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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

三章

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普通な生活は彼女を苦しめる1

更新、遅くなりごめんなさい。
次の話は今日中に投稿します。
 生徒会活動は人数が増えたことにより、朝まで時間を浪費することは無くなった。
 ゆえに、最近はゆっくりとした朝を迎えられるわけがなく、

 ピンポーンと今日も又、朝から若田部さんの襲撃がある。

 インターホンのマイク越しにいつも通りに俺は言う。

「開けないから」

「実は昨日、張り切りすぎちゃって……」
 と手には多くのタッパーを持っていたのをインターホン越しのカメラから確認する。
 なるほど、やはり引っ越し祝いと称した手厚い歓迎を調先輩は受けたのか……。
 てか、やっぱり気を許した相手だと本当に過剰な尽くし方は困ったものだ。

 まあ、作りすぎて腐らせるのももったいないし、仕方がない。
 今日は進入を許すか……。

「はあ……。分かった、今開ける」
 俺は玄関を開け、若田部さんを家へ招き入れる。

 最近は断っているものの、やはりたまに甘くなってしまうのがダメだなと思うこの頃だ。

「さて、温めますね」
 若田部さんは俺の家のキッチンで持ってきた料理を温め始める。
 そんなとき、すでに若田部さんが来ているというのにチャイムが鳴った。

「はい、誰ですか?」
 玄関を開けるとそこには調先輩がいた。

「私よ。ずるいじゃない。若菜さんだけ家にあげるのはダメよ。こうして、私も近くに住んでいるのだから入れて頂戴」
 まあ、一人も二人も変わらない。
 というか、二人いたほうが実は牽制しあうので結構安全だったりするわけで調先輩を家に入れる。

 本当に朝から女の子を家に招き入れるってどういう状況に置かれているのか本当に意味が分からない。

 こうした、少しおかしな朝から一日は始まるが、常時おかしいのが続くわけではなく。

 学校に着く前は散々、俺の服だったり、俺の歯ブラシだったりを持ち帰ろうとしようとしたりと言った影は姿を消し。

「じゃあ、放課後。生徒会室で」

「はい、では」

「ああ、分かった」
 それぞれの普通な日常が始まる。
 俺はクラスに入ると、いつも通りに友達の田中に挨拶をした。

「おはよう。田中」

「おう、神田。ちょうどよかった、少し、頼みたいことがあるんだが」

「なんだ?」

「実はな、俺好きな子が出来たんだ。その子とお近づきになりたいんだけど、女子との接し方はどんな感じが良いか教えてくれ」
 好きな子が出来た。
 恋愛相談か……。

「悪い。その頼み断らせてくれ。恋愛関係に首を突っ込むのは少しな……」

「お、おう。てか、よく思えばお前に女子との接し方を聞いたらずっと友達みたいな関係になりそうだし、自分で何とかするぜ。てか、顔色が悪いけど大丈夫か?」
 顔色が悪いか……。
 そりゃそうだ。だって、俺は中学の時、恋愛相談で……

「ん? 何でもないぞ」
 過去のことは過去のことだ。
 俺は気持ちを切り替え何でもないと言った。

「あ、そう言えば聞いたか? 今日の体育は試合中に成績をつけるらしいからいつもより真面目に受けろだってよ」

 こうした他愛のない会話を繰り広げ、今日も授業は始まった。
 一時間目は数学でなにも面白いことはなく、二時間目の体育の時間を迎え、俺はグラウンドに移動し始める。
 そんな移動の最中に調先輩がフラフラと歩いているのを見かけてしまう。

「どうしたんですか?」

「まだ腕も治っていなくて体育を見学していたのだけど、動いていないのに暑さにやられたようで、少しくらくらするのよ……」
 こめかみに手を当て少しばかり頭が痛そうなそぶりをして、そう話して来た調先輩。
 どうやら、暑くなってきたせいで体育を見学をしていても軽い熱中症に陥ってしまっている様子だ。

「取り敢えず、保健室に行った方が良いんじゃないですか? 横になれますし」

「そうね、少し横になりたいわ」

「途中まで付いて行きましょうか?」

「そう? 別にそこまでするような事じゃないと思うのだけど。まあ、お願いするわ」
 少し、くらくらとしている調先輩を連れて保健室に行く。
 保健室に着き、先生に調先輩が少し熱中症気味なことを告げるたのだが、ベッドの空きがないとのことだ。
 どうやら、先輩同様に今日の暑い気温でやられて体調を悪くした生徒が数多くいるらしい。

 なので、体調が優れなければ早退をしても良いとのことだ。
 普段は高熱やよほどの体調不良でない限り、早退は認められていないが、ベッドの空きがない都合上、早退させて家で休ませる以外に取れる方法がないからである。

「そうね、別に少しくらくらするだけだし早退はしないわ」
 調先輩は早退を選ばずに教室に戻ることにしたらしい。
 何、一応教室でもクーラーは入っているし、横にはなれないが熱にやられた体を一応は休めることはできる。保健室の先生は授業中に顔を突っ伏しても怒られないようにと、診断書みたいなものを書いてくれ、教室でいくら机に突っ伏そうが大丈夫なように計らってくれた。

 そんな調先輩に俺は一応、教室に連れ添う。

「ここまでしなくても、良いのよ? 次の時間に間に合わないわ」
 そう、気が付けば次の授業時間まで残す所2分もない。
 そこまで心配する必要はなさそうだが、一応だ一応。

「どうせ、今から走っても間に合いないし、教室まで行きますよ」

「ふふ、本当にそう言うところは律儀ね」

「そうですか?」

「そうよ」
 調先輩が教室に着く。
 本当にここまでする必要はなかっただろうけどさ、なんだかんだで調先輩にはお世話にはなっている。
 まあ、その分迷惑もかけられてるけど、親切にしてあげるのは当然だ。

「なんとも言えない評価ね。じゃあ、具合が悪くて早退しなければ、放課後生徒会室で会いましょ?」

「じゃ、体調に気を付けて」

「わかってるわよ。好木こそ、熱中症には気を付けなさい。きちんと、水を飲むことね」

 勿論、調先輩の保健室に連れ添って付いて行ったことを話したら、体育の先生は遅れたことを許してくれた。
 今日の体育の授業はバスケットボールの試合を行い試合の貢献度で成績を付けるらしいので皆張り切って試合に望む。
 いい成績を付けて貰えたかは微妙だけどな。

 そんな体育の時間を終えてだらだらと話しながら教室に戻ると、机の上に一本の水が置かれていた。

「ん? お前の机に水が置かれてるけど。さっき、自販機で買ったのは普通にジュースじゃなかったか?」
 教室に戻る際に自販機でジュースを買ったものの、俺が水を買っていなかったのでこうして机の上に置かれている水について田中が質問してきた。

「おいおい、ついさっきこの教室に入ってきたというのに置けると思うか? ま、あの水はたぶんだけど、知り合いからの差し入れって所だ」

「差し入れって誰から?」

「調先輩からだな。さっき、保健室に連れ添った時のお礼だな。わざわざ、こんな事しなくても良いのにな」
 でも、机に置かれたこの水はありがたく受け取っておこう。
 本当にこういう良いところがあるから、嫌いになれないんだよな。 

「まったく、そう言うことしてるのにお前と生徒会の女子との間には生徒会室でやったこと以外の色恋沙汰は全く目撃されていないってのはホント不思議だぜ。やっぱり、あの子たちとは友達的なあれなのか?」
 田中が突っ込んできた。
 こんな感じで、水をあげたりする仲で色恋沙汰に取りだてられることを目撃されないのはそう言う間柄だって言っているようなもんだからな。

「ああ、そうだな。友達的な交友関係だ」

「お前はそれに不満とかないのか? ほら、もっと友達とは違った踏み出した関係になりたいとか思ったりとかよ」

「こういう普通の関係が一番だな、まったく、田中。お前は分かってないな」
 だってさ、学校以外ではほんと酷いからな。
 こういうので良いんだよ。こういう関係で。

「その言葉、本当か?」

「ああ、本当だ。このくらいなら本当に良いんだよ……」
 そう言いながら、先輩から貰った水を飲む。


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