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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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普通な生活は彼女を苦しめる(ただの欲求不満)

「さて、若菜さんが過剰な尽くす姿勢を見せてしまう理由を教えてあげるわ。というわけで、若菜さん。好木に嘘が分かる超能力を共有して貰えるかしら?」

「はい? 一体どうしてですか? まあ、良いですけど……」
 そう言われた瞬間だ。
 聞こえて来るすべての物事が変化した。

「さて、好木。私はあなたのことが好きよ」
 若田部さんの嘘が分かる超能力を共有しているので、その言葉が嘘偽りがないことがはっきりと分かる。
 なるほど、こういう感覚なのか……。

 と言ったように普段若田部さんがどうのように嘘を判別しているのかという感覚を味わっていると。

「もう一度言うわ。あなたのことが好きよ」
 その言葉に偽りはない。

「そ、そうですか」
 だが、ものすごくドキドキする。
 いつも通りの素面で調先輩が言葉を発してきているというのになぜだか過剰なまでに好きという気持ちが伝わってきた。

「じゃあ、次ね。私はもしかしたら、あなたのことが嫌いになるかもしれないわ」
 言葉は真実を物語っている。
 もしかしたら、調先輩が俺のことを嫌いになるかもしれない。
 その事実が不変的なことであることを若田部さんの嘘が分かる超能力を共有して理解できた。

「いや、それは……」
 そして、嫌いになられるかもしれない。
 それが不変の事実だと知った俺はどこかに恐怖感を覚えた。
 もしかしたら、調先輩に嫌われるかもしれない。それが嫌に思えてきてしまう。

「じゃあ、嫌いになられたくなければ私に尽くせばいいわ。そうすれば、嫌いにならない可能性は下がるわよ? さ、もし私に嫌われたくない気持ちがあるのなら少しでも良いから私に尽くしなさい」
 ……。言葉は嘘をつかない。
 確かに、嫌われる可能性を下げるには相手に尽くさないと。
 そうでなければ、嫌われて……。

「あの、調先輩。一体何をしてるんです?」
 若田部さんが俺と調先輩のやり取りについて触れる。

「さて、好木。気が付いたかしら? これが、若菜さんの感じる世界よ。若菜さん、もう能力の共有を解いて良いわ」
 そう言われた瞬間だ、俺は理解した。

「……こんな世界がか? こんな、物事がはっきりと伝わってくる世界がか?」

「ええ、そうよ。若菜さんはこんな世界で生きているの」
 若田部さんの超能力。
 それは嘘が分かる力。それは物事をはっきりと伝えてくる。
 真実なら真実。嘘なら嘘と。
 その説得力は異常なもので、感じる言葉の重みが違うのだ。
 相手から叱られるとき、相手が顔を真っ赤にしていたら、より叱られている気がするし、相手が怒っているのがより伝わってくる。
 それと同様に嘘が分かる超能力は耳にした言葉に重みを与えるのだ。

 嫌いになるかもしれないと言われて、それが真実であると理解した俺は嫌われることに対して大きな危機感を覚えた。
 そして、調先輩に尽くしてくれれば嫌いになるかもしれない確率は下げられるわよ? と言われたとき、それが正しく聞こえて、それを実践しようという気持ちが沸きつつあった。

 普段なら軽く聞き流せることも、聞き流すことが出来ないほどに心の安寧や不安を抱かせたのだ。

「ごめん。若田部さん」
 彼女の感受性はおそらく、俺に比べて凄まじく高い。
 もし、俺が嫌だと言えば、それは俺が聞いたよりも重くのしかかる。
 もし、俺がありがとうと言えば、その言葉は何十倍にも嬉しさが増す。
 もし、俺が曖昧な返答をして嘘かどうかわからなければ、不安はより募る。
 もし、俺がお願いをすれば、そのお願いが切に頼まれていると思ってしまう。

 そう、彼女が聞いている声は嘘かどうかわかることにより、説得性は高く常に大真面目で直接的なのだ。

「あの、なんのことです? なんで謝ってるんです?」

「若菜さん。質問するわ。もし、あなたが好木から優しくされたら、あなたはどうするかしら?」
 調先輩がその質問を無視して若田部さんに質問した。

「それは勿論。優しくされたら、嬉しくて相手に尽くしたいって思います」

「じゃあ、好木がはっきりと好きと言ったら?」

「本当に嬉しくてさらに尽くしちゃいます」

「というわけよ。そうね、いうなればあなたにとっては過剰に見えた若菜さんの行動だけど。実は若菜さんにとっては当たり前なのよ。だって、体験したでしょ? 若菜さんが高い感受性をもっていることを」

「あの、調先輩。それってどういう意味です?」

「簡単なことよ。あなたの感受性は明らかに高すぎる。だから、私達とはかけ離れた過剰なまでの尽くす姿勢を取ってしまうというわけなの」

「……やっぱり、私はずれてたんです?」

「ええ、かなりずれているわ」

 ああ、最悪な気分だ。
 要するに、俺は軽い気持ちで発していた言葉は若田部さんにとって何倍にも重かったという事だ。
 あんなふうに物事が聞こえてきたら、今若田部さんが行おうとしていることはまるで過剰ではないと言い切れるくらいのとても敏感な感受性を若田部さんは持っているんだからな。

「……なあ、これを知ったからってどうすれば良いんだ?」

「さあ、知らないわ。どうしようもないもの。だから、聞かない方が良いと言ったじゃないの」

 ああ、ほんと超能力って最悪だな。
 もし、俺が本当に若田部さんのことを嫌いになって、それを彼女に伝えてしまったら、どうなるんだ?
 あんな、とてつもない感受性でそんな辛いことを言われたら……。

「ええ、私だったら。自殺するかもしれないわね。それほどまでに辛く、重く、のしかかるはずよ」

「……」 
 言葉が出なった。
 まさか、若田部さんと俺との間にここまで感受性の差があるとは思いもしていなかったし、過剰的な行動は激しめのアプローチだと今まで思っていた。
 でもしかし、それは違った。
 激しめのアプローチではなく、若田部さんにとっては当たり前の行動だったのだ。


「そして、そんな高い感受性を持った若菜さんには普通は辛いに決まっているわ。だって、心配の言葉を掛けられれば、普通の人以上に、その発言から恩を感じてしまうもの。それを世間一般なお礼で返せると思うかしら?」

「確かにそうですけど」

「というわけで好木。少しだけ、この場で恩を返させて貰いなさい。あと私の恩もね」
 そう言われた時、俺の手を調先輩はどこかで手に入れてきた丈夫な手錠で拘束してきた。



「あれ?」

「ふと思ったんです。最近、神田君が冷たいなって。学校じゃ本当に冷たくて酷いなって」

「私も思ったのよ。好木が冷たいと。だから、今までの話は全部、あなたの隙をついて拘束させてもらうための盛大な前振りだったの。ごめんなさいね、好木」

「あの、さっきまでの雰囲気は……重かったあの雰囲気は?」

「すみません。神田君。別に私は過剰な感受性なんてとっくに克服してます。普通に超能力を発動させていない時に、自分がおかしいなってことくらい気が付いて克服済みなんです」
 そう言えば、そうだ。普通に若田部さんは嘘が分かる超能力を使わないでいることもできるって口にしてた気がする……。だから、嘘がかわかるときとそうでない時のギャップに気が付けているというわけか。
 だけど、言わせてほしい。
「いや、全然。克服できてないと思うんですけど……普通に他の人よりも過激的に言葉を捉えてると思うんだが?」

「いえいえ、十分克服しました。でも、神田君の言葉だけは違います。今でも、過激的で刺激的に感じます。そう、言うなれば神田君は特別ですよ、特別」

「全然、うれしくないんだが?」

「……またまた、ご冗談を言って。さてと、神田君。どうして欲しいですか?」

「さて、好木。どうされたいかしら?」

 そう言って二人の魔の手は迫ってきた時だ。
 急激な恐怖が身に降りかかる。

 急に背筋に寒気というか、恐怖を感じた。

「先輩方。レイプはいけないですから」
 どうしてやって来たのか分からないが、我が妹の京香が現れた。

「いえ、そ、そんな、これは和姦よ和姦」

「は、はい」
 というか、京香の恐怖を他人に押し付ける力がとてつもなく強くなっている気がするんだけど。
 めっちゃ、怖い。冷や汗が止まらないくらいにやばい。
 どうやら、二人も同様で、恐怖に震えている。

「まだ続ける?」
 その言葉を聞いた瞬間、調先輩と若田部さんはというと、

「ごめんなさい、すみませんでした。調子に乗りすぎたわ」
 調先輩はあっけなく折れた。

「はい、ただ欲求不満を解決しようとしただけです。申し訳ありません」
 若田部さんも平伏した。

「とりあえず、好木さんを放して?」

 妹よ。本当に助かった。

「ありがとうな、京香」

「ううん。当然だから、だって好木さんの童貞は私の物だから」

「……」
 なんか、妹がどんどんやばい方向に吹っ切れて行ってる気がするのは気のせいか?
 いや、気のせいじゃないよな……。


 
ダメだこれ、コメディー調の落ちにしたけど全然面白い気がしない……。
もしかしたら、盛大に加筆するか、盛大に修正するかも。
その時はごめんなさい。
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