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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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始まる同居生活1

 さてと、今日は家に帰りたくない気分だ。
 なんで、家に帰りたくないかはこれから地獄が待ち受けているからに決まっている。

 だがしかし、そんな思いとは裏腹に気が付けば家の前にいた。

「……本当にここに住むんですか?」
 玄関を開ける前に俺は今一度、後ろにいる二人に質問する。

「ええ、住むわ。だって、最近のあなたはされるがままな状況を好転させようと、私たちの侵入を拒んできたじゃない。さすがにあそこまで家に入られるのを拒まれるとは思っていなかったもの。だから、こうして家に入れて貰えるようにしたわけよ」
 確かに、以前よりかは二人を家に入れてなかったけどさ、それでも以前よりかってだけで普通に入れてあげていたんだが、それでも足りないと言うのか?

「そうです。学校では体裁もありますし、おとなしくしている。そうなると、私たちのアプローチはこうした時間に限られるわけで、家に入れて貰えないとなるとアプローチが全然できませんし」
 いやいや、普通にアプローチできてたと思うんだけど。
 一体、二人のアプローチの基準がおかしくないか?

「そう言えば、調先輩の親とか、若田部さんの親とかはなんも言ってないんですか?」

「別に済むと言っても住民票は普通にあっちのアパートにしてあるので大丈夫です」

「ええ、あくまでここに住むけども、一応の住所とかはあそこのアパートに住んでることになっているわ」
 さすがに高校生で同居ってどうなの? と思って住所はどうするのかと聞いてみたら、普通に対処されてるのか……、他に何かこの二人をこの家に住みつかせない何かはないか?

「あら、意外にも往生際が悪いのね。いい加減、観念しなさい」
 考えに対して怒られる。
 観念しなさいって、そりゃないだろ。
 正直に言うと、倫理観とかそう言うのがぶっ飛んでる気がして二人をこの家に済ませることに対して本当に忌避感を覚えているわけで……。

「倫理観がぶっ飛んでる気がしてというけど、今更じゃないかしら?」

「確かに今更ですけど……」

「なんでそこまで私たちを住ませたくないんです? 別に結構な頻度で入れてくれていたわけですし、それが常になるだけだと思うんですけど」
 若田部さんの言う通り、今までの少し延長線上に当たるだけという気がしないでもない。
 だがしかし、同じ家に住むって相当なことだぞ? 普通に考えれば。

「それよりも、早く。鍵を開けなさい。いつまで、玄関で立ち往生しているつもりかしら?」

「はい、さすがに開けてください」
 はあ……、仕方がない。
 開けるしかないか。
 こうして、俺は調先輩と若田部さんを家に招き入れるというか、住まわせることになった。

 なかなかに広い一軒家の我が家にはもちろん調先輩と若田部さんの部屋を確保できる余裕があり、二人にどの部屋をあてがうかなどを決め始める。

「神田君の横の部屋は誰が使うんです?」

「そこは誰にも使わせないで良いのじゃないかしら? どうせ、揉めることでしょうし」

「そうですね。空き部屋のままで良いですね」
 俺の今使っている部屋の横室を空き部屋にしておいても二人と京香に部屋をあてがっても余るのだ。

「ただいま、好木さん」
 そんな、部屋割りを決めている時に京香が帰ってきた。
 京香は中学三年生であり、通っている学校はばあちゃんが住んでいる家とこの家とのちょうど真ん中くらいに位置するらしい。
 だから、別に通学時間とかは一切変わらないためここに引っ越しても学校が遠くなるとかそう言った問題はほとんどないらしい。

「おかえり、京香。ちょうど今、どの部屋を使うか決めていたところだ。俺はそのままだけど、後の二人と一緒に決めてくれ」

「わかった。好木さん。というか、この状況って本当におかしい?」
 ああ、普通におかしいぞ? 
 俺と京香は普通に兄妹だから良いが、あの二人とこの家に住むのはやはりおかしなことである。

「というか、思ったんだが? なんで、こんなに部屋が多いんだろうな。この家」
 そう、それなりに大きい家なのだが、リビングと大き目な寝室を除けばそこまで部屋自体は広いわけではない。
 まあ、それでも普通の一軒家の部屋よりかは余裕ででかいけどさ。

「そうね、何となくで言っても良いかしら?」
 そんな疑問を調先輩が解決してくれるようだ。

「はい、良いですけど」

「この家の部屋数の多さは子供部屋よ。おそらくだけど、あなた達以外にもたくさん子供を作るつもりだったんじゃないかしら? だから、個室が結構多めなつくりとなっているんでしょうね」

「なるほど、でもそれでも多いだろ。この数は」
 なるほどなあ……。
 子供部屋を作っておいたは良いものの結局、俺と京香しか子供は作らなかったわけか。
 それが意味するのは子育ての大変さからか、それとも子供を作るほどの愛が……。
 いや、そんなことは良い、放っておけ。今更、考えても何も変わらないしな。

「そう言えば、この人数だと上のトイレを直して貰わないとダメかもな」
 この家には二階にもトイレがあるのだが、ばあちゃんにこの家に住み始める前に業者を呼んで修繕とかしてもらったのだが、二階のトイレも直して貰ったはずなのだが、やはり配水管のダメージがひどかったようで別の箇所が壊れてしまっている。
 まあ、水漏れとかを及ぼさなかったので放置していたが、さすがに一気にこの人数が家に住むとなると放置しては良い問題ではないわけだ。

「二階のトイレって壊れてるんです?」
 若田部さんが聞いてきた。
 まあ、何気ない発言だけど家に住むとなれば見過ごせないわな

「だから、今日電話かけて今度直しに来てもらうから安心してくれ。まあ、それまではトイレが一つで不便を掛けると思う」

「トイレが一つでも、どうせアパートの方は引き払わないのだもの。誰かに使われていたら、そっちに行けば取りあえずは平気よ」
 なるほど、住所とかそう言った諸々の問題から前のアパートは二人とも引き払わないわけで、そのまま使えるとなるとこの家にはトイレが一つでも最悪な状況は防げるというわけか。

「さて、そのことはさておき。どの部屋を使うか決めちゃいましょう。じゃあ、ちょうど廊下のこの位置からなら全部屋の扉が見えますし使いたい部屋を指さしてから、協議という形で、じゃあここからどこの部屋を使いたいか指差しをお願いします」
 若田部さんのいう事を聞いた二人は廊下から各々が使いたい部屋を指さした。
 結果として、

「あら、意外ね。誰も被らなかったわね」
 そう、指さした部屋は意外にも誰一人被らなかった。

「じゃあ、今指さした部屋を自室にするという事で」

 こうして、着々とこの家にみんなが住む準備が進められていくのである。

 そんな風に住むための準備を進めていたのだが、意外にも決めることや片付けなくてはいけない場所があったりと大変であり。
 しかも、一応この家に住むことになったと決まった時、業者がエアコンの点検をしたところ壊れていたらしく、取り外されてしまっていたため部屋自体が暑くてたまらないのだ。
 最近、暑い日々が続くので夕方から作業し始めたというのにな。

「暑いです……あの、休憩しませんか?」

「ええ、暑いもの。そうしましょう」

「暑いし、汗べったり」
 と皆の意見は休憩の方向に傾き。
 リビングで一時の休憩をすることになった。

「ふう、生き返るわ。さて、私から一ついいかしら?」
 クーラーが聞いたリビングで休憩していると調先輩が何か話があるようだ。

「ん、なんだ?」

「はっきり言うわ。本当に目立ってはダメよ。この事件を見なさい」
 調先輩はどこからかタブレット端末を取り出し、あるネット上で読める新聞記事を見せてきた。

「見出しが高校二年生の女子が誘拐されるで、内容はっと。えーっと、。昨日の放課後、車に押し込まれる姿を目撃証言から誘拐された可能性が非常に高いと考えられる。」
 まさか、この誘拐された子は超能力者なのか? 記事には超能力者とは書かれていないけど、そう言う事なのか?

「ええ、その記事には書かれていないけど、そうよ。ネットの匿名掲示板でその子を探そうとか言うふざけたスレッドが立っていて、誘拐された女の子は超能力者らしく、普段の生活で超能力をよく使って人助けしていたらしいと信頼のあるソースが上がっていたわ」

「相当まずいです?」
 若田部さんは不安そうな声と表情を浮かべる。
 京香から語られた、悪の組織が超能力を使って悪事を働くために誘拐することが多発しているという事がより現実味を帯びてきているという事を恐怖してのことだ。

「ええ、本当にまずいわ。とりあえず、私の考えを読む力を使った限り、周りには超能力者を攫おうとしている者はいなさそうだけど。十分、気を付けないとダメよ」
 そんな時、京香が調先輩の発言に補足をした。

「おばあちゃん曰く、若田部先輩と調先輩は好木さんと私との間にできるだけ縁を持ってとのこと」

「ん? どういう意味だ?」
 どうして俺と京香と縁を持てという事につながるんだ?

「私のおばあちゃんは力を持っている。本当に超能力者界隈に置いてすごく力を持っている。だから、私と好木さんは実のところ言うと手を出したら足が付きやすいらしいから、ほとんど攫われる可能性は低い。でも、二人は違う」
 京香は若田部さんと調先輩を見て言う。

「なるほど、こうして俺と京香と繋がりを深く持つことで、多くの会社を束ねる神田家の当主であるばあちゃんの庇護下に置くというわけか」
 京香に向かってそれであってるか? と視線を送りながら言った。

「そう言う事。おばあちゃん曰く、洒落にならないくらいここにいる二人は攫われるとまずい。本当に悪の組織に力を与えちゃうから何としてでも防がないとダメだって」

 グギュルルルルルと京香のお腹が鳴る。

「とりあえず、お腹すきましたし、ご飯にしましょう」
 そんな京香の腹の音を聞いた若田部さんはキッチンに向かう。
 確かにもう夕食を取るには十分相応しい時間だ。

 キッチンに向かった若田部さんに対して、京香はというと

「恥ずかしくて死にそう……」
 と相当に暗めの話をしていたというのに、お腹の音でぶち壊したことに対して恥ずかしさを感じてしまい、俯いて顔を赤くしていた。
 そんな、京香に調先輩は飴玉を渡す。

「これ、良ければ食べなさい」

「ありがとう」
 京香は調先輩から貰った飴玉に対してきちんとお礼を言う。




 てか、思ったけどさ。
 俺を狙ってる割には意外と皆仲が良いんだな。

「好木はギクシャクとした方が好みなのかしら?」

「いや、それだけは勘弁してくれ」

 そう、意外にも同居生活は仲よくスタートを切った。




 
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