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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

二章

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超能力を使える女の子達を競わせる

ごめんなさい。どうしても話の決着を付けたくて長くなりました。
普段の倍近い文量です。
 謹慎が解け、幼き頃父母と住んでいた一軒家に戻って来た。
 家を空けたのはたったの3日だというのにやけに帰ってきたという感覚が沸く。
 しかし、そんなことを考えている余裕はない。 
 若田部さんと一緒に出掛けるべきか、京香と出掛けるべきか、大いに悩んでいる。
 本人曰く、能力が暴走しかけているっぽい若田部さん。
 能力の暴走の傾向は見られないが、断った事によりその傾向が出てしまうかもしれない京香。
 どちらと出掛けたとしてもリスクはあるという事。

「やっぱり、波豆さんの言ったとおりにするしかないのか?」
 そう、精神的負担を軽減させ、俺が陥落しかけている時を目撃されたとしても、チャンスがあるように思わせるため競わせるという案だ。
 だが、この案では解決にはつながらない。
 むしろ、悪化の一途をたどる可能性が高いという散々なものである。

「だからと言って、何かしら手を打たなければ、若田部さんがやばそうなんだよな……」
 手を打たなければ若田部さんが危ない。
 もし、俺と京香が出かけている姿でもみられれば、下手すれば精神的不安定に陥り超能力を暴走させる可能性が考えられる。

「あら。随分と悩んでいるのね」
 そんな時だ。
 調先輩がいつの間にか目の前に現れる。
 いや、家に来るのは良いんですけど、チャイムを鳴らしてから入ってきてくださいよ……。
 本当に自由な人だ。

「あら、そう? もう、他人行儀な関係じゃないしチャイムを鳴らさなくても良かったと思ってそうしたのだけどダメだったかしら?」

「はい、ちゃんとチャイムを鳴らしてください」

「まあ、次も普通に鳴らさずに入るわ」
 はあ……。
 本当どうするべきなんだ? 調先輩も普通に拒絶すれば暴走する可能性があるしなあ……。

「いえ、私は別にあなたに依存はしていないわよ?」

「どの口がそんなことを言う」

「だって、私は別に超能力が強まっているわけではないもの。簡単に言えば、より制御できるようになっただけ。別に、依存関係に陥って超能力の力が強まったわけじゃないわ」

「とりあえず聞いておきますけど。どこまでわかってるんですか?」
 調先輩は相手の考えていることを読むことが出来る超能力者。
 ゆえに、俺が色々と悩んでいたことはすべて筒抜けだろうし、超能力者が依存すれば力を強めることとか、依存関係が崩壊すれば暴走するかもしれないという事をすでに俺から読み取ったかもしれない。

「全部読み取ったわ。でも、安心して頂戴。私は依存していないわ」

「その言葉、普通に信じられないんですけど……」

「仮にもし私が依存していたとしても、私のことは無視しなさい。そうでなければ、本当に若田部さんかあなたの妹さんが暴走して施設に隔離されるわよ?」

「もし、そんな風に言いますけど先輩が依存してて、何かの拍子に依存関係が瓦解したら暴走しちゃうんじゃ……」

「ええ、私は別にそれでも良いわ。だって、あなたを苦しませたくないもの。そう思うなら、あなたこそ相手に拒絶感を抱かせなければ良いじゃない」

「難しいことを……」

「別にあなたが誰かとキスをしていようが絶対に暴走しないわ。別にそれくらいじゃ、好木に否定され拒絶され避けられているなんて思わないもの。あと、若菜さんの簡単なしつけ方を教えてあげるわ」

「しつけ方?」

「簡単なことよ。もし、若菜さんに例えばあなたが妹さんと出掛けているのを見られてしまったら、同じように出掛けて、お前の方が大切だって分からせるために何かを行動を追加すれば良いのよ。要するに、若田部さんに横にいる女よりもお前の方が大切だって分からせるようにすれば、依存性の崩壊は起きない筈よ」

「何を根拠に?」

「あら、もう忘れたのかしら。私とキスをしたときのことを。教えてあげるけど、もしあなたが若菜さんのキスから必要以上に逃げ続けてたら、あそこでゲームオーバーだった可能性が非常に高いわ。私とのキスで息が上がっていなくて逃げられる余裕があったら本当にやばかったわ」

「って、あの時寝てたんじゃないんですか?」

「いえ、寝たふりをしたのよ。好木があの時、落ちかけて私に手を伸ばそうとしたわよね? もし手を出していたら一発アウトだったわ。あの時、若菜さんは後ろから私たちのキスを見ていた時に考えていたことは不審、不安、捨てられるかもしれない、自分はいらない、拒絶されたかも、そう言った疑念で一杯だったのよ。だから、よからぬ気がして、あなたの手を止めさせたわけ」
 なんだろう、この先輩の万能感。
 先輩の頭はどんな思考回路をしているんだか。

「じゃあ、もし嫉妬されるようなことをされたとしても、それに何かプラスして若田部さんにしてあげれば良いってことか?」

「ええ、そうよ。ただし、迅速に約束を取り付けなければだめよ。それこそ、すれ違いざまに出会った瞬間とか、相手がまさか好木に取って特別な人じゃ……と思っている間にしっかりと若菜さんのほうが大事だと示すの」

「なかなかに難しいな……」

「簡単なしつけ方と言ったけど、普通に難易度はハードよ。もし、若田部さんが一方的に好木と女の誰かが一緒に仲が良さそうにしているところを見られたらおしまいね」

「やっぱり、難易度はハードなのか……」

「で、どちらと出掛けることにしたのかしら?」

「……。さすがに若田部さんが謹慎期間中、俺が遠のいて行くんじゃって不安を抱いたせいで、依存関係が崩れかけて超能力が不安定になってるっぽいんです。だから、今回は京香との約束を断ろうと思います」

「いえ、断る必要はないわ。簡単なことよ。昼は妹さんと夜は若菜さんとデートすれば良いのよ。で、私とはその両方をしてくれれば良いわ」
 あの、さらっと自分の要望を混ぜてるけど。
 京香の約束を断るのも怖いし、先輩の言ったとおりにした方が良いのかもしれない。

「先輩の要望は置いといて、とりあえずそうします」

「酷いわね。そんな風に私だけ突き放して、私の依存的な意識が崩れて能力が暴走しても知らないわよ?」

「いや、自分で依存はしてないって言いませんで知ったけ?」

「そうね。現にあなたに酷いことを言われても全然気にしないもの。だって、私は依存するよりも依存されたいもの」
 依存されたいか……。
 何となくわかる気がする。
 だって、調先輩は高校では依然と良いうわさは聞かないし、他人から頼られるときは都合の悪い問題を解決しようとする時だけ。
 そんな彼女が真に自分を慕ってくれる対象を求めるのはおかしくないしな。

「あら、分かってるじゃないの。別に好木が私に依存しても良いのよ?」

「いや、結構です」

「さてと、今日は停学の謹慎開けであいさつに来ただけだし、そろそろ帰るわ。まあ、その前にお手洗いを貸して貰っていいかしら?」

「どうぞ」

「じゃあ、失礼するわ」
 調先輩がトイレに向かうべく廊下に出た時だ。
 すれ違いに黒髪のプロポーションがすごい人が入って来る。

「どう? 黒髪の私は」
 入ってきたのは波豆さんだ。
 あまり、触れてこなかったが彼女は外国人とのハーフで髪の色は金髪である。
 黒髪にしたのは一体どんな意味が?

「なんで、染めたんですか?」

「え? これはカツラだよ。ほら、変装だよ。変装。陰ながら好木君のことサポートするためにね。若菜ちゃんも京香ちゃんも施設送りにならないようにするためにね」

「でも、変装する意味あるか?」

「あるよ。若菜ちゃんとデート中に調ちゃんや、まあ生活圏的にあり得ないけど京香ちゃんと鉢合わせないように見張らないとだし」

「つまり、俺の後ろについて鉢合わせを防ぐという事か?」

「そうそう、それ。だって、デート中に楽しそうにしている二人を見たら精神的不安定に陥るかもしれないし。そう言った用心をしても良いと思う。で、どうかな。この姿」

「まあ、良いんじゃないか」
 正直に言うと、ものすごく微妙だ。
 金髪だからこそ生えていた顔立ちがいまいち黒髪とあっていない。
 まあ、普段から見ているからこそそのように見えるだけで、普通に美人と言えるレベルではある。

「さてと、調先輩の靴があったし何を話したのかな?」

「まあ、依存関係が崩壊したとき暴走する可能性があるとか、現状、妹にも依存対象として見られてるとか、全部知られた。で、本人曰く自分は依存していないから安心しろとのことだ」

「へー、でも鵜呑みしちゃだめだからね?」

「そりゃ、分かってる。先輩が俺に負担を掛けたくなくて嘘ついてるだけかもしれないという線は捨てきれないし。気に掛けるつもりだ。でも、若田部さんほど気を使う必要はないだろうな」

「そりゃよかった。まあ、さっき若菜ちゃんのところに行ってきたけど。あれはやばいかもね。好木君と会えなかった三日間でもしかしたら好木君が自分のことをなんとも思っていないとか、誰かと一緒にくっ付いて私から離れていくかもしれないとか、そう言った不安が調ちゃんじゃなくても分かるほどだったよ」

「うーん。それはやばいかもな……」

「うん、やばいよ。たぶん、調先輩は普段から好木君に色々してるからいちゃいちゃとしても多少なら大丈夫だけど。京香ちゃんや見ず知らずの女の子といちゃいちゃとしている姿でも見られればおしまいかな? まあ例えばこういう風に手を握ってたりとかさ」
 俺の手を握る黒髪の波豆さん。
 そして、握ると同時にリビングと廊下を通ずるドアが開いた。
 トイレに行っていた調先輩かな?

「あの、そのお方は誰です?」
 しかし、入ってきたのは若田部さんであった。
 あれ、この状況ってまさにピンチなんじゃないか?

「神田君。そのお方と一緒に……。私の事なんて……」

「いや、これは違うんだ。若田部さん」

「じゃあ、なんなんです? こんな裏切られる思いをするのなら神田君のことを好きにならなければよかったんです。どうせ、私はいらない子で誰にも必要にされてなくて誰にも愛されてなくて」
 波豆さんは急いでカツラを外そうとしているも、付けたカツラはしっかりと髪留めで自身の髪と結びつける中々に外れないタイプなせいで手間取っている。
 急いで外そうとしているせいで、さらに外れるものも外れない。

「好木。早く、何かしなさい」
 大急ぎで廊下からリビングにやってきた調先輩。
 その姿は必死であり、本当に俺が若田部さんに何かしてあげなければこの状況を打破できないことを物語っている。

「若田部さん。聞いてくれ」

「……」
 しかし、耳を塞ぎその場にしゃがみ目線は下で何もかも受け付けないように縮こまる若田部さんに声は届かない。

「若田部さん。この人は波豆さんだ。よく見てくれ! 手を握っていたのは不意に握られただけだ。俺からは一切何もしてない!」
 大きな声で言ったので耳を塞いでいようが聞こえているはずである。
 嘘が分かる若田部さんならこの言葉が本当か理解できるはずなのだが、一向にその場で縮こまりの姿勢を解かない若田部さん。

「不安を取り除くには行動よ。嘘が分かると言っても心変わりでその時その時ので返答の真偽が異なるせいで言葉は無視しているわ。だから、何か行動で無理やりあなたが若菜さんのことを捨てていないと分からせない」
 調先輩の的確なアドバイス。
 でも、一体何をすれば……。
 俺はキスをしようと顔を縮こまった姿勢から引っ張り上げようとするも失敗してしまう。
 どうすれば良い。どうすれば、若田部さんに俺が見捨ててないことを伝え依存関係の崩壊を止められるんだ。
 考えろ……。何かないのか?

「噛みなさい。首筋でも腕でも若田部さんのことを噛みなさい! 痛みで顔をあげさせなさい!」
 調先輩が咄嗟に思いついた案を俺に話した。
 そして案を聞き終わったと同時に謎の痛みが頭を走る。
 もしかしてこれは他者に無理やり超能力で得た感覚を共有してしまう暴走の現れか?

 一刻の猶予が残されていないと思った俺はガブリと若田部さんの腕を噛む。
 頭に走った謎の痛みよりも若田部さんの腕に走る痛みが大きいほどの痛みを若田部さんに与える。

「痛いです。一体何を」
 それと同時に若田部さんが塞いでいた耳を開き、目を開け顔を少し上向きにした。

「見ろ、ここにいた黒髪の人は波豆さんだし。俺は若田部さんのことを絶対に見捨てない」
 カツラをやっとの思いで外し終わった波豆さんを指さし、俺は若田部さんにこれでもかと強く言う。
 波豆さんは何とかカツラを外せたものの慌てふためき言葉を出すことはできないでいた。

「でも、私の事なんてどうせ……」
 しかし通じない。
 だが、先ほどとは少し自体が好転しているようであるのを見越した俺はキスをする。
 無理やりに強引に舌をねじ込むほどの強引なキスをした。

 そして、数分の間ひたすらに思考停止させるほどなキスを続けた後顔を離す。

「こんなことをする人が興味がないわけないだろ? だからさ、落ち着いてくれ」

「は、はい。少し、落ち着きました……」
 感情が落ち着きを見せたのと同時に頭に走っていた嫌な痛みは消える。

「安心しなさい。ここら周囲の人は頭に走った痛みの事なんて考えていないわ。つまり、小規模だったって事よ」
 調先輩がそう言った。
 良かった……施設送りにはならないで済む。

「若田部さん。実は俺、調先輩も若田部さんのことも好きだ。でも、俺にはどっちかを選ぶことはできない。だから、俺はもう任せる。より、俺を好きにさせた方と付き合うことにした」

「あの、急に何を……」

「若田部さん。俺に依存するのは別にいい。でも、それを勝手な思い違いで崩壊したと思い込まないでくれないか? そうじゃなきゃ、大変なことになる」

 それから、俺は若田部さんにすべてを話した。
 若田部さんが俺への依存関係が揺らぎ崩壊したとき、精神的不安定に陥り、その際に超能力が暴走して周囲に被害を起こすこと。
 妹から異常な依存を受けつつあり、それを否定したら若田部さん同様能力を暴走させる可能性。
 そう言った今現在抱える問題を全て話した。

「で、結局俺が言いたのは少し俺が陥落しそうになったからと言ってすぐに誰かと付き合わないし、俺がもし誰かとデートするのならみんなに等しくデートする機会を与える。だから、俺に依存し続けるか、依存をじっくりとで良いから無くしてくれ」
 取りたくなかった策を取らざる負えなかった。
 今、俺が言ったのは『俺に好かれたければ尻尾を振るんだな』と遠回しに行ってるようなものでさらに加えるとするのなら『尻尾を振ったところで好かれるとは限らないけどな』と言い切っているようなものだ。

「私の状況はわかりました。でも、調先輩はどうなんですか?」

「あら? 私は別に依存していないわよ?」

「そうですね。嘘ではないです」 
 嘘が分かる超能力者である若田部さんがそう言うのだからそうなのだろう。

「で、さっきから土下座している波豆さん。そろそろ、顔をあげたらどうです?」

「本当にごめんなさい」 
 いらぬ誤解を与えた波豆さんは土下座している。
 俺の支援役で派遣されてきたのにこれっぽちも役に立っていないどころか、かき乱しているのは明白の事実。

「波豆さんって本当に役立たない気がする……」
 まじで役立たないのでそう口に漏らしてしまう。
 いや、失礼だけど。事実だし……。

「いや、うん。そうだね。私は役に立たないよ……でもさ、それだからこそ役に立てるように頑張ろうと思うんだよ。だから、困ったことがあったら何でも相談して。特に若菜ちゃんは私のことを頼って、もし好木君が他の女の子と出歩いてて不安に思ってもすぐ私に連絡をくれれば洗いざらいその女の事の関係を教えるからさ」
 そう言って取り出した。
 一冊のノート。それを若田部さんに渡した。

「すごいです。これ……」
 ノートの中を見た若田部さんは感嘆の声を漏らす。
 それほどまでの物かと思った俺は覗き込んでみると、そこにはびっしりと俺の交友関係と出会った人について書かれていた。

「あの、波豆さん。俺の回りのことをどれだけ嗅ぎまわってるんですか?」

「そのくらい、朝飯前くらいには」

 そんな若干の落ち着きを取り戻して来たときだ。

「あの、好木。あなたの妹がこの家に近づいてきているのだけど……」
 いや、先輩の能力本当に万能すぎないか?
 どれくらいの範囲の人の考えを読めるんだよ。バカみたいに範囲が広いだろ、先輩の考えを読める範囲ってさ。

「どのくらい?」

「考えにあなたのことが明確に浮かんだのはついさっきで曖昧と考えていたせいであなたの妹と気が付かなったから、本当にあと少しでつくわ。そうね、1分と言ったところかしら?」

「京香ちゃんにも今の事を説明するのかな?」 
 事情を説明するかどうか波豆さんに聞かれたので答えた。

「する。きちんと別の女の人と一緒に居るけど別にお前のことを忘れたり、見捨てたりするわけじゃないと明確に伝える……」

 そして、家のチャイムが鳴り、俺は玄関に京香を迎えに行く。

「よう、京香。どうしたんだ?」

「遊びに来ただけ。そう言えば、好木さんが引っ越してからこっちから遊びに行ってないと思って。それよりも、靴の数が随分とにぎやかだけど誰かいるの?」

「いや、まあ。いるな……」

「ふーん。そう。じゃあ、挨拶しないと」
 靴を脱ぎリビングに向かう京香。
 そして、リビングに入り京香はリビングの皆にこういった。

「好木さんは私の物だから」

 その声はおびただしく、皆を恐怖させる。
 俺さえも意味の分からない恐怖が身に降りかかっている。

「い、いえ違うわ。よ、好木は誰のものではないわ」
 震え声の調先輩が言う。
 普段、物怖じしない調先輩の震え声は意外と貴重であるも、そんな事より妹から放たれる恐怖に震えてしまう。

「へー、そう。良いよ、別に。結局は最後は私の物になるし。っと疲れたから辞めてあげる」
 京香が辞めてあげると言ったと同時に恐怖は消える。
 もしかして、今感じていた恐怖は京香の超能力によって俺達にもたらされていたのか?

「ええ、そうよ。好木。あなたの妹さんは自身の力で私達に恐怖を押し付けてきたわ」

「ふーん。すごいじゃん。私の超能力をすぐに見破る何て。でも、それよりも……。やっぱり、おにいは私の事なんてこの人たちを好きになってどうせ見捨てていくんだ……」

「好木。これまた大ピンチよ。ものすごく、私達と自信を比べてネガティブな思考が延々と考えられているわ」
 強気が弱気に変わると同時に調先輩が言う。

「京香、お兄ちゃんはお前のことを絶体に見捨てないから安心しろ」

「本当に?」

「ああ、本当だ。だから、落ち着いてくれ」
 京香の頬に最近はめっきりとしていなかった愛情を伝えるためのキスをしようとした。
 何、やりすぎて損はない。
 そう思っていたのだが、

「ダメ。それじゃあ、おにいは私から離れてっちゃう。だって、恋人が出来たら絶対そっちの方を優先するか。だから、私はおにいの恋人になっていつまでも愛して貰おうと思ったんだから」
 ああ、そう言う事か……。
 俺に好きな人が出来てそっちの人を自分よりも愛すことを恐れた。
 ゆえに俺に恋人のように愛情を注げと言ってきたという事か。

「わかった。京香……」
 そして、頬ではなく唇にキスをした。
 無理だ。キスはしたもののやはり妹は妹でしかない。
 そんな葛藤をしながらも仕方がなくキスをして妹をなだめることしかできない自分が憎くて情けない。

「おにい……私のことを恋人として見てくれるの?」

「ああ、とりあえずお前を妹として扱わない事にした」
 勿論、俺の中で京香は妹でしかない。
 要するに暴走させないための嘘だ。
 若田部さんはそのことに気付いているだろうが、自身も暴走しかけたこともあるせいか口を出さない。

「でもさ、俺ここにいるみんなが好きでさ。でも、選ぶことが出来ないんだよ。だから、とりあえず、発言的にはクズだが言わせてくれ」

 続けざまに俺は言う。
「俺は誰とも付き合うつもりはない。でも、チャンスはやるし傾きかけることもきっとある。だから、俺を恋人にしたければ全力で落としに来るんだな。よって、俺が自分以外の女の子と少し仲良くなりかけているからって諦めるなよ?」

 俺は結局競わせることでしか女の子たちの不安を取り除かせることが出来ない。
 競わせて、自身にチャンスがまだあることを自覚させ過剰な落ち込みを防ぐ。
 それでしか、不安を取り除いてやるしかできないわけだ。


 もし俺が誰かと付き合えば付き合わなかった女の子の超能力を暴走させ、その女の子の人生を終わらせるかもしれないという事でそれを防ぐにはこういう細かなことに気配りするしかないのだから。


 てか、これって本当に大丈夫か? 
 普通に取り返しがつかなくなっててるだろ……
これで盛代な前振りはおしまい。
本当に最近のグダグタ感はすみませんとしか言えません。
次回から()回を連発の予定
+注意+
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