこまで気を使う必要はないんだよ?」

「というか、今思ったけど、その姿で冷房の利いた店内は少し寒いだろ?」

「確かに寒いとは思ったけど、別に我慢できないわけじゃないし」

「でも、寒いは寒いんだろ?」
 半ば強引にデニムジャケットを俺は皆から受け取った服と一緒にレジに持っていき、デニムジャケットだけはすぐに着れるようにしてくださいとお願いした。
 そして、デニムジャケットを波豆さんへ渡す。

「ありがとう。ヨシ君。いやー、ほんと君のそう言うところは良いと思うよ」
 受け取ったデニムジャケットを羽織る波豆さん。
 露出目が少し激しかった腕が隠れることによってよりいっそうコーディネートとしては完成されたその姿は露出が激しかった先ほどよりも目を奪われるに違いない姿である。

「本当にスタイルが良いな。波豆さんって」

「そんな事言っても本当に何もないよ? てか、本当にありがとう。こうして、プレゼントとか何気に嬉しいかな?」
 そんな姿を見ていた残りの三人はと言うと。

「ねえ、何あの雰囲気は?」

「そうです。なんか、どことなく良い雰囲気が漂っている気がします」

「好木さんは一体どれだけの女の子を落としてるの?」
 と言ったよう俺と波豆さんに対してただ寄らぬ予感を感じている様子だ。
 まあ、波豆さんに対しての好感度は上がっているけど、これは普通に友達としての好感度上昇だろう。

「いやー、皆がヨシ君に惚れる理由が分かったよ。まあ、安心して私はそこまでヨシ君に気は無いから。どうせ、ヨシ君も私のことはそこまで……って何でもないよ、うん、何でもないよ」

「どうした、波豆さん?」

「いや、何でもないから」

『私と若菜さんを尾行していた二人組は私達にそこまでの動きがないせいか、他の超能力者を下見しにすでにこの場から去ったわ』
 と言った調先輩からのメッセージであった。

「本当ですか?」

「ええ、私の索敵範囲にはいないわ」

「いやー、本当にやばいね。超能力者を取り巻く環境が本当に危なくなってるとしか言いようがないかな?」
 俺と調先輩の様子からつけて来ていた尾行がいなくなったのを察した波豆さんも気を緩めてそう言った。
 彼女もまた、何が起こるか分からない状況で気をずっと引き締めていたのだろう。
 だから、波豆さんも服を選んでみたらと言ってもそれが出来るほどの余裕はなかったしな。

「あの、お三方は何を言ってるんです?」

「好木さん。一体何が?」
 と言ったように置いてけぼりの若田部さんと京香が俺達に質問してきた。

「そうね、取りあえず。場所を移しましょうか。本当に大事な話があるわ」


 
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