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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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変わり始めた日常1

「やあ、ヨシ君」
 見慣れた制服ではなく、暑くなってきたのでホットパンツとノースリーブで露出が激しい服装の波豆さんがいた。

「あれ? 波豆さんはどうしてここに?」
 今日は学校は休み。
 京香が引っ越してきたものの家具等がそろっていないため、買い物に出かけようと家を出ると玄関前には波豆さんが待っていたからだ。

「いやー、ちょっと危なそうだからね。今日のお買い物について行くって感じかな?。一応、護身術と訓練もしてたことがあるし、監視役兼サポート役じゃなくて護衛として再雇用されたってこと」

「そうなのか?」

「うん、そうだよ。単純に一人増えるだけで相手はかなり襲いにくくなるというのは基本的な常識だしね。動く際の行動人数を増やすのは結構良い手段だし」
 なるほどな……。確かにサポート役としては役に立たないけど一人増えるだけでそれだけで襲われずらくなわけか……。
 本当に物騒な世の中になっている感じがとてつもないし。

「というか、元々波豆さんもお出かけに誘うつもりだったわよ」

「はい、そうです。こんなに近くにいて親しくしている人を買い物に誘わないのはそれこそ友達としてどうなのという感じです」
 俺と波豆さんが会話していると、後ろから若田部さんと調先輩が靴を履き玄関から出てきて、波豆さんにもお出かけの際に一声かけ誘うつもりだったと伝える。

「いやー、それは聞いて嬉しいかな?」
 調先輩と若田部さんの発言を喜ぶ波豆さん。

 その後、京香も着替えを終えて家から出てきた。
 というわけで、俺と美少女四人と言ったなんとも傍から見たら羨ましい光景のもと、買い物に向かうのであった。




 しかし、事態は急変した。

 ちょうど、京香のベッドやらを買い終えて家具店を出ようとした時だ。
 俺の耳元で調先輩があることを呟く。

「好木、私たちの後ろに数人ついて来てるわ。恐らく、私と若菜さんを下見しに来たわ」
 調先輩から語られた俺達の後をつけてくる人物がいるという事、それは冷や汗をだらりと流させ、不安感を煽り始める。

 そして、俺は付けている相手がいることに気が付いていることを示してしまえば、ますます調先輩と若田部さんの有用性を示すこととなり、超能力を使って悪事を働こうとしている組織に目を付けられかねない。
 そう思って、携帯のメッセージで調先輩と意思疎通を図る。

『下見って、悪事を働くために超能力者を誘拐している奴らですか?』

『ええ、そうよ。恐らく、数は二人。この周囲に二人は私と若菜さんの有用性を知ろうとして来ているわ』

『俺は何をすれば?』

『簡単よ。あなたの祖母に連絡して応援を呼ぶのは辞めて。正直に言うと、好木の超能力はゴミだもの。そうした応援を呼べるほどの効力を発揮した超能力者は私に限定され、私が狙われやすくなるわ』

『じゃあ、どうすれば?』

『このまま過ごしましょう。このまま、何事もなく人が多いところで過ごしましょう。恐らく、相手は誘拐に付きまとうリスクの都合上。本当に有用な超能力者しか誘拐しないわ。手当たり次第に誘拐していたらそれこそ足が付いてしまうもの』

『本当にそれで良いのか?』

『……良いとは言い切れないわ。考えは刻一刻と変わるもの。もし、私たちが人目のつかないところではぐれて誘拐しやすい状況が生まれてしまえば、誘拐してしまえという心変わりも十分にあり得るわ』

『とりあえず、今のところは先輩の言う通り、普通に過ごす方向で。もし、何か考えが変わったりしたら連絡をしてください』

『ええ、そうね。考えが変わったらすぐにメッセージで連絡を入れるわ。後、こちら側が気が付いていることを知らせないためにも私と好木と、付けられているのに気が付いている波豆さんだけに留めて置きましょう』

 その瞬間から、楽しい買い物が一気に苦痛を強いる買い物へと変貌した。

「さてと、皆。京香の買い物は一通り済ませたしどこに行こうか?」

「うーん。私的にはもっと賑やかな所が良いかな? せっかくの休みなんだしパーッとさ行こうよ」
 波豆さんも調先輩曰く、尾行に気が付いているらしく人が多いところに行こうと提案する。

「賑やかな所と言えば、ショッピングモールとかです?」
 若田部さんが波豆さんの考えについて意見した。
 このまま、上手く場をコントロールして自然に人が多いところに行けるようにしないとな。

「そうだな。どうせ、色々と小物とかそう言うのがまだ足りてないだろ? 特にコップとかさ。そう言う雑貨店も結構あるし、ショッピングモールで良いんじゃないか?」

「うん、私もショッピングモールで良い思う」
 京香も意見に賛成したことで、俺達はショッピングモールに向かう事となった。


 やってきたショッピングモールで様々なお店を見ていくと、

「好木さん。私、見てきたいお店があるから、一人で行ってきて良い?」
 調先輩と若田部さんを付けているらしく、今回は二人を除いた俺と京香と波豆さんの三人は眼中には余りないと調先輩から携帯から送られてくるメッセージでの補足情報で知っているものの、それでも出来るだけ一人にはならないで欲しいところだ。
 ちなみに補足情報から色々と知ったのだが、

 俺と京香があの超能力者を支援する団体の創設者、神田菊代の孫であることを知らない。
 実のところ言うと、それなりに俺と京香には普段の生活を過ごしやすいようにと神田菊代の孫であることは隠されている。まあ、少し身辺調査をすれば簡単にばれるけど、でもそれを知らない。
 おそらく、金で雇われた人たちが調先輩と若田部さんを尾行しているも雇われただけであり、使い捨ての人材である可能性が高く。
 尾行してきた奴らを俺達が捕まえてしまえば、それこそ調先輩と若田部さんの有用性を知られてしまうし、俺と京香のことを知らないため、もしかしたら俺と京香にさえ危害を加えてくるかもしれないという事だ。

「ん? 一人でって。別に行きたいところがあるのならついて行ってやるぞ?」
 だからこそ、一人にしたくない俺は京香の行きたいお店について行くと言ったのだが、

「好木さんは私の下着を選びたいの?」

「あ、いや別にそう言わけじゃ……」
 一人で買いに行きたいって言うってことは他人に買うところを見られたくない物を買いに行くという常套句だなんて、普通に考えてみればわかることだ。
 尾行して来てる奴らに考えが行き過ぎて、そんな少し考えればわかることさえ見失ってるとかダメダメだな。
 なので、ここはこう言っておこう。

「おう、せっかくだから女子勢みんなで行ってくれば良いんじゃないか?」

「いや、神田君。さすがに夢見すぎですよ。女の子でキャッキャと下着選びとか普通ないです。成長期な京香ちゃんはなおさらにありえません」
 少し俺の発言に対して引き気味に若田部さんが言う。
 確かに下着っていくら女の子同士でも気軽に見せあうものじゃないか……。

「そうだよ、ヨシ君。女の子同士だからって下着を一緒に買うって結構勇気がいるんだよ?」

「ええ、そうよ。少し、デリカシーがないんじゃないかしら? さあ、一人で行ってらっしゃい。京香ちゃん」
 女子勢からデリカシーのない男として罵声が飛び交った。
 そして、調先輩は京香を一人で下着を買いに行かせようとする。

「それは、だ、ッつ痛い」
 俺は一人で行かせてもし何かがあったらという事を考え『それはダメだ』と口走りそうになるも、調先輩にわき腹をつねられる。

「というわけで、デリカシーのない男には少しばかりの罰よ。さ、行ってらっしゃい。京香ちゃん」
 調先輩は俺に『それはダメだ』と言わせないで頑なに京香を一人で行かせようとするのだが、

「うん、でも今日は辞めて置く。ここまで、皆に噂だてられて恥ずかしいから」
 と言ったように一人で下着屋さんに行くというのをしないようだ。

「あら、可哀そうに。これも、好木のせいね」

「そうだよ。ヨシ君がいらない事ばっか言うから」
 なるほど、敢えて話題を大きくして、羞恥心を煽ることで京香を一人で行かせるのを防いだのか……
 なんだろう、本当に今日の俺は空回りしまくってる気がする。

「よし、そうだな。というわけで、京香。お詫びを兼ねて何かプレゼントをさせてくれ」

「良いの? 好木さん」

「ああ、良いぞ。なんでも言ってくれ」

「じゃあ、服が欲しい。気になってるお店がある」
 と言ったようにお詫びを兼ねて京香に服を買う事となったのだが、

「なんだよ。その視線」
 京香に服を買ってあげる約束を取り付けたはいいものの、調先輩と若田部さんからものすごい視線を感じるのだ。

「いえ、京香さんにだけずるいと思っているだけよ」

「はい、妹さんには甘くてどうして私達には甘くないのか嫉妬しているだけです」

「……わかったよ。二人にも何かプレゼントする」

「あら、どうしたのかしら? そんなにすぐ折れるなんて意外じゃない」

「だって、後が怖そうだからな」
 そのように正直に言うと、

「はあ……ダメダメです。いつもお世話になっているとかそう言う風にお世辞でも言うのが筋だと思います」
 若田部さんから俺が京香に加えて二人にプレゼントする動機に対して、若田部さんに小言を言われるのであった。

「じゃあ、とりあえず。京香、お前の気になっているお店に行くか」



 




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