挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

65/110

始まる同居生活2

 夕食を取り終わり片付けを再開、というよりか若田部さんと調先輩のアパートから物を運ぶ。
 この程度の距離で引っ越し業者を呼ぶのもあれなのと、引っ越し業者の都合が中々につかないらしく、先の先まで引っ越し業者を呼ぶことが出来そうにないからだ。
 ちなみに京香の荷物は本当に最低限な物だけで、後はここらで買いそろえるとのことだ。

「さてと、若田部さんの荷物はこんなものか……」
 新たな若田部さんの部屋に物を置き終わる。
 ベッドや家具の一部は昨日のうちに若田部さんがせっせと分解してパーツ単位にされていたため簡単に運び終えることが出来た。
 そして、完成した若田部さんの新しい部屋。
 女の子らしい部屋で、部屋用のアロマオイルを絶賛設置している。

「なんの匂いが良いですか?」
 いくつかの種類の匂いの詰まったアロマオイルをこちらに傾けてきた若田部さん。
 とはいっても匂いを嗅がなけばどれが良いかなんてわからないし、どうせここにあるのは無くなり次第、消費されていくのだが。

「匂いを嗅いでも良いか?」
 まあ、意見を求められてどれでも良いんじゃと言った、味気ない返事は普通に詰まらないし、匂いを嗅がせて貰ってから選ぶとしよう。

「じゃあ、これからどうぞ」
 一本のアロマオイルを渡されたのだが、つるんと手から滑り落ちる。
 ビシャリと体にアロマオイルを浴びてしまう。
 そして、床と体に浴びたアロマオイルはいい匂いなのだが、とても匂いが強くあまり良いものとは言えない空間を作り上げる。

「っつ、ごめん。若田部さん」

「いえ、大丈夫ですよ」 
 そう言いながら、ちょうど掃除に使った雑巾で床に零れ落ちたアロマオイルを拭いている。

「俺も手伝うから」
 とは言ったものの拭き終わっていた。
 だが、おそらく床にしみこんだ匂いは強烈なもので中々に消えなさそうである。

「うーん。さすがに一日か二日経てばマシになるんでしょうけど。さすがにここまで匂いが辛いと厳しいものがあるので匂いが消えるまで別の部屋を使わせてもらって良いです?」

「勿論。てか、悪い。片付けが終わった早々にこんなことして」

「いえいえ、ちゃんと手渡さなかった私が悪いんです。それよりも、服に着いた匂いが相当きついですし、着替えてきた方が、というよりか肌にもついちゃってると思うんでシャワーを浴びてきた方が良いと思います」
 確かに服に着いたアロマオイルの匂いが強烈で来ているだけで少しクラクラと来る。
 服を脱いでも肌にも染みついてしまっているわけで、シャワーを浴びるのが適当である。

「じゃあ、シャワーを浴びてくるか……」
 さすがにこのままの匂いを耐えきれる自信はない。
 というわけで、着替えとタオル一式を持ってお風呂に向かう。
 着替えを脱衣場で脱ぎシャワーを浴び、さっさと上がろうと思ったのだが肌に着いた匂いが中々に落ちずに匂いを落とすために必死に肌を洗っていた時だ。

「あら、先客がいたのね」
 浴室のドアを開けて入ってきたのは調先輩。
 あ、そう言えば。なんだかんだで、風呂を入る前には調先輩達を家に帰らせているわけで、一人暮らし同様に鍵を閉めるのを忘れていた。
 でもさ、脱いだ後の服があるんだし、誰かが入っていることくらい気が付いて欲しいものだ。
 というか、わざと入って来ただろ。口ぶりからして。

「さてと、故意ですか? それともわざとですか?」
 一応、調先輩からは見えないように背を向けて話す。

「偶然よ。たまたまよ。というか、私は誰か入っているか確認するために開けただけだもの。現に服を着ているでしょ?」
 確かに入ってこられた時、普通に服を着てた気がするな。
 でもわざわざ開けて確認しなくてもシャワーの音とかしてるし普通にわかるに決まってるだろ。
 誰かが入っていることくらいさ。

「あの、いつまでもそこにいないで誰かいるのか確認できたならさっさとドア閉めて貰えませんか?」
 明らかに去ってくれそうになさそうなのでそう言うと、

「大丈夫よ。あなたが閉め忘れた鍵はしっかりと閉めて来たわ」

「あの、何を言って?」

「ねえ、好木。お風呂場で致すのもアリじゃないかし、
 バシン
 後方でまるで丸めた新聞かなんかで頭を叩かれた音がした。

「抜け駆けはダメだから」

「ええ、そうです。何をしようとしていたんですか?」
 あれ? 鍵を閉めたんじゃなかったのか?
 明らかに京香と若田部さんが後ろにいるみたいだけど、

「あら? きちんと鍵を閉めたはずよ」

「はい、だから壊しました」
 あ、普通に壊したのか……。
 逃げ場がなくてこのままだと本当にまずかったし、ありがたい限りだ。

「というか、調先輩は昨日、無理やり襲おうとしたところを京香さんに止められた時、やっぱり無理やりそう言うことをするのは良くないと考えを改めてませんでしたか? どうして襲おうと思ったんです?」
 若田部さんが調先輩と話を始めた。
 普通に思ったんだけど、どうしてこうも俺に恋愛感情を持たせて、落とそうとする方法がしもの方なんだろうか?

「それは欲求不満だからよ」
 実に答えはシンプルであった。

「確かにそれはそうですね。じゃあ、この場で襲います? よく思えば、私も普通に欲求不満です。私もダメだと思ったんですけど、どうも最近不満が貯まりすぎて……」
 そして、その答えに納得する若田部さん。
 だって普通に昨日俺を手錠で拘束して何かしようとした時、欲求不満なんです的なことを若田部さんも言ってたもんな。納得できて当然だ。
 というか、昨日悔い改めたのにすぐにそう言う発想がぶり返すあたり、本当に欲求不満なんだろう……

「でも、ダメだから。普通に考えて肉体関係から始まったら破局の確立高いし良いことない。後、心から愛してからのあれは凄い快感だと本に書いてあった。だからその機会を捨てるのは最悪なこと」
 そんな二人に京香が俺に対して肉体関係から迫るアプローチの間違いを指摘する。
 なんだろ、最初に言っていることは別にそこまでおかしくないような気もするけど、後ろの方が普通にダメな気が……。

「それも一理あるわね」

「確かに、始めては大切です」
 調先輩と若田部さんは京香のいう事が理にかなっているとうんうんと唸っている。

「ここは我慢が大切」
 京香の我慢が大切という発言に対して、

「じゃあ、今日は襲うのを辞めるわ。というか、そもそも私も本当は余り強引なのは良くないと思っているもの」

「やっぱり、無理やりはダメです」
 無理やりはダメ。
 それって、本当に当たり前の事なんだけどな。

「でも、襲いたくなる気持ちをどう抑えれば良いのかしら? だって、唐変木な好木じゃ、日々不満がたまっていくんだもの。だから、襲いたくなるのよ」

「確かにそうですよね……。神田君が素っ気ないとどうしてもダメだと思っても手を出したくなります」
 この点ばかりは何とも言えない微妙な感じだ。
 だって、あれほどアプローチをしているのに塩対応をずっとされれば、確実に手を出したくなるのも意外と仕方がない気もする。
 相手にされていない、それは本当に不満がたまっていく、だからと言って襲うのはあれだけどな。
 俺の対応に不満がたまっていくのは本当に仕方がないと思う。

「それじゃあ、相互的に監視するのはどう? 監視して襲おうとした人に罰を与えて考えを改めさせるとかそう言うのが良いと思う」
 なるほどなあ……。
 抜け駆けは許さない的なあれか?

「それは良いですね。もし、誰かが神田君を襲いそうになったら阻止する。それは公正ですし」

「そうね。別に他の人がアプローチを仕掛けるのは良いのよ。ただ、行き過ぎた行動で好木の童貞やらあれやらを奪われてしまうだけは防がないとダメだと思っていたの」

「そう、何事もルールが重要だから」
 俺の考えだが、案外この三人は恋敵であるも仲が悪いわけじゃない。
 それこそ、互いを尊重し合い、俺に対してのアプローチに対して別に止める権利は持ち合わせていないと判断しているのだろう。
 だがしかし、俺を襲って強引に致すとかそう言うのはさすがに恋愛感情を伝える上でのアプローチとして問題大ありではないかと言っているわけだ。

 彼女たちはあくまで愛し愛されたい。無理やりな関係はそこまで望んでいない、命令する権利を貰ったのに結婚しなさいとか強引なことを踏み込んでこなかった当たりそう言う事なんだろう。

 しかし、俺の塩対応のせいで欲求不満を抱いて襲いたくなる気持ちは当然沸いてしまう、今さっきの調先輩がそうだ。
 だから、そう言った欲求不満で襲おうとすることを相互的な監視により抑えようというわけである。

「というか、そう言う話をするのは良いんだが、さっさと出て行ってくれよ……」
 普通に人がシャワーを浴びて全裸で居るというのに後ろで話し込むってさ、普通に考えておかしいだろ。

「ええ、そうね。あなたの後姿も存分に見たし、帰らせて貰うわ」
 そう言って三人はお風呂場から出て行った。

「はあ……とりあえず、無理やり襲われる心配は無くなったのか?」
 一人、物静かになった浴室でそう呟く。

 とりあえず、あの三人は意外にもうまくやっていけそうで一安心だ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ