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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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普通な生活は彼女を苦しめる2

 調先輩に保健室に連れ添ったお礼として水を貰った日の放課後。
 今日も今日とて俺達は生徒会活動に勤しむのである。
 ちなみに調先輩は結局、熱中症気味で具合が悪く早退した。

 というわけで、いつもは調先輩が仕切っているところを俺が仕切る。
「さてと、今日は風紀委員と連携した活動で服装検査を手伝うことになっている。というわけで、校門に向かわないとダメだ。さ、若田部さん、波豆さん。行くぞ」
 今日は最近、学校に華美な化粧や、だらしない恰好をした生徒が増えているらしいので風紀委員と連携して服装検査を行うことになっている。
 こうした活動に手を貸せるほどには生徒会の機能は回復しているわけだ。

 そうして、校門で待っている風紀委員のもとに向かおうとしたのだが、若田部さんも波豆さんも席を立たない。

「ん? 行かないと」
 そう言ったのだが、

「だって、まだ早いです」

「うん、絶対行くのに早いと思う」
 と言ったように仕切ろうとしたものの失敗した。

「それもそうだな。とはいっても、することは……」

「そう言えば、若菜ちゃん。能力を制御したって言ったけど。実際どうなの?」
 まあ、することがなければ軽い雑談をするしかないわけで、波豆さんは若田部さんに俺も気になっていることを質問した。

「今は相手に触れていなくても嘘が分かる超能力を共有できます。で、心理的不安で暴走は起こりませんと言いたいところですが、少し制御が難しくて感情が揺らげばごく小範囲ですが、勝手に能力を共有しちゃいます。でも、それにさえ気が付けば普通に勝手に能力を共有しているのも辞められます。無意識で共有しても気が付けば範囲を狭める、もしくは止めることが出来るので安心してください!」

「でも、完璧に制御したんじゃ? そんな口ぶりだった時があった木がしたんだが?」 

「いえ、一度は完璧に制御しましたよ? でもお恥ずかしい話ですが、最近また不安定気味で……」
 と言ったようになんとも言えない表情をしている若田部さん。
 どうやら、最近また不調気味らしい。
 いまだ謎多き力だし、そう言う風な不調は仕方がないことだ。
 そんなやり取りを繰り広げ、俺達は時間をつぶすのであった。

 時間をつぶし終えた俺達は風紀委員と待ち合わせしている校門前に向かう。
「今日はよろしくお願いします」
 風紀委員長に挨拶をし、今日の段取りを確認し始める。

「いやー、生徒会の人が協力してくれるのはありがたいよー」
 俺が話しかけたのは風紀委員長の飾利かざり風香ふうかさんである。ふんわりとした雰囲気をしているが風紀委員長の名に恥じないしっかりとした服装をしている。

 ちなみに俺達を風紀委員長の飾利さんがありがたく思ってくれている理由は、学校生活において本当に生徒会の役目が大きく、それを生徒たちも知っているため割と俺達に目を付けられるのは嫌らしい。
 よって、こうした服装検査と言った反感を買う様な活動の際に横にいてくれると本当に助かるのでありがたく思われているわけだ。

「とりあえず生徒会としては何をすれば良いですか?」

「そうだねー。生徒会の人も私達に加わって普通にしてくれれば良いかな。はい、これ。もし、服装検査で引っかかった人がいたらこの名簿に書いてね。口頭での注意じゃ絶対に直らないから。こうして、名前を控えて置いて後で服装が直ったかどうか確認するため用だよ」

「じゃあ、改めて、今日はよろしくお願いします」

「うんうん、よろしくね」

 こうして、今日の生徒会活動が始まる。

 言われたとおりに校門を通る生徒を引き留めては服装を検査していく。

「あの、そのYシャツの下に着てるTシャツは普通にダメです。Yシャツの下に着用することが出来るのは白の肌着かワンポイント柄の白のTシャツでお願いします」
 夏服のYシャツの下って透けるし、何か着ていないと肌を見せつけるような感じになってしまう。
 そのことに意外と忌避感を覚える人は多く、普通にYシャツの下にTシャツを着こむ人が多い。
 しかしながら、この学校では下に着こむことが出来るのは白色の肌着、もしくはワンポイント柄の白のTシャツのみとなっている。
 今回の服装検査で教師側からぜひこの点はしっかりと見て欲しいとの要望があったのでこの点を重点的に検査しているとのことだ。

「いやいや、皆着てるっしょ」
 と言ったように普通に反論してくるので意外と気苦労が絶えない。
 生徒会がいなかったらもっと反発的な人が多いのか……気苦労が絶えない委員会だな風紀委員って。
 だから、挨拶をしたとき、生徒会の俺達がいるだけで少しでも楽になるから、あんなにもありがたがっていたのか。

「とりあえず、学年と名前をお願いします」
 だがしかし、反論してくるものに容赦はしてはいけない。
 風紀委員長の飾利さんにはそう言われたので睨まれている気もするが、名前と学年とクラスを控える。

 こうした風紀を取り締まる活動をし、今日の放課後は過ぎていく最中のことだ。

「服装検査とか、まじうぜー。さ、こんなの無視していくっしょ」
 俺の担当している場所から結構離れたところでそう聞こえた。
 髪は金髪で耳にはピアス。服装は学校指定のYシャツの下にど派手なTシャツを着こんだ連中数人が校門の前で行われている服装検査を無視し通り過ぎようとしている。

 そんな時だ。若田部さんは物怖じせず、その男子生徒らに声を掛ける。

「服装検査です。全員アウトです。名前と学年をお願いします」

「あ? 何か言ったか?」
 若田部さんの声はしっかりと聞こえていたはずなのに通り過ぎようとした生徒のうちの一人が言った。

「はい、服装がアウトなのでこの紙に学年と名前をお願いしますと言いました」

「ああん? っち、めんどくさいでーす。んじゃ、そう言うことで」
 だが、若田部さんのいう事を無視し、校門を通り過ぎようとした時だ。
 通り過ぎようとした連中の前に若田部さんは立つ。

「この紙に名前と学年をお願いします」
 再び、そう言った時だ。
 酷い服装をした連中の一人が心底めんどくさそうな顔をして、若田部さんの肩を掴み思いっきり押した。

 それによって若田部さんは体制を崩し、後ろへもつれ込む。
 尻もちを着き手をすりむいてしまう。

「てか、よく見たら可愛いし。どう、こんな活動辞めて、俺達とカラオケに行かない?」
 とどこまでもお茶らけた雰囲気を漂わせて、若田部さんの手を掴み強引に引っ張って連れて行こうとする。
 この不快な光景に若田部さんの近くにいる人達で助けに行こうとする人は現れない。
 誰も助けに行かないとやっぱり心配なので、俺は離れた位置にいる若田部さんのもとへ駆けつけて行こうとした時だ。
 行く途中にある男子生徒に腕を掴まれた。

「あの人たちは関わらない方が良い。あのリーダー各の親が相当な寄付金をこの学校にしてる、学校側も黙認というかそのせいであまり大きく出れない。だから、辞めて置いた方が良い。こっちが何を言っても学校側は一切取り合わないというわけじゃないが。別に服装以外にはそこまで悪さをしているわけじゃないし、放っておけ。構わない方が良い」
 若田部さんを助けに行こうとした男子生徒が俺の腕を強く握りそう説明してくれた。
 そのせいで、若田部さんを助けに行くことが出来ずにいる。

「いや、でも」

「俺が注意したとき、向こう側の親にどういう教育をしているんだとか色々と人格否定までされて挙句の果てに俺が謝らされた。だから、辞めておけって。先生方も困っているようだが、変にあたまが良いせいで絶対に暴力を振るったりしないせいで、大きく処罰するにできないらしい。だから、ここは目を瞑れ」
 止めてくれた男子生徒は被害者であった。
 ゆえに俺のことを止めてくれたのだろう。
 だけどさ、正直に言おう。割と仲の良い子があんなことされて切れないわけがない。
 現在進行形で、しつこく付きまとわれているのだから助けなくてはダメだ。

「すみません。忠告はありがたいですけど、さすがにあれは許せません」
俺は静止してくれた男子生徒を振り切り、若田部さんにしつこく付きまとう男子生徒のもとへ向かう。

「嫌がってるので辞めてください」
 肩を軽くつかみこちらに気づかせる。
 そして、こちらを向いた時にはっきりと言われた。

「あ、なんだてめえ?」
 さて、どうしたものか……


 
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