挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

63/110

強すぎる力は危険2

 調先輩の口座を没収って口座って銀行口座の事だろうけど、そんなことをされる理由は一体どういうわけだ?

「……嫌よ」
 京香の『口座を没収』という言葉に抗う調先輩。

「ダメだそうで」

「絶対に口座は渡さないわ」

「すでに凍結されてるとのこと」

「なあ、京香。なんで、調先輩の口座を没収するんだ?」
 なぜ、調先輩の銀行口座が没収されてしまうのかよくわからない俺は京香に質問したのだが、とてつもない返事が返ってきた。

「この人。考えを読む力を使って、どこかの企業の前で張り込んで企業の情報を握っている人の考えを読んでインサイダー取引でわずか二週間で個人的な資産を一億くらい増やしたから」
 あ、そりゃ口座を没収されて当然だわ。

「別に良いじゃない。ビギナーズラックよビギナーズラック」

「じゃあ、見知らぬ組織に攫われるのを選ぶの?」
 京香がそう言った。
 確かに、二週間で個人的な資産を一億増やすとか普通に考えてヤバすぎる。
 超能力を悪用しようとしている組織にばれたら本当に誘拐されるんじゃないかってくらいにやばい。
 てか、調先輩……インサイダー取引は普通にダメですって。

「いえ、法整備が整っていない今こそ。私は稼ぎ時だと思うの。だから、お願い口座を返して……。そうじゃなきゃ、色々とばらすわよ? 例えば、あの会社の新製品の発表日とか、あの会社が負債を隠してるとか、あの会社が事業売却しようとしてるとか」

「寒河江先輩がそう言うのを見越して、おばあちゃんはこれを。後、好木さんにもこれ」
 調先輩に渡された一枚の封筒。
 それを調先輩は開け、中身を確認した。

 同様に俺も渡された封筒の中身を確認する。
『好木へ。寒河江調さんはこの世界のパワーバランスを壊す可能性が高いです。彼女が握っている情報の数々はどれもが経済に影響を及ぼす爆弾のようなもの。そして、そんな彼女を止めるべくお願いがあります。『寒河江調さんが言うことを一つだけ受け入れてください』』
 ん? ナニコレ?

「本当に良いのかしら? この紙について書かれてることは」
 興奮した様子の調先輩。
 その様子から嫌な気がビンビンである。

「仕方がないと言ってました。だって、力を持っているのは寒河江先輩ですから。それほどまでに先輩はこの地球上でヤバい存在らしいので」

「というわけで、好木。私はあなたのおばあ様からあなたに一つだけ命令して良い権利を貰ったわ」
 いやいや、やばいって。
 そんな権利を調先輩に渡したら本当に何が起こるか分からないって。
 ばあちゃん、いくら世界のためだからと言ってそれは本当にまずいって。

「いや、それは……」

「そう、じゃあ、明日。とりあえず、日本経済は終わるわ」 
 くそ、俺は一体どうすれば良いんだ? 
 調先輩の命令を受け入れなくちゃいけないのか?

「好木さん。正直に言う、これもうかなり詰んでる。この寒河江調という女は本当にやばい」

「さて、命令させて貰うわ『好木、あなたは私と同居しなさい』別に無理やりあなたのことを手に入れるのはしたく無いもの。このくらいで許してあげるわ」

「なあ、京香。この命令は拒否したらどうなるんだ?」

「とりあえず、世界がやばい。だから、断ったら本当にダメかも……」
 割と京香の顔が深刻そうである。
 京香でさえ、調先輩のやばさを理解しているという事だ。

「あの、私からも良いですか? 最近、少し不満があって……。もしかしたら、悪い組織からお誘いが来たらそっちに行っちゃうかもしれません。でも、神田君が言うことを聞いてくれれば踏みとどまれそうなんですけど……」
 あの、若田部さん何を言って?

「そう言うと思ってた。だから、おばあちゃんは若田部さんがそう言ったらこれを渡せって。で、好木さんにもこれを」
 再び封筒を渡される。
 中身を読むと
『好木へ。寒河江調さんに命令する権利を与えれば、若田部若菜さんが身売りすると言い出すはずです。彼女もまた嘘が分かる超能力を共有して、相手が聞く言葉に重みをもたせることにより洗脳が容易にできてしまう超能力者でもあります。だから、『若田部若菜さんのいう事を寒河江調と同様に一つ受け入れなさい』

「なるほど。私も神田君に一つ命令して良いとなると、『じゃあ、私と同居してください』と命令します。だって、結婚してくださいとかで結婚してもそれは真実の愛とは言えませんし。やっぱり、好きになって貰うための状況を作るのが一番だと思うので」
 にっこりと満面の笑みで若田部さんは言ってきた。

「……もし俺が断ったら?」
 俺に『同居』を命令してきた二人に聞く。

「経済が大変なことになるかもしれないわ」

「なんか、どこかに行ってしまいたい気がするんですよね。もし、誰かから誘われたら付いてっちゃいそうな気がします」
 二人の顔は真剣そのもので、なんか怖い……。

「なあ、京香。これって、詰んでる?」

「うん、詰んでる。そして、好木さん。実は私も超能力を共有して相手に恐怖を感じさせる力でたぶん人を殺せるレベルの力を持ってる。そのことをおばあちゃんに言って私も好木さんに一つ命令をして良い権利を貰ってきた」
 ……京香。お前もなのか?
 お前はきっと常識的なことを言ってくれるよな?

「好木さん。『私もこの家に住ませて?』」
 京香……やはりお前もか……。

「なあ、波豆さん。この状況はどうすれば良いんだ?」

「さあ、知らないよ? 私的にはすっごく面白い。ものすごいワクワクしてきた。どんなドロドロな昼ドラ的な展開になるか超ワクワクしてる」
 波豆さんに助け舟を期待したが、ダメなようだ。
 俺達がただならぬ関係に陥りそうな状況を見てワクワクとして目が輝いている。

「……わかった」
 こうして、俺達は同居することになった。
 これが、手錠を外された後に起こった出来事である。






 舞台は放課後の生徒会室に戻る。

 目の前で不良少年たちが更生していたことから、本当に若田部さんや調先輩は目立つようなことをしてはいけないというのをしっかりと目の当たりにしたという事で、
『そうね。凄まじい力を使えるわ。だから、昨日、あなたの妹さんの京香さんが来たんじゃないの』
 と言ったわけだ。

「ふう、なんだろう。ものすごく長い考えを羅列していた気がする」

「ええ、だいぶ前まで遡っていたんじゃないかしら?」
 考えを読める先輩は俺の今までの回想はお見通しの様だ。

「てか、本当に悪い組織に目を付けられて攫われるとか目覚めが悪いんで絶対にされないように目立たないでくださいよ?」

「ええ、気を付けるわ」

「はい、気を付けます」
 調先輩も若田部さんも気を付けると言ったのだが、

「でも、好木が冷たいと……」

「神田君が素っ気ないと……」

「おい、二人とも何を言いたいんだ?」

「いえ、何もないわよ。何も」

「はい、別に何でもないですよ。なんでも」
 と言ったように目立たないようにすることを条件に絶賛脅されている。
 同居を取り付けただけでは、飽き足らないというわけだ。

「はあ……これどうなるんだ?」
 そう、呟くも。

「そう言えば、帰ったら部屋割りとか色々大変です」

「ええ、そうね。同居するんだもの。色々と決めないとダメね」
 俺の心労とは裏腹に、同居する際に決めなくてはいけないことを楽しそうに話す二人であった。

 そして、その二人と俺の様子を見て波豆さんは必死に笑いを堪えているのであった。

「っぷ。何この状況。面白すぎ。ヨシ君。ほんと、頑張りなよ?」
 波豆さんは本当に楽しそうに見てるだけでほんと良いな……。

 俺がどれだけ苦労してると思ってるんだ?
 そう、こうして最近、家に入れないようにと断り続ける意志を見せ始めたというのにそれはまったくもって意味を為さなくなった。

 ああ、ほんとこれからどうしよう……




 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ