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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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強すぎる力は危険1

 若田部さんの嘘が分かる超能力は言葉の真偽を突き止める故に言葉を重く聞こえさせ、若田部さんと普通の人との感受性の差について知った。
 本人曰く克服して、普通の人との感受性の差についてはっきりと分かっていると言っており、自分はすでに普通の人に近い感受性の持ち主であると言っていたが、どう見ても普通の人よりか感受性が高い、特に俺に対して。

 てか、嘘が分かる超能力にそんな副次的な効果があったのかと驚きを隠せない。
 単体で見れば、他人との差に苦しめられる感受性の差かもしれないが、超能力を共有することが出来るようになったとなれば話は違う。
 だって、嘘が分かる超能力を共有して相手に対して発した言葉に説得性を持たせられるなんて、仮にも演説とかの場だったら絶大な効果を発揮するんじゃないか?

 そんなことを考えながら、放課後の生徒会室で仕事をしていると

「すみませんでした。俺、気が付きました。神田さんにあの時言われた言葉で目を覚ましました。若田部さん、昨日は本当にしつこく付きまとってすみません。許してください!」
 昨日、若田部さんに絡んでいた金髪のリーダー格の男が髪の毛をきちんと黒にしピアスを外し、制服をきちんと着て生徒会室に謝りに来た。
 勿論、取り巻きも同様にまともになってだ。
 ああ、もしかして若田部さんはあの時、怯えてて少し精神的不安になってて、周りに嘘が分かる超能力を共有してたのか?
 だから、ああも腑に落ちない顔をして、今頭を下げているこの人たちは校門を去って行ったというわけか。
 本当に、超能力を共有できるとなると、嘘が分かる超能力の副次的効果である言葉を重く感じるというのは凄まじい威力を発揮するんだな……。

「あの、頭をあげてください。もう気にしてませんから」
 土下座までとは行ってないが、謝る姿勢の力強さに若田部さんは逆に申し訳なく感じたのか、頭をあげるようにと言った。

「そうですか? でも、ほんと、悪いことしたんで、何かあったら絶対力を貸しますんで。これ、俺の連絡先です。なんかあったらすぐ駆けつけますから」
 連絡先を若田部さんに渡す。
 本当に昨日とは別人のようだ。
 確かに……、昨日若田部さんに嘘が分かる超能力を共有して調先輩に『好きよ』と言われた時、本当に理性とか色々やばくなりかけたからな。
 こうして、更生するきっかけの人に顔が上がらないのは当然と言える。

「いや、そこまでしなくても、これ返します」
 連絡先を返そうとする若田部さんなのだが、

「そこまでしないと俺の気が済まないんです。だから、受け取るだけ受け取ってください。別にその連絡先の書いた紙を捨てたって良いんで」
 と言ったように強引に連絡先の髪を書かれた紙を受け取らされる若田部さんであった。
 そうした、若田部さんに対しての謝罪が終わると、今度は俺の方を向いて話しかけてくる。

「神田さんも本当にありがとうございます。俺、あのままだったら将来を棒に振ってたかもしれません。本当に感謝してます。神田さんも、もしなんかあったら頼ってください。絶対、助けに行くんで。お前らもそうだよな?」

「そうっすよ。あの言葉、こう、なんと言うか心の芯にぐっとくる何かがあったんすよ。俺、このままじゃダメだって思ったんす」
 リーダー格の男とその取り巻きにも俺の言葉が大いに刺さった様だ。
 ……この状況は嘘が分かる超能力を共有して何倍にも膨れた言葉の正しさが伝わった結果だろう。

「てか、年上なんですから。そう何度も顔を下げないでくださいって」
 下手に出られすぎて話しずらいので俺はそう言うのだが、

「いえ、本当にありがとうございました。まじで、自分を見失うところでしたんで、敬意を払わないわけないじゃないっすか。年上とか年下とかそんなの関係ないです」
 あの一瞬でこの効き目だ。
 嘘が分かる超能力はそれほどまでに感受性を引き上げるという恐ろしい副次的な効果があると言わしめてくる。

「そんなもんなんですか?」

「そう言うもんです。もし、何かあったら力を貸すんでぜひ頼ってくださいって、じゃなきゃ俺の気が済まないんですよ。っと、そろそろ生徒会活動の邪魔になりそうなんで帰ります」
 そして、生徒会室から昨日は不良であったが、更生した生徒たちは出て行った。
 ……効果すごすぎないか?
 もし、若田部さんが嘘が分かる超能力を共有して周りに語り掛ければ本当にとてつもない効果を及ぼす。
 本当にカルト宗教の教主にでもなれるんじゃないか? あの力を使えばさ。



「そうね。凄まじい力を使えるわ。だから、昨日、あなたの妹さんの京香さんが来たんじゃないの」
 手錠で身動きを取れなくされ、襲われる寸前に助けてくれた京香。
 彼女が俺の家に来た理由は簡単なことで、あることを伝えにばあちゃんの頼みでやってきたのだ。







 すこし、時間をさかのぼること。
 手錠によって身動きを取れていない状態から解放された時、

「ふう、てかこの手錠、頑丈すぎるだろ……」

「だって、本物だもの」

「はい?」

「本物よ。それ。警察が今現在使っている手錠だもの。頑丈じゃなきゃ意味ないわ」

「一体、どこで手に入れたんですか?」

「リサイクルショップで買ったわ。警察マニアにとって高く売れるらしいから、手錠の製造元の誰かが定期的にリサイクルショップにお小遣い稼ぎのためにばれない程度に卸しているらしいの。少し痛んで廃棄予定な物を修理してね」
 さり気にとてつもないことを言っている調先輩。
 まあ、彼女の人の考えを読むという能力なら、そう言った裏の出来事を知ることが出来なくもないか。

「……やっぱり来て正解だった」
 俺と調先輩のやり取りを聞いた京香が話に割り込み話してくる。

「ここにいる人は全員聞いて、大事な話があるから」
 京香の声は真剣そのもの。
 一体、京香がここに来た理由とは……

「なんだろうね。話って、気になっちゃうよ」
 そして、気が付けば波豆さんがいつの間にかいた。

「あの、どうしてここに?」

「いやー、京香ちゃんに呼ばれてここに来ただけ。なんか、大事な話があるって言われてさ」

「いつここに入ってきたんだ?」

「ん? 君たちが京香ちゃんの恐怖におびえていてそれしか見えていない時に普通に入ったよ?」
 なるほど、俺達が京香とひと悶着してる間にばれないように進入したわけか。

「本当にステルス性能だけは高いな……さて、京香。話を続けてくれ」

「わかった。じゃあ、一番初めに結論から『普段の生活で目立たないこと』それを伝えに来た」

「……やっぱり、色々と危なくなってきたのかしら?」
 どうやら、京香が行った『普段の生活で目立たないこと』という事がどうして言われたのか調先輩は何かしら知っている様子である。

「寒河江先輩が考えている通り、本当に危ない。超能力を悪用しようとした団体が数多く出来つつあるらしい。まあ、今も表立ってないだけで少なからずあるけど。それ以上に新規で超能力者の力を利用しようとしている団体というか組織というか色々なのが急激にできているって言われた」

「……それって。そんなにやばいのか?」

「うん、やばい。これを見て」
 京香は一枚の紙を取り出して俺に見せてきた。
 ……っつ。なんだよ、これ。

 紙に書かれていた内容は、普段の学校生活で超能力の力を使いまくり日常的に周囲の者よりも優位な状況を作り上げていた女生徒が謎の失踪をしたというものだ。

「これは本当なのか? そして、この裏にそう言う超能力を悪用しようとしている組織やら何かが関わっているとでも言うのか?」

「うん。十中八九、そうだって。だから、私はここにいるみんなに目立たないようにと言いに来た。もし、目立てばそう言った組織に目を付けられて誘拐とか色々とされるかもしれない危険がある。そのことを私は今日伝えに来たわけ」

 確かに若田部さんが周囲に嘘が分かる超能力を共有して話しかければ一種の洗脳効果も見込めたりと、様々なメリットが生まれる。

 調先輩も言わずもがな、相手の考えを読み取ることが出来る。その凄さは言うまでもない

 波豆さんは……あれ? 波豆さんの超能力って何だっけ?

 京香の恐怖を与えるあの力はあの力で脅され続けたら、決して他人に話してはいけない機密レベルの事でも口を割ってしまうかもしれない。

 そして、俺の好感度を知ることが出来る力は……まあ役立たない。

「つまり、普段の生活で超能力を使って目立つ。それは、超能力を悪用しようとする組織に目を付けられるからするなってことであってるか?」
 もう一度だけ、京香の言葉を整理すべく質問した。

「うん。そう言う事。だから、いくら理不尽なことが起きても超能力を使って解決したり、超能力を使って他者よりも優位に立ったりとか、そういう目立つことは絶対にしないようにって事。それが、おばあちゃんから伝えて来てと頼まれた内容」
 そんな京香は調先輩のことを凝視していた。
 確かに調先輩は普段から超能力を使って他者よりも優位に立っているしな。ばあちゃんに厳重に言って来いと言われたのかもな。

「あの、何かしら?」

「とりあえず、寒河江先輩。あなたの口座は没収」
 おい、一体何をしたんだ? 
 調先輩……。
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